平成25年第1回定例会
1 補正予算の概要について
2 いじめに関する総合的な取り組みについて
3 オリンピック・パラリンピック招致について
4 板橋区役所北館とSNSを活用した文化振興について
【全文】
●山田貴之
おはようございます。自由民主党の山田貴之です。これから100分ですね、よろしくお願いいたします。
私の項目、4項目ありまして、2項目、3項目、4項目と、教育、スポーツ、文化となっております。特に、2項目めと4項目めに時間をかけて質問をさせていただきたいというふうに思っております。
それでは、早速、1項目め、補正予算の概要についてであります。
平成24年度の最終補正予算の概要についての説明をお願いしたいというふうに思います。歳入の確保ですとか、あるいは厳しく歳出の削減を行ってきた中で、どのような効果を区として出すことができたのか、ご説明を求めます。
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●政策経営部長
おはようございます。
それでは、山田貴之委員のご質問にお答えさせていただきます。
今回の平成24年度の3月補正予算の編成におきましては、年度内の事務事業の確実な執行見通しに基づき収入・支出の増減が見込まれるもの、緊急かつ必要性の高い事業費の追加、継続的な工事発注のための債務負担行為の追加設定をするという、3つの基本的な考え方に基づいて、最終的な予算の整理を行ったものでございます。
その特徴といたしましては、一般会計の補正予算全体では、100万円という僅少な増額補正にとどまっておりますが、その中で生活保護扶助費の大幅な伸びに対応するとともに、喫緊の課題である保育園の待機児対策などにも、積極的な予算化を図ったことでございます。
一方、財政効果といたしましては、事務事業の徹底した精査、そして特別区交付金の増額などもございまして、57億円の余剰財源を確保することができ、この余剰財源を活用して、財政調整基金からの繰り入れを全額回避するとともに、その上でさらに16億5,000万円を積み増すことができたことから、平成25年度当初予算におきましては、この中から40億円を活用するなど、財源の確保を図ることが可能となったというふうに考えてございます。
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●山田貴之
お話しいただいたように、今回は57億円の余剰財源が出たということで、財政調整基金を使わずに、さらに16億円を積み増して、平成24年度末では財政調整基金が104億円残高になっていると。ただし、依然として厳しい財政状況にあるということは変わらないという認識は、ここにいらっしゃる皆さんが持っておられることかと思います。そういった中で、やはり選択と集中の行財政改革を進めていく必要があるんだろうというふうに思っています。
そういう行財政改革の中で、私はやっぱりかけるところにはかけていかなきゃいけないと。人、物、金を集中するところはどこなのかというふうに考えて、ローリングを行っていかなければいけない、さらにそれを補い足していかなければいけないと思うんですけども、特に足りていないのではないかというふうに私が懸念しているのが、教育現場であります。
そこで、2項目めに移るんですけれども、特にいじめの問題に関して、私はもっと積極的な財政組みが必要ではないかというふうに思っております。
国が今いじめ防止対策基本法というのを成立させようとしております。これが成立をしますと、自治体としても、もっとこのいじめに対しての役割、責任がふえるのではないかというふうに思っています。
そこで、板橋区として、いじめに対しての考え、そして現状認識についての所見をお伺いします。
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●総務部長
おはようございます。
それでは、いじめに対して板橋区の考え方ということでございますので、私のほうからお答えしたいと思います。
いじめそのものは、人間の尊厳に係る重大な人権侵害の事件だというふうに思ってございます。どのような理由があっても、許されるものではないということでございます。区といたしましても、いじめというのは社会全体の問題であろうというふうに捉えているところであり、人権啓発活動、あるいは教育予算の編成等、教育委員会と連携をとりまして、地域や保護者の皆様と一体となり、対応に努めていきたいと思ってございます。
また、今ございましたいじめ防止対策基本法につきましては、まだその内容が明らかになってございませんけども、一つの大きな道具というんですか、いじめ撲滅に期待できるものというふうに認識をしているところでございます。
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●山田貴之
今、総務部長に出ていただいたのは、私がお願いをしたんですね。次に教育委員会にも伺いたいというふうに思っているんですけども、結局、予算をつけてもらわなきゃいけないというふうに、私、最終的に思っていまして、教育委員会だけではなくて、やっぱり区としてこのいじめに対してどういうふうに取り組むのかという考えが必要であろうということで伺ったんです。
それで、続きまして、次に教育委員会として、いじめ対策に対する現状の認識と今後の取り組みについての意気込みをお伺いしたいというふうに思います。お願いします。
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●教育委員会事務局次長
おはようございます。
いじめにつきましての教育委員会の現状認識と決意についてのご質問でございます。
今、総務部長が申し上げましたように、いじめは重篤な人権問題であり、いじめは絶対に許される行為ではございません。児童・生徒一人ひとりが、かけがえのない人間として大切にされ、学校は、児童・生徒が安心して毎日を過ごし、自分を伸ばしていくことができる場でなければならないと考えておりまして、児童・生徒にはいじめを絶対にしない人、許さない人になってほしいと願っております。
しかしながら、学校等の集団生活である場では、いじめをなくすことはできないと考えておりますので、被害者を守るため、いじめ見逃しゼロを徹底させ、生命を大切にする教育といじめ問題に対して、全力を尽くして取り組んでいく所存でございます。
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●山田貴之
いじめを撲滅すると、いじめをゼロにするというスローガンだけではなくて、やはり具体的にどういう取り組みをしていかなければいけないのか考えなければいけないときに、まさに来ているんだというふうに思っております。
そこで、板橋区の現状についてもう少し伺いたいというふうに思うんですけども、板橋区でもいじめの件数が報告されておりますけれども、板橋区では、だれがこのいじめについて、これがいじめだというふうな認識を示しているんでしょうか。
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●教育委員会事務局次長
いじめの判断についてでございます。
いじめにつきましては、まず各学校で日常の児童・生徒の観察をしているほか、年3回以上いじめに関するアンケート調査を行うなどして、いじめの現状を把握しているところでございます。
児童・生徒から訴えがあった場合、学級担任が聞き取りを行うなど、実態を把握した上で、学年主任や養護教諭、場合によっては校長に相談するなどして、いじめであるかどうかを判断しているところでございます。ただし、いじめでないと言い切れない場合もございますので、いじめの疑いがあるものとして判断をしているところでございます。
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●山田貴之
平成24年度7月の緊急調査においていじめと認知した件数、板橋区内だと小・中学校を合わせて合計で207件、先ほど言われたいじめの疑いがあると思われる件数が333件ですね。このいじめの疑いがあると思われるものまで含めますと、合計で540件が報告されているということであります。
これをもう少しちゃんと考えますと、結局このいじめに関係をしている生徒、加害者、被害者おりますので、540件というふうに言っても、この倍の人数いるはずなんですね。1,080件。それで、これは想定としてあくまでも加害者が1人、被害者が1人という考えだと1,080件なんですけども、もう少し加害者が2人であるとか、加害者が3人であるとか、被害者が2人であると、当然その人数は、いじめに何らかの形でかかわらざるを得ない生徒の人数というのはさらにふえますし、その児童の皆さんには、皆さん保護者がいらっしゃるということで、そう考えると、これは相当の人数の方が心を痛めている、あるいはいじめに児童として加わってしまっているというふうに考えますので、これは非常に大きな問題ではないのかなと私は思っております。
さらに、区長が掲げております、あたたかい人づくりNo.1の理念にも、私はそぐわないというふうに思うんですね。次代を担う板橋の宝である子どもたちを育むため、教育や子育て支援に全力を注いでいきますと、この考えにそぐわないものではないか、もう少しここに予算をつけて、事業化をしていっていいのだというふうに思うのですけれども、先ほどいじめの疑いがあるというような件数も私は申し上げましたけれども、このいじめといじめの疑いがあるというこの判断の違いというのは、どういったところから起こるのかというのを教えていただければと思います。
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●教育委員会事務局次長
いじめといじめの疑いがある事例の判断についてのご質問でございます。
いじめの範囲につきましては従来、加害者の立場からの観点で把握をしていた部分がございますが、平成18年度に当該児童・生徒が一定の人間関係のあるものから心理的、物理的な攻撃を受けたことにより精神的な苦痛を感じているものへと変更になってございます。こういった考え方に立ちまして、子どもからの訴え等を含めて判断をしているところでございます。
具体的には、暴力的な行為があるという顕在的ないじめの事例もあれば、からかい、あるいは物を隠したりという、いたずらというような部分まで含まれてくるのかなというふうに考えております。後段の部分については、いじめの疑いがあるものとして扱っていこうというふうに考えております。
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●山田貴之 ご説明いただいたように、いじめなのか、あるいはいじめの芽なのか、この判断というのはとても難しいというふうに私は思うんですね。これはどこまでがいじめかというのは、私は別にここで言及するつもりはないんですけれども、とにかくこの判断というのは難しいというふうなことの認識で私はいるんですけども、今後、国からも、例えばこういういじめ防止基本法のような法律が制定されたときに、自治体として取り組みを強めたときに、教育委員会として取り組みを強めたときに、もっと多くの件数が必ず報告されるんだろうと私は思っております。今現在も、もちろん報告されていないものもあるでしょうし、今後、その取り組みを強化しようと思えば、その件数は必ずふえます。そうしたときに、教育委員会として、その報告を上げたからといって評価しないのではなくて、そこに積極的に解決をしようとする学校に対しては、評価を行っていただきたいというふうに思うのですけれども、ご見解をお願いします。
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●教育委員会事務局次長 これは再三、教育委員会、あるいは校長会等でもお話をしているところでございますが、いじめがあるなしで学校の評価、あるいは校長先生の評価を行うということではなくて、やはりいじめをどこまで発見できるか、芽のうちに把握できるか、こういうことが重要であるというふうに考えておりまして、そのように学校のほうにも、いじめの疑いがある者まで把握をしていただきたいということを徹底しているところでございます。
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●山田貴之 それでは、いじめを撲滅しなければいけないというふうに思います。これは一つのスローガンであると思うんですけれども、ではなぜいじめを撲滅しなければならないのか、改めて教育委員会にお伺いしたいというふうに思います。お願いします。
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●教育委員会事務局次長
いじめは子どもの心を深く傷つけ、人格形成に悪影響を与える憂慮すべき人権侵害であると考えております。子どもたちに自分、他人の生命の大切さを学ばせ、思いやりの心を育むことは、学校教育の使命でもありまして、望ましい集団生活を送る上でも、いじめについては課題があると考えております。
したがいまして、いじめの未然防止や早期発見、早期解決は、学校にとっても重大な課題であるというふうに考えているところでございます。
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●山田貴之
いじめというのは、先ほどもおっしゃっていただきましたけども、重大な人権侵害で、それによって命を落としてしまう児童も大勢いるということで、このいじめ撲滅にはしっかり取り組んでいかなければいけないというのがあります。思いやりの気持ちを育てるとか、命を大事にする教育というのも、もちろん学校で教えることとしては、とても大事なことだというふうに思っております。私もそう思っております。
ただ、もう一つ、やっぱりいじめによって学習環境、安全・安心な学習環境が私は阻害されているというふうにも考えています。
これは私も義務教育、板橋区の緑小を出て、志村第四中学校を卒業しましたけれども、私のときも、当時、このいじめによって、例えば授業中に手を挙げるなというようなことを言われたりとか、そうすることでやっぱりその本人はもちろん、周りの子どもたちにも、安心で安全な学習環境を提供することができていないのではないかというふうに、懸念をしております。ですので、命の問題もそうですし、学力を向上させるという意味でも、いじめを学校からなくしていく取り組みを強めていかなければいけないのではないかというふうに思います。
それとはまた別で、児童が命を落としてしまう事件、メディアでも大きく報道をされますけれども、この児童の心理を考えたときに、教育委員会ですとか、あるいは学校の教員の担任の先生、あるいは保護者、話すことがなかなか難しかった、話したけれども聞いてもらえなかった、今生きているのがなかなかつらいから僕は身を投じるというような遺書もあります。そういうようなものを見たときに、本当に心が痛い、本当に痛む気持ちで、その記事を読んだり、拝見したりするんですけれども、もう少し子どもたちにとってセーフティーネットみたいなものができないのかどうかというふうに私は考えていまして、この自殺をさせない取り組みをもう少し強化してはどうかというふうに提案したいと思うんですね。
いろいろな窓口を広げてみるというのも1つだと思うんですけども、私はもっと電話を児童に活用してもらうようにしたらどうなのかというふうに思います。
一義的には担任の先生が生徒の話を聞いてあげる、十分に時間をとれるのがいいかと思うんですけども、なかなか忙しい中で、担任の先生に全てをやはり押しつけるのは、なかなか難しいのではないかということから、もう少し電話ということに重点を置いて考えてみたらどうかということで、3つほどちょっと考えを披露したいんですけども、1つは、相談できる電話の窓口を広くすること。2つ目は、情報提供の頻度をふやすこと。例えば、今も電話先のカードを配っておられるそうですけども、相談窓口のカードをですね。これが年に1回とか、半月に1回とかじゃなくて、もう少し定期的に生徒の目の届くところに掲示をしていくというようなこと、情報提供を積極的に頻度をもって行う、あるいは相談できる窓口へのアクセサビリティーを高めること。例えば、3年生、4年生が、電話をしてみようと思っても、どこで電話をするのかとか、あるいは母親や父親に知られたくない、心配をかけたくない、あるいは学校にも知られたくない、こういった生徒にどういうふうに電話をかけてもらうのか、もう少し真剣に悩んでいかなければいけないというふうに、私は思っていますけれども、見解をお願いします。
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●教育委員会事務局次長
セーフティーネットとしての電話を中心とする相談体制の強化についてのご質問でございます。
現在、各学校で相談しやすい体制づくりをとっていることに加えまして、電話等の相談では、STARTやいじめ110番などを行っているところでございます。また、それ以外の相談としては、教育相談所、あるいはスクールカウンセラーが児童、保護者の相談に対応しているところでございます。
また、今、委員ご指摘のように、いじめや自殺などの悩みを相談できる相談機関一覧につきましては、毎年、学校を通じて児童・生徒に配布をして周知をしているところでございます。この活用についても検討させていただきたいと思います。
また、相談機関等の周知の機会をふやしたり、スクールカウンセラーと相談しやすい仕組みをつくるなどして、窓口へのアクセスをしやすくしていくというようなことについても、十分に検討を重ねまして、いじめに悩む子どもたちが、相談しやすい体制づくりを学校と連携をして推進していきたいと考えております。
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●山田貴之
とにかく児童が困ったときに話ができる、そういう相談窓口をふやしていただきたいというふうに強く要望したいというふうに思います。
それと、あと学校間で対応力、指導力にやっぱりばらつきがあるのではないかという懸念がありまして、特にある程度の水準、これは少し技術的なところになってくるのかもしれないですけれども、学校間の格差をなくして、少し生徒が、あるいは保護者が相談をしたときに、間違いのない相談体制を行ってほしいというふうに思うんですね。
それで、いじめに関する教員の対応の課題というのを、私も幾つか相談を受けている中で感じていまして、やはりもう少し初動をどうにかうまく対応してもらえないだろうかという思いがあります。問題が深刻化しているケースというのは、初動の対応にやはりちょっと課題があるのかなというふうに思っているんですけども、教育委員会としての現状の対応に課題を感じていれば教えてください。
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●教育委員会事務局次長
いじめに対する教員の初動態勢についてのご質問でございます。
いじめ等の相談に対しましては、教員の初動態勢が十分でなく、認知がおくれるというようなことで、結果的に解決に時間がかかってしまう場合や、保護者の間でいじめに関する考え方の違いなどがありまして、トラブルにつながるなど、問題が深刻化する場合がございます。学校では、いじめを認知した際は、1人の教員が抱え込んだり、放置したりすることなく、学校長のリーダーシップのもと、教員の緊密な情報交換や共通理解を図って、学校全体で組織的に対応することが重要であると考えております。
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●山田貴之
少し触れていただきましたけども、また親同士の意思疎通が図れないまま、例えば面談をしてしまったりすることで、子ども同士で解決ができそうな問題が、さらに親同士の感情的な問題に発展して、解決がなかなか難しい状況になっているという例を私も幾つか伺っておりますので、これは要望にしておきたいと思うんですけれども、ぜひ初期対応、中間の対応、こういったものを教育委員会としても、やはり情報共有をして、指導を行っていただきたいというふうに思います。
とにかく担任の先生1人にこれを任せるのではなくて、やっぱり教員の先生もいろいろ忙しいという中で、ではどういうふうにそこにサポートすることができるのか、教育委員会としてサポートすることが何なのかというのを一生懸命考えていかなければいけないというふうに思うんですね。そこで、やっぱり指導の強化というのは1つ上がると思っております。
どういった指導をするのか、私なりに3つ考えたんですけれども、やはり事実確認をしっかりもう少しさせたほうがいいのではないかと。何が行われていたのかということがわからないまま相談に乗っても、やっぱりやった、やらないの不毛な議論になってしまうと思うんですね。いじめのその深刻さにもよると思うんですけれども、何がそこのいじめと言われている件に関して行われたのかという確認を、1つは事実確認をしていただきたいということと、それと先ほどもおっしゃっていただきましたけれども、複数対応ですね。教員1人ではなくて、できるだけ学年主任の先生ですとか、副校長ですとか、スクールカウンセラーですとか、こういった方に相談をする、1人で抱え込まない、いじめという認識を1人で判断せずに広く複数で対応していく、面で対応していく。そして3つ目が、やはり報・連・相ですね。報告をするということだと思います。これは担任の先生だけではなくて、専科の先生が見たさまざまな変化も教員の先生と意識共有をしていく、こういうことをしていく必要があるということを、教育委員会としても指導していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
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●教育委員会事務局次長
いじめへの対応の強化についてでございます。
今ご指摘がございました事実の確認、把握、また複数での対応、また教員間の報・連・相、報告、連絡、相談の充実といったことは、大切な視点だというふうに考えてございます。
また、その対応といたしまして、当事者だけでなく保護者や友人、また関係者からの情報共有、また事実関係を正確に把握をし、適切かつ迅速にいじめに対応していくことが必要であると考えております。
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●山田貴之
教員のバックアップ、サポート体制をさらに強めるということで、さらに3つ提案をしたいというふうに思うんですけれども、まずは教員の先生にわかりやすくプロセスのチャート化をしてみたらどうかと。どういうタイミングで、どういうことを考えなければいけないのか、これは文字ではなくて、忙しい先生に視覚的にこういうタイミングでこうだなというのをあらかじめやはり指導しておく必要があると。そのツールとしてのチャート、こういったものを教育委員会として準備をしてはどうかというふうに思います。
さらには、手引書ですね。これはいろいろな事例に対してこういうふうに解決をしたと、こういうことが問題だったということをしっかりとまとめた冊子、この手引書、マニュアル本とも言えるかもしれないですけども、もう少し技術的な面でサポートができるもの。これは民間だとクレーム研修というようなことをしますけども、クレームといじめをもちろん一緒にはしませんけれども、もう少し技術的な面で、教員の先生方をサポートすることができるのではないかというふうに思います。
そして3つ目は、情報の共有化ですね。起こったことを、あるいは教育委員会として蓄積してきているノウハウを教員の先生方、学校にしっかりと教えていく、この3つの視点が私は教員の皆さんのバックアップになるというふうに考えるんですけども、いかがでしょうか。
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●教育委員会事務局次長
いじめへの教員の対応についてのご質問でございます。
まず、いじめや事故等の情報の伝達などにつきましては、各学校ではあらかじめ定めた図を作成しているところでございます。この図を活用していきたいというふうに考えてございます。
また、教育委員会では、手引書となり得るいじめの初期対応のポイントや事実関係の究明の留意点につきまして、通知やチェックリストを作成いたしております。また、東京都教育委員会が作成をいたしました、学校におけるいじめ問題の解決に向けてという冊子がございますが、こちらを配布しているところでございます。
また、学校における対応事例や情報の共有化につきましては、STARTの相談員が講師となって、教員の研修会等で活用していきたいというふうに考えております。
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●山田貴之
今もしていただいているということなんですけれども、やはり現状、報告が上がってきていますので、もっと取り組みを強める、あるいはその手引書にしても、もう少し細やかな、例えば学年別、3年生のときの対応と中学2年生のときの対応が少し違ってくるのではないかというふうに思いますけれども、そういったことも含めて、その今提供されているバックアップのためのいろいろなツールや情報をもう一度見直していただいて、より強固な支援体制を築いていただけばというふうに思います。
それと、これはバックアップには直接的にはならないのかもしれないですけれども、私、教員の先生からお話を伺うと、皆さん忙しいというふうなことを言われるんですね。私も相談を受けたときに、その相談された親御さんからお話をちゃんと聞こうとすると1時間とか、2時間とか優に時間がたってしまいますし、それがいじめを受けた、あるいはいじめをしたという生徒から、2人から話を聞こうと思っても、その倍の時間がかかるのかもしれません。そうしたときに、やはり事務効率を少し上げていかなければいけないというふうに思うんですね。いろいろインターネットも普及していますし、パソコンも使えるようになって、昔よりは事務効率というのは上がっているのではないかなというふうに思うんですけれども、それでもやはり教員の先生は忙しいというふうに言われるんですね。この事務の効率化というのを教育委員会としてはどのように指導して、行っているのかを教えてください。
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●教育委員会事務局次長
教員の業務の効率化についてのご質問でございます。
教員は通常の授業や授業の準備以外にも、生活指導や進路指導、校務分掌、校内研究、成績処理、行事の関連の準備、保護者への対応、部活動の指導など、多岐にわたる業務を行っていることが、現在の多忙の原因であるというふうに考えております。
教育委員会といたしましても、教員が授業の準備や補習など、子どもたちに関わる時間を確保することが極めて重要であると考えておりまして、校務事務のICT化によりまして、業務の効率化を図っていく必要があると考えているところでございます。
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●山田貴之
こういった多忙なところに、さらに何かをさせるというのはなかなか難しいのかもしれないので、ではほかに人材をという考え方になるんですけれども、今STARTの皆さんも、各学校でいろいろな相談を受けて活動されています。お話を伺うと、大変貢献されていらっしゃるというふうに思いますし、またスタッフの皆さん自身も、多忙でさまざまな相談を受けていらっしゃるというような状況であります。
ただ、STARTの皆さんは、いじめだけではなくて、さまざまな学校問題に対応しているという現実がありますので、私はこのいじめを撲滅していくのであれば、このSTARTの強化、さらにはいじめに専従する職員の確保なども必要ではないかというふうに思っているのですけれども、お考えをお示しください。
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●教育委員会事務局次長
いじめに対します人的な配置についてのご質問でございます。
まず、STARTでございますが、学校緊急対応チームSTARTにつきましては、学校の緊急かつ危機的な課題に迅速に対応するために、学校とともに課題の解決に当たっているところでございます。今、委員ご指摘のように、いじめだけでなく不登校等、学校のさまざまな問題について適宜対応しているところでございます。
STARTにつきましては、板橋区立小・中学校の学校長、副校長の経験者で組織されておりまして、いじめの問題やその他の対応についても見識が深く、スクールソーシャルワーカー的なアドバイザーとしての役割も担っているところでございます。STARTの機能の充実ということで、今後、人的配置等についても検討していきたいと考えております。
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●山田貴之
ぜひ配置をしていただいて、教員の皆さんのサポート体制をしっかりしていただきたいと思います。
養護の先生についてなんですけれども、やはりこれは大規模校にも1人、小規模校にも1人になっておりまして、私は大規模校には加配をしたほうがいいのではないかと。今、養護の先生の現状を伺うと、やはりすごくスケジュールでいっぱいなんですよね。生徒の身近なところで相談をできる方として、養護の加配を考えていただければなと思うんですけれども、見解をお願いします。
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●教育委員会事務局次長
養護教諭の配置についてのご質問でございます。
公立学校の養護教諭の配置につきましては、公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律において定められておりまして、東京都ではこの法律に基づきまして、26学級以上の場合、養護教諭を2名配置するという基準になっております。
現在のところ、本区におきまして26学級以上の小・中学校はございませんので、養護教諭については各校1名の配置となっている実態がございます。
板橋区といたしまして、東京都の定数基準を超えた区独自の教員の配置につきましては、財政面や人事制度上、難しいというふうに考えておりますが、カウンセラー等の相談員につきましては、検討していきたいと考えております。
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●山田貴之 いじめに関して取り組みを本当にさまざまな手を打っていくことで、減じることができるんだというふうに思っていまして、この1つをやったからといって、いじめが簡単にゼロになる、少なくなるということはないというふうに思うんですね。ですから、さまざまな手段を考えて、しっかりと手を講じてほしい、手段を講じてほしいというふうに思うんですけれども、そういう中で、私は教育委員会として、やはり継続的にいじめの原因究明を進めていく必要があるんだと思います。一つひとつそれは個別的で理由が違うのかもしれませんけれども、それでもいじめが起きるメカニズムであるとか、どういったところでいじめ、あるいは暴力が振るわれるのか、学校の見えないところ、あるいはどの時間帯なのか、こういったものをしっかりと原因を究明していかなければ、それに対した適切な手が講じられないというふうに思っていまして、いじめの原因究明に対してのお考えをお願いします。
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●教育委員会事務局次長
いじめの原因究明についての考え方についてのご質問でございます。
板橋区では、6月、10月、2月の年3回、「いじめ防止強化のふれあい月間」を設定いたしまして、各学校におけるいじめの実態把握を行っているところでございます。
このふれあい月間では、各学校がいじめの実態についてアンケート、個人面接等により、いじめが起きた場所や時間などを含めた総点検を行うとともに、早期発見、早期対応、未然防止等につながる具体的な取り組みを教員一人ひとりが個別に確認し、報告をしております。また、区立学校におけるいじめの体系的把握や分析は行ってございませんが、今後のいじめ対策については、今申し上げました確認、報告をしたものを学校と情報を共有化し、早期発見や早期解決に努めていきたいと考えております。
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●山田貴之
教育委員会の中で、やはり継続的に、このいじめ問題に対して取り組んでいく職員が、私は必要ではないかというふうに思っていまして、いじめ問題に対して学校現場はもちろんですけども、教員、生徒、PTA、地域、児童相談所、警察、法務局、国、都などと連携することを考えると、やはりここには職員が必要なのではないかというふうに思います。
そこで、私はそのいじめに対応する専門の担当課、もしくは専門の職員の配置を考えてもいいのではないかというふうに思うんですけれども、その件についてお考えをお示しください。
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●教育委員会事務局次長
いじめ問題の対応の専門部署についてのご質問でございます。
現在、いじめ問題への対応につきましては、指導主事や学校緊急対応チームSTARTが関係機関と連携をしながら対応しているところでございまして、定期的に学校を訪問するなどして、学校の実態把握を行っているところでございます。
また、学校だけでは解決に至らない、いじめに対しましては、現状では、STARTが中心となって、学校と家庭をつないで、いじめの早期解決を図るため、重要な役割を担っているところでございます。
いじめに対しまして、引き続き指導主事やSTARTが対応していく考えではございますが、担当組織の設置等については、今のところ考えておりません。学校や関係機関と連携をして、いじめの対策を引き続き推進をしていく考えでございます。
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●山田貴之
今よりもやはり体制を強化していくことが、いじめの減少につながっていく、撲滅につながっていくのではないかと、私は思っております。
また、教育委員会でも、いじめについて議題として取り上げた回数が私は少ないと。しかも、それが全部中学生審議会のことに関することで、やはり積極的にこの課とか、担当職員を配置することで、もう少し議案として教育委員会も議論をしてくださるのではないかというふうな期待もしているんですけれども、ぜひご検討いただければと思います。これは強く要望したいというふうに思います。
それで、あとはいじめの対応した後のフォローですね。件数に対して解決ということで数値を伺いましたけれども、この児童・生徒、加害者側に関しても、被害者側に関しても、やはりフォローをしていかなければいけないというふうに思っておりますが、このフォローについてはどのように今対応されているのかお願いします。
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●教育委員会事務局次長
いじめに対する対応後のフォローについてのご質問でございます。
いじめが解決したと考えられる場合でも、いじめが水面下で継続をしていたり、また再発をすることもございます。解決したことで安心することなく、継続して十分な注意を払い、定期的な面談やアンケート調査を実施するよう指導しているところでございます。
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●山田貴之
そこで、いじめを未然に防止する環境づくり、対応のことをしっかりやった後は、これはしっかりいじめが起きづらい環境をつくっていくということが必要だというふうに思うんですね。
私が知っている事例で、すばらしい取り組みだなというふうに思っているのが、足立区の辰沼小学校のキッズレスキューという取り組みなんですね。このいじめ防止というと、何か大人が対策を講じるというイメージがあるんですけれども、これはそうではなくて、学校長が子どもたちに、自分たちでいじめに遭っている子どもたちを助けるレスキュー隊をつくらないかというふうな話を持ちかけたところ、児童・生徒みずからが立ち上がって、450人いるうちの150人ぐらいが、このキッズレスキューの隊に入団をして、放課後ですとか、時間を使ってそろいの鉢巻き、そろいののぼりを立てて校内を巡回するそうですね。こういった児童みずから率先してできるようなアイデアみたいなものを、教育委員会としてももっと学校に教えてあげてほしいんですね。
私もこの間、中学生のシンポジウム、生徒会のシンポジウムに出ましたけれども、そのときの生徒会長が、何かできる取り組みを教えてくださいというふうに言っていたんですね。これは本当にそうだと思うんです。何をしたらそのいじめがなくなるのかというのは、なかなかこれは子どもたちだけで考えるというのも難しいと思うんですけども、そこにしっかりとしたアイデアを与えてあげて、こういった取り組みがあるということを、これは上からの押しつけではなくて、やれるんだったらやってみようということを呼びかけてはどうかというふうに思いますので、ぜひ情報提供をしっかり行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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●教育委員会事務局次長
いじめ問題への子どもたちのかかわりについてのご質問でございます。
いじめ問題に対しまして、子どもたちが自主的、主体的にかかわるということは、その学校の子どもたちの意識を変え、いじめをなくす環境をつくっていく有効な手段であるというふうに考えてございます。
委員ご指摘のように、中学生審議会やシンポジウムなどを行っておりますが、そういう中で中学生が主体的に考え、さらに小学校にかかわっていくというような取り組みも出てきております。また、各学校でのあいさつ運動とか、生徒会の取り組みなど、自主的な取り組みもいろいろございますので、各学校で情報を共有化できるようにしていきたいと考えております。
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●山田貴之
ぜひよろしくお願いします。
これでこのいじめの項目に関する質問は終わるんですけれども、私も地元の緑小の運動会に出たときに、紅組と白組の応援団長がすごくすばらしかったんですね。その応援団長を中心にして、応援団員も覇気がありましたし、白組も紅組もすごくまとまっていたんですね。そういう様子を拝見させていただくと、子どもたちみずからが、やはり解決に乗り出してもらう、いろいろ試行錯誤してもらうことが必要だと思いましたし、これだけのパワーがあれば、ある程度任せても大丈夫なんじゃないかというふうな希望も、そこに見出しましたので、そういった取り組みができるところは、全部の学校がとは言いませんけれども、できるところはそういうふうな取り組みを進めて、点を線にして、線を面にして、いじめ防止の環境づくりに取り組んでいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
続いて、3項目めのほうに移りますけれども、オリンピック・パラリンピックの招致についてであります。
私は、これから9月までの間に何をこのオリンピック・パラリンピックの招致についてやるんですかというふうなお尋ねをしようと思ったんですけども、実際のところは、IOCの委員会の調査は、この2月ぐらいまでで終わっているので、区民のこの招致に対する機運の醸成活動というのは、もうここで一旦区切りがついていますということでしたので、それではこれはまだ仮の話になりますけれども、9月に招致が決まったときに、これは9月7日だったかと思いますけれども、招致が決まった後、板橋区としてはどういった取り組みを行う予定であるのか教えてください。
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●区民文化部長
よろしくお願いいたします。
オリンピック・パラリンピックの招致についてでございますが、2020年オリンピック・パラリンピック東京招致につきましては、これまで区といたしましても、さまざまな招致活動を行ってきたところではございます。
ことし9月7日にブエノスアイレスで開催されますIOC総会におきまして、開催地が決定される予定でございます。それまでの間、区のスポーツ事業の際に、引き続きのぼりや横断幕等で東京招致に向けましたPRを行ってまいりたいと考えております。
また、開催地が東京に決定した場合でございますが、東京都や招致委員会等による新たな機運醸成事業の実施も想定されますことから、区といたしましても、そうした事業に基づきまして、積極的に東京開催に向けた活動を実施してまいりたいと考えております。
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●山田貴之 この板橋区議会議員も東京オリンピック・パラリンピック招致板橋区議会議連という、議連をつくっておりまして、活動をともにさせていただきましたが、やはり連携がちょっと不足していたところもあるのではないかなというふうなことを感じていますので、ぜひ招致が決まる前後、また決まってからも、しっかりと連携をしていただきたいというふうに思いますけれども、お考えをお願いします。
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●区民文化部長
議員連盟との連携でございます。
東京招致につきましては、板橋区議会議員の連盟に、区民まつりや農業まつりなどの際に署名活動などで大変ご協力をいただいたところでございます。開催地が東京に決定した場合、引き続き議員連盟にご協力をいただきまして、連携して機運醸成事業を実施していきたいと考えてございます。
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●山田貴之
東京都の予算で1,300億円を競技場に投じたりということでありますけれども、板橋区には競技場ができる予定がないということではありますが、やはり住宅地を抱えて、労働者を都心部に送り込んでいる板橋区としては、景気浮揚ですとか、あるいは都心部がバリアフリー化になると、こういったことは大いに期待できることだと思いますし、そしてやっぱり何より子どもたちに夢や希望を与えることができる大会として、ぜひ招致になればいいなというふうに思っておりますので、連携を進めながら、その機運醸成をしていきたいというふうに思います。
続いて、ここは、オリンピックは仮の話にまだなってしまうので、これ以上は質問させていただきませんけれども、4項目めのほうに移りたいと思います。
最後の項目が、板橋区役所北館スペースとSNSを活用した文化振興についてであります。
緑と文化のまち板橋を実現するために、特に文化事業について、財源が厳しい中で予算が削られる傾向にあるのではないかと思いますが、財源が削られたとしても、質の向上に努めてほしいというふうに思います。特に、板橋区の箱物、この館を抱えている施設は、既に収蔵品を多く抱えていますし、作品も多く収蔵しています。貴重な資料もいっぱいあります。こういったものを活用しなくても、保管する費用が毎年毎年かかっているわけです。こういった文化施設をどのように活用していくのか。当然、中長期的には存廃なども含めた活用を考えていかなければいけないというふうに思いますが、お考えを教えてください。
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●区民文化部長
ただいまの区の文化施設はどのように文化振興を実現していくのかというご質問でございますが、厳しい財政状況の中、文化に関する予算につきましても、聖域のない見直しに努めるため、美術館、郷土資料館につきましては、当初予算での展示経費の一部を縮減したところではございます。
一方、いたばし未来創造プランの成長戦略では、美術館などを核としたアートによるまちおこしで、にぎわいの創出に取り組むこととしております。このような状況の中、学芸員を初めといたしました職員のより一層の創意工夫や施設運営のあり方を見直しまして、引き続き来館者数の増加を目指し、質の高い文化を提供していかなければならないというふうに考えてございます。
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●山田貴之
板橋区が抱えている文化施設、館じゃないものもありますけれども、どういったものがあるか、ぜひイメージしてほしいので、申し上げますと、美術館、教育科学館、植村冒険館、昆虫館、公文書館、ボローニャ絵画館、郷土芸能伝承館、図書館、ホタル生態環境館、熱帯環境植物館、郷土資料館、エコポリスセンター、赤塚植物園、こども動物園などがあります。こういったものを私はもっと活用していきたいと。今現状は、その立地によって、行く人が限られていたり、展示スペースが狭いという理由から、十分に収蔵品が展示できていないということがあると思います。
そこで、今度、南館が平成27年にできたときに、北館の1階のロビースペースにはスペースがあきます。このスペース、私はこの北館は随分あくんですけれども、年間100万人、この板橋区に区民が来ているんですね。この100万人が来るというメリット、本来であればほかのいろいろな地域でいろんなサービスを受けられたほうがいい、来ないで自分の近いところでサービスを受けられたほうがいいと思いますけれども、現実的には100万人来ているんですね。こういった方たちに、この北館のスペースをギャラリースペースにして、各館の持っている収蔵品を展示してはどうかというふうに考えておりまして、この北館スペースの利用についての戦略的な政策立案と事業展開を考えてほしいというふうに思いますけれども、所見を伺います。
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●施設管理担当部長
北館のギャラリースペースの活用というご質問でございます。
南館の改築に伴いまして、北館の1階にギャラリーモールを設置する予定でございます。
ご指摘のとおり、これまで例えば美術館等の文化施設は、施設ごとの展示というのが原則だったろうと思いますが、これに対しまして、年間100万人の区民が訪れるという本庁舎におきまして、さまざまな区の持つ施設の展示を順繰りに見ることが可能なスペース、そういうものを設けることは、区の情報発信、あるいは文化の紹介などの戦略的な事業展開につなげることができると考えているところでございます。
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●山田貴之 ここをやっぱり単なるスペース、貸しスペースにしてしまうのは、もったいないというふうに思っております。100万人のうちの1割が来ても10万人なんですね。板橋区の美術館に来る年間の人数、来場者数が6万人弱ですね、5万人ちょっとですね。そう考えると、ここは本当に多くの方に持っているものを見てもらえる場所だというふうに思いますので、ここの施設、この場所をやっぱりマネジメントをどなたかにしていただきたいというふうに思っています。マネジメントをするとしたらどこが行えるのかということと、あるいはギャラリースペース等あわせてイベントスペースも確保されるというふうに思いますけれども、このイベントスペースとあわせて効果的な活用を望みたいと思うんですけれども、所見をお伺いします。
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●施設管理担当部長
まず、ギャラリースペースのマネジメントというお話がございました。
ギャラリーモールでは、各施設、あるいは各部署が持つ作品、資料といったものを効果的に展示する必要があるというように考えております。庁舎管理・建設課は、そのギャラリーモールの場の提供を通じまして、効果的に情報発信ができるよう、年間を通して計画的に各施設の資料等の展示を行っていくという考えでございます。
なお、その展示の企画につきましては、基本的には各施設、あるいは各部署が主体になるんだろうと思いますが、庁舎管理・建設課といたしましても、連絡、あるいは連携を密にして、来庁者にアピールできるように取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
また、イベントスペース等の活用、併用というお話もございました。
基本的にイベントスペースでは、企画展、あるいはロビーコンサートといったものを行い、ギャラリーモールのほうでは、文化の紹介といったことを想定しているわけでございますが、そのテーマによりましては、両者を連続させて展示、あるいは事業を行うといったことで、効果的に情報発信ができるようにしていきたいというように思っております。
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●山田貴之
このギャラリースペースの活用については、モバイルミュージアムという考え方がありまして、ご紹介させていただきたいんですけれども、この北館を中心にした私は最終的にはモバイルミュージアムをつくってはどうかというふうに思っておりまして、コンパクト化したコンテンツを北館を皮切りにして、あいている学校の教室や、あるいはあらゆる公共施設の空きスペースを活用して展示をすると。それを巡回させるという取り組みです。
これによって、立地にある程度今まで左右されていたものが、そこの場所に美術館のほうから、あるいは博物館のほうから、昆虫館のほうから来てくれるということで、子どもたちの興味を引くことができますし、さらにはそこから本来の館のほうに足を運んでいただく、動員することが可能ではないかというふうに考えております。
実際に、ほかの地方自治体では取り組んでいるところがあるそうでして、私もそちらにはまた改めて視察に伺いたいというふうに考えているんですけれども、ただこれをやっていくためには、やはり高度にマネジメントをする必要があるというふうに思うんですね。各館持ち回りで展示をしてしまったのでは、この効果は薄れてしまうというふうに思うんですね。これをさまざまな館の持っている魅力を引き出すために、学芸員なり、美術館にかかわれる館長なりの職を置いて、マネジメントしていただきたいと思うんですけど、もしこれがかなわずに、区役所でマネジメントをするとしたら、この企画ですとか、運営の面でマネジメントをするとしたら、先ほどは難しいというふうなお話でしたけども、やはりマネジメントはしていただきたいと思うんですけれども、そのお考えを教えてください。
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●施設管理担当部長 マネジメントの重要性というご指摘だろうと思いますが、少し繰り返しの答弁になってしまいますが、庁舎管理・建設課といたしましては、ギャラリーモールの場所の提供を通じて、計画的に各施設の資料等を展示して、情報発信を行っていくという考えでございまして、基本的にはやはりその展示の企画そのものにつきましては、基本的には各施設、あるいは各部署が主体となろうと思いますが、その連携、あるいは連絡というところは、庁舎管理・建設課でも担う部分があるだろうと思っております。現在も既に庁舎1階に設置いたしますギャラリーモールにつきましては、各課に利用希望調査を行い、またヒアリングを行っているところでございます。
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●山田貴之
この点に関しては、まだ時間が少しありますし、私もこの1回でなかなか全てをご説明することも難しいので、引き続き質問させていただいたり、話をさせていただいたり、理解をしていただけるように努めたいというふうに思っています。
それで、ここに先ほど申しました美術館の準備室ですとか、館長ですとか、そういったものがつくと、ぐっと話が具体的になって進んでいくというふうに思うんですけれども、続きまして、各館はその展示場所、ギャラリースペースとして貸していただけるときにどういったものが展示できるのか、あるいはそこに協力をしていただけるのかということを伺っていきたいというふうに思うんですけれども、まず植村冒険館ですね。資料提供など展示に協力していただけるかどうか教えてください。
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●区民文化部長
それでは、植村冒険館の関係でございますけれども、その前に先ほどモバイルミュージアムの関係がございましたので、その件についても一言お話しさせていただきたいと思います。
モバイルミュージアムの運営に関する質問につきましては、美術館、郷土資料館が利用するに当たっては、それぞれの施設には、学芸員、学芸補助員、文化財専門員といった職員がおりまして、与えられたスペースの中で専門性、独自性を発揮して、モバイルミュージアムを有効に活用することができるというふうには考えてございます。
当面はそれぞれの施設が責任を持ってスペースを利用しまして、それぞれの文化や情報の発信に努めてまいります。また、他部署との施設の展示内容についても、意見、アドバイスが行われますような環境づくりは必要でありまして、それぞれの施設職員による連絡会の設置について、今後検討していきたいというふうには考えているところでございます。
そして、植村冒険館につきましてでございますが、現在1,838点の資料がございます。館内での展示以外に、区内の小・中学校や体育館、区外の博物館等で出張展示を今実施しているところではございます。
ご提案のような展示につきましては、区民の方々に植村直己さんの業績を身近に感じていただく大変よい機会と思ってございますので、実施に向けて検討していきたいと思っております。
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●山田貴之
ありがとうございます。
これでギャラリーの一つのコンテンツ、植村直己さんができ上がったわけですけれども、植村直己さんの冒険の中で、直己さん自身がすごく自分の冒険を記録に残すということに注力されていて、わざわざカメラをセットして、離れたところからソリでそちらに向かったりとか、相当ご苦労されて記録をされていらっしゃるんですね。すばらしい写真がいっぱいあります。こういったものをぜひ広く区民の方に紹介をして、植村直己さんの功績というのを今の現代の若い例えば子どもたちにもぜひ伝えていきたいなと、そういう機会になればいいなというふうに思いますし、あるいは植村直己さんの国民栄誉賞の盾なんかも植村冒険館には展示されてありますし、山頂に掲揚した国旗、ちぎれた国旗ですね、こういったものもあります。すごく身に迫る収蔵品、収蔵資料、多くありますので、ぜひこういったものを展示にご協力いただいて、充実したギャラリーのコンテンツの一つになればというふうに思います。
続きまして、郷土資料館なんですけども、資料提供など、まず展示に協力していただけますでしょうか。その際どんな資料を提供していただけるのか教えてください。
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●区民文化部長
まず、郷土資料館では、約10万点の板橋区の歴史に係る古文書、生活道具や中山道、板橋宿関係、それと幕末の西洋砲術家、高島秋帆の資料などを収蔵しているところでございます。
このうち、写真、版画などを庁舎ギャラリーで展示できれば、板橋区の歴史や暮らしぶりなどを振り返ることができまして、区民の皆様に興味を持っていただくことができるというふうに考えているところでございます。また、古い生活道具や歴史資料の複製品のように直接手にとっていただき、鑑賞できるものもありますので、ハンズオンという学習体験に利用していきたいというふうにも考えてございます。
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●山田貴之
ありがとうございます。板橋区のよき歴史を知るまた一つのコンテンツができ上がったということで、さらに今度は美術館について伺いたいと思います。
美術館はなかなか作品を貸し出すことは難しいと思うんですね。私も以前、美術館で学芸員をしておりましたので、作品の管理には温湿度ですとか、あるいは光がどれくらい当たるかとか、あるいは手で触れてはいけないですし、あるいは物を持っていかれてしまっても困ります。そういった中で、美術館という中では、コンテンツは限られているとは思うんですけども、展示にどのような協力をしていただけるのか教えてください。
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●区民文化部長 美術館につきまして、ご提案のような本庁舎のギャラリーに、これまでの美術館の歴史となる過去の図録や、そういった現在の手にとって見られるような写真の関係、そういったものも先ほどの郷土資料館同様、積極的に展示できればいいなというふうには考えているところでございます。
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●山田貴之
カタログも展示が行われて、本館のほうの美術館のほうで展示が行われると、その開催後はもう古いものとして、在庫として残っちゃうんですね。これはなかなか販売も難しいというふうに思うんですけども、でも一つひとつすばらしい図録ができ上がっていますので、例えばこういうギャラリーのスペースに、過去の展示した作品をポスターなんかと一緒に、チラシなんかと一緒に図録も並べて、過去、美術館がどういった取り組みをしてきたのかそれを見て、残念だったと、この展示に行けばよかったというふうに思っていただければしめたもので、そこからさらに美術館の入館者数をふやすことができるのではないかというふうに思っておりますので、美術館とこのギャラリースペースを連携した取り組みによって、さらには美術館もこの庁舎のギャラリースペースも、ウイン・ウインになる関係を築けるのではないかというふうに思っています。
続いて、郷土芸能伝承館になるんですけれども、この伝承館になると一部だけ展示スペースがあって、そんなに収蔵資料がないのかなと思うんですけれども、どんな資料を提供できるのか教えてください。
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●区民文化部長
まず先に、先ほどの美術館の図録の関係等のお話がございました。
過去に開催した有料展覧会では、その全てで図録を、168種類ほどでございますけれども、作成して有料頒布してきたところでございます。展覧会の期間はもちろん、期間終了後も美術館のロビーで販売をしてございます。中には売り切れ絶版となった図録も93種類ほどあります。
ご提案のような本庁舎のギャラリーに、これまでの美術館の歴史となる過去の図録や現在展示中の図録、チラシを置き、直接触れていただき、興味を持っていただくことは、美術館へ訪れていただくことの一つの呼び水みたいになるかと考えておりますので、実施に向けて、そちらも検討していきたいというふうに考えておるところでございます。
そして、郷土芸能伝承館でございますけれども、展示コーナーでは、田遊びや獅子舞など板橋区の郷土芸能を写真や説明文で紹介しているほか、東京都民俗芸能大会に出演しました保存会に贈られた感謝状や郷土芸能を再現した模型なども展示しているところでございます。
郷土芸能に関する写真や獅子舞の獅子などをギャラリースペースに展示しまして、また郷土芸能で使用している太鼓などの用具を直接手にとっていただき鑑賞していただければ、区民の皆様に郷土芸能をより身近に感じていただけることができ、興味を持っていただけるものと考えますので、こちらについても実施に向けて検討していきたいなというふうに考えてございます。
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●山田貴之
資料の展示、写真の展示、さらには大物のちょっと大きい太鼓なんかの展示、これは例えばイベントスペースを一時的に使って展示するなんていう方法があるのかもしれないので、イベントスペースもうまく使っていただきたいというふうに思います。
次は、公文書館についてになるんですけれども、先日まで、もう撤去されていますけども、北館のB1に1964年のオリンピックの聖火ランナーが板橋区を抜けていったときの写真と、その資料が展示されていました。見に行かれた方というのは、すごく少ないのかなと思います。というのは、B1でしたし、すごく端のほうで展示をされていたからなんですね。こういったものも展示内容としては、私は時を得た、いい内容だったなというふうに思うんですけども、ぜひ北館のギャラリーに展示をしていただきたいというふうに思いますけれども、協力をしていただけますでしょうか。
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●政策経営部長
展示スペースが必ずしも十分ではございません、公文書館にとりましてはですね。モバイルミュージアムというご提案、これでほかの施設と連携できる機会がございますれば、公文書館の認知度を高めまして、さらには来館者の増加を図るという観点からも、可能な限り積極的に協力していくべきだというふうに考えております。
公文書館には、先ほどご紹介ありましたように、板橋区内を聖火ランナーが走った様子を写した資料などもございまして、こちら2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて招致活動が行われているような、今非常に時期を捉えたものとして話題性があって、大いに関心を呼ぶのではないかというふうに考えているところでございます。
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●山田貴之
公文書館には、本当にすばらしい板橋区の昔の歴史が本当に閉じ込められた写真資料がいっぱいあって、私も伺って拝見すると、例えば商店街の写真なんかは、過去七夕祭りが盛大に行われたときの写真なんかがいっぱい展示されていて、そこには元気な板橋区民がいっぱい写っているんですね。こういったものを例えば展示する。と同時に、教育科学館の2階に置いてある昭和の家電なんかも、あわせて展示をすると。
実際は、私は先ほどマネジメントしてほしいと言ったのは、こういった館と館との垣根を取っ払って、さらにそこから生まれるものも、この北館のギャラリーではあるのではないかと。狭いからこそできる展示の仕方があるのではないかというふうに思いましたので、マネジメントということを言わせていただいたんですけれども、そういった展示もできるかというふうに思っています。
あるいは、政策経営部には区政資料室というのがありまして、こちらには区報がずっとためられていますけども、例えば自分の生まれた年の区報を見たいとか、そういうニーズもあるかもしれないですね。ですので、例えば90周年の記念のときとか、100周年の記念のときに、かつての、これまでの区報を全て並べて、その一部は手にとって見てもらうことができるというようなアイデアもあろうかというふうに思います。
これは館がエンターテイメント性が少しあるから、ないからということにかかわらず、どういう視点で持っている、蓄積されている情報や公有財産を見せていくことができるのかというふうに、まさにマネジメントの部分でして、ここをしっかりやることが、このギャラリースペースの有効活用になっていくんだというふうに、私は思っています。
続いて、資源環境部にお伺いしたいというふうに思うんですけれども、ホタル生態環境館と熱帯環境館とエコポリスセンター、まとめてお伺いしますけれども、やっぱり施設が小さいところには限界がありまして、なかなか展示が今まで難しかったものも多いというふうに思いますけれども、ギャラリースペースで何かアイデアがあれば3つぐらい出してください。
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●資源環境部長 お尋ねのエコポリスセンター、熱帯環境植物館、ホタル生態環境館、この3施設の各館でございますが、環境学習に関する展示物や自然や動植物との触れ合いのきっかけとなるような写真等の資料を数多く所有してございます。そうした資料を北館1階等で展示することによりまして、環境活動や自然生態系に対する興味が高まりまして、各館の来館者の増員につながることも期待されるので、ご要請があれば積極的に協力をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
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●山田貴之
ありがとうございます。ホタル生態環境館、そのまま蛍を展示するのは難しいかもしれないですけども、蓄積されてきた蛍の写真とか、これもパネルにして展示することもできると思いますし、時期的には限られますけども、蛍自体も展示することができるかもしれないですね。こういったことにも期待をしたいというふうに思います。
次は、教育委員会にお伺いしたいと思うんですけれども、教育科学館についてですね。
教育科学館は本当に多くの収蔵品を抱えていまして、例えば私は標本ですとか、本当に2階のちょっとしたスペースに今、昆虫標本が飾られていますけども、ほとんど見ていらっしゃる方はいるのかなと思うところに飾られています。こういったものを北館のギャラリーに持ってきてもいいと思いますし、鉱物、さまざま出土した土器、こういったものもお持ちです。いろいろな展示が可能だと思いますけれども、1つぐらいアイデアがあれば教えていただければと思います。
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●教育委員会事務局次長
教育科学館からの展示でございます。
教育科学館の事業につきましては、企画展など、年度により異なりますが、例えば来年度の企画の展示で可能性があるものにつきましては、「恐竜関係」や「宇宙に関する展示」、「エジソン展」などが考えられます。また、委員ご指摘の部分も含めまして、教育科学館としてギャラリースペースのモバイルミュージアムにつきまして、積極的に出展していきたいと考えております。
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●山田貴之 ぜひこの板橋区から今、文部科学大臣も出ておりますので、うまくコネクションを使って、はやぶさなんかがイベントスペースで展示ができたらすばらしいなというふうに思うんですけども、それと教育委員会としては、図書館、子ども絵本館、こういったものもあります。例えば、子ども絵本館ですと、世界各国の絵本がいっぱいありますけれども、これも美術館がボローニャ国際絵本原画展をやっているときに、イベントスペースで展示をする、そこからさらにお客さんを、バスなんかが来てもいいですね、チャーターをして、美術館のほうに運んでいくと。そういうことだってできるかというふうに思いますけれども、この2館、どういった協力ができるか教えてください。
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●教育委員会事務局次長
まず、ボローニャ子ども絵本館からの展示でございます。
北館の1階に、区民広場が設置されていた当時には、ボローニャブックフェアとして、その年にボローニャから板橋区に寄贈された絵本の展示を実施してまいりました経緯がございます。北館にギャラリースペースが設置された際にも、この従来のものと同様の展示を実施していきたいと考えております。また、美術館のボローニャ国際原画展との連携協力につきましても、検討していきたいと考えております。
さらに、図書館でございますが、図書館では現在テーマを設定いたしまして、蔵書を展示したり、時節柄に合った図書のお勧め本などの紹介を行っているところでございます。北館のギャラリーにおきましても同様にテーマを設定いたしまして、蔵書や資料を展示し、利用者の方に見ていただくことによりまして、図書館のPRの場となればというふうに考えているところでございます。
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●山田貴之
この図書館の資料もいっぱいありますけれども、例えば今、子どもで日本の昔話を余り知っている子がいないというようなことも聞きますので、紙芝居なんかをいっぱい収蔵している図書館なんかもあります。この図書館の紙芝居を1枚1枚展示してみるのも、おもしろいのかなというふうに思います。
続きまして、産業経済部ですね。
産業経済部に質問したいと思うんですけども、常設の箱物というのは、お客さんを呼ぶ箱物というのはないんですけれども、モバイルミュージアムの考え方でいいますと、1回イベントをしたものを、そのまま終わりにせずにコンパクト化して、それを展示することができると。だから、予算をかけなくても、今あるイベントのものを使って、うまく展示を考えればよいと。それはスペースが狭いから、そういうことができるというふうに思っておりますけれども、産業振興課としても、さまざまなアイデアをいろいろ持っておられると思うんですね。もっとアピールしたいなと思うことも、私も委員会に出させてもらいながら、その思いなんかも少し伺っておりますけれども、どういったアイデアがあるか教えていただければと思います。
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●産業経済部長
モバイルミュージアムのアイデアに関する質問でございます。
いたばし産業見本市では、板橋区内企業の優れた製品やアイデアを展示いたしまして、板橋区の物づくりの力を区内外にアピールしているところでございます。
現在、高島平図書館と成増図書館におきまして、産業見本市で紹介されました製品技術大賞参加企業の製品をはじめ、健康、医療、福祉関連の製品を中心に展示を行っているところでございます。また、情報処理センター1階のショーケースにおきまして、現在展示されてございますいたばし花火大会における最大級の花火でございます。尺玉のレプリカなどがモバイルミュージアムのコンテンツとして考えられるところでございます。
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●山田貴之
ありがとうございます。花火というふうに挙がりましたので、例えばその尺玉を展示するだけではなくて、同じ重さにして、イベントスペースに置いて触ることができると。どれだけ重いものが空中に飛び上がっているのかがそれによってわかるし、それを花火が行われる前にやれば、より花火を楽しんでもらうきっかけになるし、足を運んでいただける方も多くなるかもしれない。その映像なんかと一緒に展示ができれば、これも区民に対するアピールになるというふうに思います。
さて続いて、次の質問、これが最後なんですけど、土木部みどりと公園課、こども動物園高島平分園、昆虫館、赤塚植物園などがあると思いますけれども、どういった展示が考えられるか、モバイルのコンテンツが考えられるか、アイデアがあれば教えてください。
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●土木部長
土木部におきましては、まずこども動物園・高島平分園につきましては、飼育しているヒツジだとかポニーなどの毛を使いまして作品をつくっております。そういうのを展示したクラフト教室なども考えられます。また、飼育している動物のふんから作成した紙の展示も考えられるところであります、また、ウサギやモルモットなどの出張ふれあい教室も可能かと考えています。
あと昆虫公園の関連でいいますと、所有しています昆虫標本の展示が考えられます。
あと赤塚植物園では、区の花ニリンソウや春の七草の鉢植えに解説パネルを組み合わせて展示することも考えております。また、植物園で常設展示していますさまざまな植物の種子を出張展示することも考えられます。あと植物の展示室で行われています区民の皆さんが撮られた写真ですとか、絵画、生け花とか、栽培植物などの展示についても、出張展示という形で展示することが可能と考えております。
以上です。
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●山田貴之
ありがとうございます。例えば、動物なんかは連れてくることは難しいと思うんですけども、動物と触れ合っている子どもの写真とか、かわいい動物の写真なんかが北館のギャラリースペースに展示されていれば、こういう施設が板橋区にもあったのかというふうな発信にもなりますし、そこから今度行ってみようかなというような気持ちにもなると思うんですね。ぜひ今言われたような展示内容を含めて、もし北館でギャラリースペースが行われるなら、コンテンツを積極的に提供していただきたいというふうに思います。
ただ、私が最初に動物園とか何か展示してもらえるものがあるでしょうかというふうに質問とりのときに伺ったときに、うちはないですというふうに言われたんですね。そこはやはりあるんですよと、写真、パネルとかいいじゃないですかというふうに言っていただくというのは、これはやっぱりマネジメントだと思うんですよね。自分がそれをずっとやっているわけにはもちろんいかないので、どなたかかわりに各館の魅力を発掘して、こっちの魅力とこっちの魅力とをつなぐことができないかなということを考えてくださる人が、やはり必要ではないかなというふうに改めて思うわけであります。
それで、ここでずっと長くいろんな部署に質問させていただきましたけれども、これだけいろんなものを持っていて、収蔵していて、その機会が限れていると。この限られた機会をできるだけ多く開いていきたいというふうな思いがあります。
先ほどご説明いただきました植村冒険館も、1,800点を超える収蔵品があります。中には大き過ぎて展示できないものもあるでしょうけれども、そういったものも展示できます。美術館の持っている作品、公文書館が持っている写真や資料、こういった全ての館の持っている収蔵品や作品が、このモバイルミュージアムという考えでは、そのモバイルミュージアムも収蔵品になると。要するに、とても大きな、しかも移動が可能なソフトミュージアムができ上がるという考え方なんですね。ですから、この緑と文化のまち板橋を発信していくにふさわしいミュージアムの仕組みではないかというふうに、私は思っています。
そこで、この発信の仕方なんですけれども、項目のところにも書きましたSNSと。私はここで意図しているのは、例えばフェイスブックなんですけれども、こういったフェイスブックに、これは扱いも簡単ですし、費用もかかりません。フェイスブックに、この北館のギャラリーの様子をどんどんアップロードしていけばいいと思うんですよね。今回この展示をやっていますと。何日までですと。それから、展示風景はこういう状況で、人はこういうふうに見てもらっていますとか、そのとき見た方の感想なんかを載せてもいいかもしれません。こういう取り組みをぜひフェイスブックで発信をしていただきたいと。SNSで発信をしていただきたいと思いますけども、いかがでしょうか。
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●政策経営部長
フェイスブックについてのお尋ねでございます。
各種のイベントを即時的に、そしてビジュアルに、視覚に訴えて情報発信していく上では、フェイスブックなどのSNS、ソーシャルネットワークサービスですね、こちらの活用は非常に効果的であろうかというふうに考えております。
現在、区におきましても、公式ツイッターのほか、区議会のツイッター、それから38館ございます、児童館ですね、ツイッターなどがございます。それ以外にも企業活性化センター、教育科学館、エコポリスセンターではフェイスブックを既に活用して、情報発信を行っているところでございます。
区といたしましては、今後、広報戦略をして、プロモーションを成長戦略の一環として進めていく中におきましても、この辺は非常に大事なことであると考えておりまして、技術革新が進み、広報媒体も多様化していく中で、事業内容に即した最も効果的な広報媒体、その特性に応じて使い分けながら、情報発信を積極的に進めていくということが必要であろうかと考えておりますので、その中でご提案のようなモバイルミュージアムについても検討していく価値が大いにあろうかというふうに考えている次第でございます。
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●山田貴之
その発信をするときに、統一的なモバイルミュージアムとしてのある程度の輪郭を示す必要が、私はあると思うんですよね。各館で持ち回りで、例えばフェイスブックに情報を載せようとしますと、実際の場所でやっているのか、北館でやっているのか、混乱を生じると思うんですね。北館に来たのにやっていないじゃないか、本館のほうに行ったのに見れないじゃないか、こういうことを防ぐという意味合いもありますし、あるいはそこに美術館、ミュージアムが立ち上がっているんだという強い発信をしていくためには、名前を決めて、ロゴを決めて、そこに職員がいるという形が私は必要ではないかというふうに思いまして、例えば板橋の橋をとってブリッジ、モバイルミュージアムブリッジというふうに名前をつけたとします。このブリッジを通じてフェイスブックにブリッジの情報が載りますし、さらにはそこに美術館の情報、あるいは郷土資料館の情報、教育科学館の情報が載ってくると。そのブリッジのページ1枚を見れば、全ての美術館、文化施設が今何をやっているのかわかると、そういうような取り組みに広げていただきたいというふうに私自身は思っていますので、マネジメント、マネジメントというふうに最初から申し上げていますけれども、こういう各館持ち回りで、担当制でやるのではなくて、やはりその運営を1つしっかりとした軸を持ってやることで、より強固な板橋区としての文化政策の発信ができるのではないか、かなうのではないかというふうに思っています。
やっぱり各館建ってから何年もたっているという課題がありまして、もちろん老朽化もしていたり、来館者数も落ち込んでいたりという中で、やはり新しさをデザインしていかなきゃいけないと思うんですね。リデザインしていくと。各館がそのオープン当初は人気があった施設が、少しずつ人気がなくなっていると。ただ、一つひとつの展示資料だとか、収蔵品を見れば、本当にすばらしいものが並んでいるんですね。それを改めてそのよさに気づいてもらうためには、リデザインをすると。そのための一つのやり方として、私はこの北館のギャラリースペースとSNSを活用した仕組みづくりをしてはどうかという、きょうの提案になります。
こういった取り組み、文化振興の一つとして私はあってもいいと、ぜひやってほしいというふうに思うんですけれども、私はもっと板橋区役所自体がメディアたりえるという意識を持ってもいいのではないかというふうに思っています。
先ほども言いましたけれども、年間100万人も区民がここにいらっしゃっているわけですね。その皆さんが見ていただくわけではないけれども、その10%でも10万人、これは相当すごい数だというふうに思うんですね。ですから、どういった発信ができるのか、よく考えていただくことが、この南館が新しくでき上がったときに、さらに板橋区としての力が増す、情報発信力が増すことにつながるのではないかというふうに思っています。
例えば、その北館のギャラリーですし、イベントスペースですし、ほかの自治体なんかを見ますと、エレベーターの中ですとか、あるいは来庁して一番最初に見る柱ですね。今80周年のパネルを掲示していただいていますけれども、こういった場所にどういったものを置いたら区民サービスの向上になるか、あるいは楽しんでもらえるか、区長の言われるもてなしを表現することができるか、そういったことも十分に考えていただきたいと思いますし、また今ちょうど南館を建てている最中で、白い仮囲いがありますけれども、この仮囲いの白い部分に何か仕掛けたら、板橋区としておもしろいことができるんじゃないかと、こういうことを私は常々考えておりますもので、メディアとしての板橋区ということで、この情報発信の基地としてどのように考えているのか伺いたいというふうに思います。
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●施設管理担当部長
区役所がメディアとしての役割を果たすのではないかというご質問だと思いますが、確かに板橋区の庁舎というものは、さまざまな情報を発信するメディアであると思います。それと同時に、やはり窓口サービスを提供する施設でもございます。
このため、庁舎の中には施設の案内、あるいは部署、手続の表示、こうした表示も必要でございます。そういった意味でさまざまなサイン、表示が区役所の中には必要であろうと思っております。こうした表示を区民にわかりやすく伝えるためには、こういった表示、サインをやはり整理、あるいは整頓していくことが必要でもあろうと思っております。こうしたこともやはり勘案して、メディアとしての庁舎環境のデザイン、あるいは掲示方法については検討していきたいと思います。
また、工事中の仮囲いにつきましても、ちょっと検討させていただきたいというふうに思っております。
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●山田貴之
ぜひよろしくお願いします。
予算、財源厳しい中で、必要以上に予算をかけることはできないという現状はわかっていますけれども、やはりアイデアや工夫によって、強固な情報発信は可能であるというふうに私自身は思っていますので、それが特に文化振興の面では、今まで蓄積されてきた職員の皆さんや、あるいはその館を担っている学芸員の皆さん、こういった方々の知恵を総結集して発進をしていって、緑と文化のまち板橋づくりに、ぜひ力強く取り組んでいただきたいというふうに思います。
最後にちょっと要望し忘れたので、つけ加えさせていただきますと、このモバイルミュージアムについては、ぜひ全ての館が、できる限りフェイスブックなどの共通のSNSの情報発信の媒体を持っていただくということを要望としてお願いしたいということと、2項目めのいじめに関してでは、同じく財源厳しいですけれども、やはりかけるところにはかけなければいけないと思いますので、財源をかけて、いじめの対策に取り組んでいただきたい、力強く取り組んでいただきたいというふうに思っております。
以上、私の質問を終えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)