板橋区議会議員 自由民主党 山田たかゆき

板橋区議会議員 自由民主党 山田たかゆき
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一般質問全文

平成29年第1回定例会

1 教育について(教育予算、不登校対策、教育ICT)
2 新中央図書館と教育科学館について 
3 児童相談所について 
4 シティプロモーションと文化財保護について 
5 マンションの適正管理について 
6 その他、行財政課題について 

●山田貴之議員 自民党の山田貴之です。これより一般質問を分割質問にて6項目させていただきます。よろしくお願いいたします。
 教育について質問をします。
 初めに、教育予算の「魅せる化」についてです。
 区長はこれまでに、区の事業を魅力的に、かつ積極的に発信することをもって、「見える化」から「見せる化」、さらには魅力の「魅」に変えた「魅せる化」が重要であると区幹部職員に対して説いておられます。大変共感するところであります。
 毎年度の予算書においては、小・中学校施設の建設や大規模改修等のハード面の予算のある、なしによって、当初予算額の変動は大きくなります。区民の方からも施設整備費以外の教育予算がふえているのか、減っているのか、実態がわかりづらいと意見を伺います。教育分野の各事業は毎年、前年比増になっているにもかかわらず、施設整備の予算計上がないと総額が減るので、板橋区は教育に力を入れていないと誤解される方もおられます。
 子育て世代に区政に関心を持ってもらうためには、板橋区が教育に注力していること、予算がついていることを積極的に示す必要があります。わかりやすく伝える方法を検討できませんでしょうか。見解を求めます。
 また、来年度、平成29年度、教育費はふえると言えますでしょうか、わかりやすい説明を求めます。
 次に、学校施設の工事計画についてです。
 特命随意契約の工事リストを拝見しますと、多くの小・中学校の設備工事が契約されています。全体に占める学校関連工事件数割合が多いと感じます。更新時期を過ぎても使用している設備が多いことも要因かと想像します。特命随意契約はあくまで緊急性のある工事案件の契約を速やかに実施するための措置であり、本来は、計画的な予算執行が求められると理解しています。教育施設の関連工事が適正に計画され、実施されているか板橋区の見解を求めます。
 次に、スクールソーシャルワーカーの増員についてです。
 スクールソーシャルワーカーの2名の増員を来年度予算の中で実現できる見込みであり、評価をします。議会においても、これまで多くの議員がいじめや不登校の問題について、スクールソーシャルワーカーの必要性を訴えてきました。ご承知のとおり、生徒・児童本人への心理的・精神的なアプローチや、学校と家庭、さらには関係機関とのパイプ役として必要な支援につないでいくことが期待されます。しかしながら、2名では少ないです。今後も区民のニーズを捉えて、人員拡充は必須であると考えますが、区の見解をお示しください。
 次に、不登校改善重点校についてです。
 文部科学省の調査によると、不登校に直接なったきっかけとして、学校生活に起因36%、家庭生活に起因19%、本人の問題に起因35%と分類されています。分析では、不登校になる背景はさまざまな要因があり、また、複合的な要因の場合もあり、特定することが難しいとされています。義務教育課程での何らかのつまずきが不登校、さらに引きこもりとなり、後の人生にまで大きな影響を与えてしまう場合があります。そこで、学校や社会に復帰できるようにする粘り強いサポートが不可欠です。将来の社会的な自立に向けた支援が大切であります。その点で、不登校対策が盛り込まれている、いたばし学び支援プラン2018の実行に期待しています。平成29年度は不登校改善重点校として、小学校2校、中学校3校を指定するとあります。どのような取り組みを行っていく予定であるか、また、今後の不登校改善への取り組みについて方針を伺います。
 次に、不登校対策の推進、家庭教育支援チームについてです。
 不登校が長期化することで、生徒・児童本人はもとより、家庭が孤立し、支援の時機を逸して長期化してしまうことがあります。板橋区にとどまらず、若い労働力が長期間失われるという点で、将来の日本にとっても大きな痛手であります。不登校や、もしくは不登校につながる長期休暇が見られる対象者に適切な支援、困難ケースには相応の機動的かつ柔軟にサポートするチーム体制が必要です。
 以上の観点から、板橋区の家庭教育支援チームがモータースポーツにおけるピットのようにドロップアウトしてしまった児童・生徒に適切なメンテナンスを施すこと、いつでも義務教育課程や社会生活に戻れる状態を保つような支援をしていくことを期待しています。平成30年度にチームを発足し、教育に関する情報提供、学習機会のコーディネート等を行う計画です。現在の進捗状況を教えてください。
 次に、デジタル教科書について伺います。
 英語科のデジタル教科書を中学校全学年で導入したことを評価しています。今後3年間は、初期投資した約450万円でライセンスが継続され、追加予算なく使用することが可能です。現場でデジタル教科書を使用されている先生方の声を伺ってみますと、使い勝手がよく、授業に手応えがあるので、継続使用を希望される声を多く頂戴します。今後も効果的にICT教育を進めていくために、小・中学校の国語、さらには社会、理科と導入教材の拡大をするべきです。区の方針を伺います。

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●教育長(中川修一君) 議長、教育長。

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●議長(杉田ひろし議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕

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●教育長(中川修一君) 山田貴之議員の教育委員会に関する一般質問に分割でお答えいたします。
 初めに、教育予算の「魅せる化」についてのご質問ですが、教育委員会では、教育予算の概要、教育要覧、広報誌「教育の板橋」の発行のほか、保護者を対象とした教育政策連絡会を開催し、教育予算を周知しております。その際に、平成29年度予算の建設事業費を除く教育費が平成25年度の約1.25倍になっていることをアピールするとともに、ソフト事業についても、学び支援プラン2018の計画体系に沿って新規・拡充事業の内容を明示するなどして教育予算の見える化を図ってまいります。今後は、重点事業等の実施状況について、従来の冊子やホームページなどに限らず、画像の活用や表現のデザイン化、庁内等への掲示など、さまざまな工夫を凝らし、積極的なPRに努めてまいります。
 次に、平成29年度の教育予算についてのご質問ですが、教育費の総額228億7,000万円余は前年度に比べ19億4,000万円余の減となりますが、学校改築等の普通建設事業費を除くソフト事業は約8,000万円の増額となっております。上板橋第四小学校、西台中学校の大規模改修工事の終了等により、予算総額では前年度を下回ってはおりますが、施策の重点化を図ることにより喫緊の課題にもしっかり対応できたものと考えております。中学校英語科デジタル教科書の全学年導入、板橋区版英語村の開設、中学生海外派遣事業の実施、中高生勉強会の拡充、スクールソーシャルワーカーの拡充など、教育環境の充実のため、着実に予算化を図ったものと考えております。
 次に、学校施設の工事計画についてのご質問ですが、小・中学校など、教育施設の維持管理については、施設全体の更新を図る大規模改修工事をはじめ、学校の一部施設や設備を計画的に更新・改修することで対応しております。
 一方で、小学校53校、中学校23校及び公立幼稚園2園と、施設数が非常に多い上、経年劣化した施設も多いことから、事後対応となるケースがあることも事実でございます。今後、ファシリティ・マネジメントの観点からも、各種施設や設備の更新・改修工事の最適化が図れますよう予防・保全も含め取り組みを強化してまいります。
 次に、スクールソーシャルワーカーについてのご質問ですが、板橋区では、不登校やいじめなど、子どもの抱えるさまざまな問題に対して福祉的な視点からのアプローチが必要であると考え、平成27年度よりスクールソーシャルワーカーを4名、配置したところでございます。スクールソーシャルワーカーの配置以来、区立小・中学校からの派遣要請は非常に多く、家庭訪問を行ったり、保護者の要請を受けて関係機関に同行したりするなどの成果を上げており、平成29年度からは2名増員し、6名配置の予定です。いじめや貧困の問題に対して学校や家庭及び関係機関と連携して、より一層迅速に、そして個別に対応できるよう、財政的な課題を踏まえ、さらなる増員については検討してまいります。
 次に、不登校改善重点校についてのご質問ですが、不登校改善重点校では、東京都教育委員会の「学校と家庭の連携推進事業」を活用し、地域の民生・児童委員などの支援員による支援や、臨床心理士などのスーパーバイザーによる助言を受け、不登校の児童・生徒への支援やその保護者との相談等を行っています。また、各校の校内委員会において、支援員やスーパーバイザーと対応策を協議し、不登校児童・生徒の家庭を訪問するなど、社会的な自立や登校復帰に向けた支援を講じているところです。来年度も不登校改善重点校を継続して指定し、重点校での成果に結びついた具体的な取り組みを区内全小・中学校に広め、不登校児童・生徒へのきめ細やかな対応を行い、区立学校における不登校改善につなげていく方針であります。
 次に、不登校対策の推進、家庭教育支援チームについてのご質問ですが、核家族化や地域社会との関係の希薄化により、保護者の子育ての不安感や負担感が高まっている一方で、区においては、不登校児童・生徒が減少しないなどの課題があります。そのため、地域人材の力を生かして、親の学びや育ちを応援し、家庭の教育力を向上し、不登校の改善などを支援する家庭教育支援チームの必要性が高まってきています。平成30年度のモデル実施に向けて、今年度は学校関係者やPTAから意見を聴取いたしました。今後は、家庭教育支援チームの創設に向けた具体的な方策の検討を行ってまいる予定です。
 最後に、デジタル教科書についてのご質問ですが、電子黒板等のICT機器導入にあわせ、平成27年度に小学校へ算数科、平成28年度には中学校へ数学科の指導者用デジタル教科書を導入しました。英語におけるデジタル教科書は、あらゆる英語表現が使われる場面を動画とネイティブスピーカーによる音声で提示することができる上、学校からの強い要望があったことから、平成29年度に中学校へ英語科の指導者用デジタル教科書を導入することにしました。今後とも、デジタル教科書導入の効果検証を行いながら、他の教科への拡大に向けて導入時期や財政上の課題などについて検討を行ってまいります。
 以上で、教育に関する質問の答弁は以上でございます。

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●山田貴之議員 議長。

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●議長(杉田ひろし議員) 山田貴之議員。
     〔山田貴之議員登壇〕

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●山田貴之議員 新中央図書館と教育科学館について質問します。
 初めに、絵本のまちについてです。
 東京オリンピック・パラリンピック2020年、平成32年度に整備される図書館として、絵本のまちのイメージを掲げ、ボローニャ市から寄贈された世界86か国、絵本2万6,000冊をアピールするのは納得感のある整備方針であると考えます。ただし、和書ではない、外国語の絵本を読み聞かせる親子の姿はあまりイメージできません。図書館では、和書が読みやすくないといけないと考えています。また、絵本を必要とする親子は板橋区内のあちこちにいるということからも、各地域図書館にこそ親子で過ごしやすい絵本のコーナーが必要であると思いますので、ぜひ地域の図書館とともに、絵本のまちを実現いただきたいと考えますが、見解をお示しください。
 また、和書と洋書の配架スペースのバランスも十分に検討していただきたいと思います。これからを担う子どもたち、幼児はもとより、学齢期の子どもたちも、落ちついて書籍に触れることができる環境にすることを要望します。
 次に、中央図書館の新たな価値についてです。
 世界経済のグローバル化が進展する中で、極端なナショナリズムが広がっていくのではないかと懸念しています。国内の政治・経済・宗教に不安や不満を抱えた各国の住民からの支持を背景として、既存の枠組みを打破する世界各国の動向が日々、報道されています。ツイッター、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーク・サービスは、メリットもある一方で、不満や不安の拡大を助長し、対立を深めるというデメリットもあるようです。メディアから日々、大国の大統領の乱暴な言動が伝えられる状況においては、若い親世代、未来を担う子どもたちへの悪影響が心配されるところであります。板橋区としても、改めて平和についての探究と発信を深めていかなければならないときだと感じています。
 平和公園に新中央図書館が東京オリンピック・パラリンピック2020年の開催年に開館予定であることは、偶然の一致とはいえ、意義が深いことです。また、板橋区をパズルのピースのように抜き出して、バランスがとれる1点を探ると、若木通りの上、平和公園に近いところにあるようです。板橋区の重心、中央、センターにできることも、偶然とはいえ、おもしろい符合です。
 競技施設のような施設だけがレガシーでは当然ありません。グローバルにつながり、なおかつ日本の、東京の、板橋区の価値観を世界に誇れる施設にするという壮大な夢があってもよいのではないでしょうか。区長は、当初予算のプレス発表において、平成29年度予算案を「新たな価値を生み出す『未来創造戦略』実行予算」とテーマを掲げられておられます。新たな価値をつくる図書館、未来をつくる図書館、この図書館がなければ今の私はなかったと影響を与え得る図書館、これから100年の構想が必要だと考えます。新たな価値観を新中央図書館が発信するべきと考えます。区の見解をお示しください。
 次に、ワークショップ機能についてです。
 公共施設には、ユニバーサルデザイン、バリアフリーデザインという考えが採用されます。理解も進んでいるように思います。しかし、どこかで思考が停止してしまっているという問題意識があります。言葉にするのは簡単ですが、他者の立場になって深く真剣に考えようとする意欲や努力が一人ひとりに求められていると感じます。他者の存在を感じること、他者の存在を思うこと、これは私の考える新しい図書館に備えてほしい価値であり、この価値を伝えることが、共通体験やワークショップを通じて可能になるのではないかと考えております。
 図書館であるけれども、共通体験ができる施設です。いろいろアイデアはあると思いますが、例えば多様な参加型ワークショップをコーディネートすることができる機能を有する施設であります。視覚の使えない体験をする公園を利用したブラインドウォーク、高齢者や妊婦の疑似体験装具を使うプログラム、さらには障がい者も高齢者も、誰でも参加ができるヨガやストレッチ体験などのカルチャープログラム、多世代、多様な人々が互いの存在を認め合うアクティビティがある場になります。他者への共感を深めることができる新中央図書館、より高度で前例のない文化施設として、ワークショップ機能を整備されることを要望しますが、区の見解をお示しください。
 次に、教育科学館についてです。
 教育科学館も施設の老朽化が進んでいます。2020年の新中央図書館がオープンするタイミングで教育科学館のリニューアルも行われるのが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。
 また、その際には、学校との連携を行うために、ICT機器を導入するなど、課外授業を行いやすい設備や環境とすることを望みます。予算がかかるリニューアルが難しいとするならば、せめて中央図書館が整備されることをてこに、入館者数を延ばすような施策があるべきです。子ども向けの2館連携のイベントを実施したり、プラネタリウムに足を運びたくなるような展示を図書館ギャラリーで開催したり、理系の教育科学館と文系の図書館が地域や板橋区の社会教育や生涯学習の入り口となるような施策を求めます。区の見解をお示しください。

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●教育長(中川修一君) 議長、教育長。

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●議長(杉田ひろし議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕

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●教育長(中川修一君) 山田貴之議員の教育に関する一般質問、分割でお答えいたします。
 初めに、絵本のまちの実現に向けてのご質問ですが、新たな中央図書館にはボローニャ子ども絵本館を併設し、世界の優れた絵本を紹介するとともに、児童エリアと連携し、親子でゆったりと絵本に親しめる場を整備する予定でございます。地域図書館においても、ボローニャ子ども絵本館で所蔵する絵本の展示をはじめ、親子で絵本に触れるかるがもタイムや、おはなし会などの機会を充実し、絵本の持つ魅力を伝えていくことで、区立図書館全体で「絵本のまち板橋」の実現を目指してまいります。
 次に、絵本の和書と洋書の配架スペースのバランスについてのご質問ですが、新たな中央図書館での絵本の配架のバランスについては、児童エリアでは日本語の絵本が主体となり、ボローニャ子ども絵本館エリアでは外国語の絵本が中心となります。外国語の絵本には、絵本の概要の紹介や、日本語の翻訳文を差し込むなどの工夫を図り、さまざまな言語で書かれた絵本の比較や、世界の文化の紹介ができるよう、わかりやすい展示を行ってまいります。さらに、色使いや表現方法など、美術的にもすぐれた海外の絵本を親子で味わい、想像や表現を豊かにできるよう、表紙を見せる展示を行ってまいります。
 次に、中央図書館の新しい価値についてのご質問ですが、新たな中央図書館は、基本理念を、「未来をはぐくみ、こころの豊かさと新しい価値を創造し、“緑と文化”を象徴する図書館」とし、この基本理念の実現に向けたサービスや事業の提供を行うこととしております。次代を担う子どもたちの生涯にわたる読書と学びを支援するほか、幅広い世代の区民が図書館の資料やさまざまな活動を通じて課題解決を図り、学び合い、学び続けることにより新しい価値を創造することを支援していくものであります。新たな中央図書館では、平和や世界の文化、郷土板橋について学ぶことのできる新たな情報拠点として、グローバル社会を見据え、板橋区独自の魅力や区民が創造した新しい価値、成果の発信を行ってまいりたいと考えています。
 次に、ワークショップ機能についてのご質問ですが、新たな中央図書館には、展示、講座、ワークショップなどのさまざまな用途に利用できるスペースとして、いたばしギャラリーを設置し、図書館事業や区民企画のイベント等を実施する予定です。また、教育科学館などの近隣施設や学校、公園と連携した事業を展開し、世代を超えて多くの区民が集い、多様な活動ができる図書館を目指しております。新たな中央図書館は、板橋区立図書館の中央館として、図書資料や情報提供の機能を充実するとともに、誰もが参加しやすく、交流が深まる機会を提供し、地域コミュニティの活性化に寄与する図書館として整備を進めてまいります。
 次に、教育科学館のリニューアルについてのご質問ですが、教育科学館は、昭和63年9月に開設され、施設や設備の老朽化が進んできています。平成29年度は外壁の改修と屋上防水の工事を予定しており、施設全体のリニューアルについては、今後、区全体の施設整備計画の中で検討していくことになります。
 次に、ICT機器を活用した事業展開についてのご質問ですが、教育科学館は開設当初、学校ごとに整備することが困難だったパソコン教室を設置し、移動教室でパソコンに触れることができる環境を整備いたしました。現在は、各学校にパソコン教室が設置されていることはもちろん、各教室に電子黒板等も配備され、日常的にICT機器に触れる機会がふえたことから、教育科学館に設置されたパソコン教室の役割は変化しております。こうした状況を踏まえ、教育科学館では、ロボットプログラミングなど、学校の授業をさらに発展させた事業を展開し、情報化技術に興味を持つ児童・生徒の学びを支援してまいります。
 最後に、教育科学館と中央図書館の連携についてのご質問ですが、板橋区立中央図書館基本計画の策定にあわせて、科学館系図書の充実、教育科学館のイベントや展示との連携を視野に、両施設の魅力を高める方策を検討しております。新しい中央図書館がオープンした際には、図書館で学んだ事柄を教育科学館で体験できたり、教育科学館で興味を持ったことを中央図書館で詳しく調べることができるなど、施設が隣接している利点を生かす必要があると考えます。今後、中央図書館と教育科学館双方が拠点となって、生涯学習の学びの充実を展開できる環境づくりとその方策について検討してまいります。
 教育に関する質問の答弁は以上でございます。

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●山田貴之議員 議長。

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●議長(杉田ひろし議員) 山田貴之議員。
     〔山田貴之議員登壇〕(拍手する人あり)

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●山田貴之議員 児童相談所について伺います。
 初めに、児童相談所の設置についてです。
 平成27年度改正児童福祉法により、希望する特別区で児童相談所を設置できるようになりました。これまで板橋区は、東京都の所管する北児童相談所との連携を図りながら対応してきました。なぜ特別区に設置されることが可能となるように法改正がなされたのか、その背景についてご説明ください。さらに、旧板橋第三小学校跡地に整備予定と伺っていますが、なぜ当該用地が選定をされることになったのか、改めて理由について説明を求めます。
 次に、組織づくりについてです。
 滞りのない業務引き継ぎと設置当初から求められる業務水準を鑑みると、移管プロセスは大変に重要となります。また、現状の進捗状況を伺うと、困難が予想されます。例えば視察に伺った金沢市児童相談所では、上位自治体からの施設長を配置し、移管準備を庁内でされてきた課長級職員を副施設長として、時間をかけて組織体制整備を行っています。板橋区56万人の人口を勘案すると、大型施設規模のモデルとなると伺いました。現状、北児童相談所での板橋区分の相談受理状況は、平成27年度合計1,015件で、年々増加傾向にあります。人事の課題や見通しについての考えを伺います。
 次に、業務移管についてです。
 北児童相談所の所管である地域、荒川区、北区もそれぞれ平成32年度、平成34年度に開所予定と伺いました。1年ごとに3区が次々に開所するような移管を、北児童相談所は業務継続をしながら行うことになります。移管のプロセス管理が重要だと認識していますので、本区としても引き続きしっかり移管の交渉に臨んでください。東京都との交渉の見通しを教えてください。

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●区長(坂本 健君) 議長、区長。

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●議長(杉田ひろし議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕

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●区長(坂本 健君) 山田貴之議員の一般質問3項目めに分割してお答えいたします。
 最初は、児童相談所が特別区に設置されるようになりました背景についてのご質問であります。
 特別区におきましては、子どもの安心・安全を守り、一貫した支援体制のもとで支援を行うため、児童相談所は基礎的自治体に設置すべきであると主張し、東京都と協議を行ってまいりました。今回の法改正につきましては、厚生労働省の諮問機関であります社会保障審議会児童部会の「新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会」において、児童相談所を設置する自治体の拡大が提言されたことに、国が対応したものでありますが、特別区の主張が実を結んだものと考えています。
 次は、旧板橋第三小学校を選定した理由についてのご質問であります。
 児童相談所設置候補地につきましては、区有地を中心に適地を検討してまいりました。選定に当たりましては、区役所本庁舎や病院、警察など、関係部署や関係機関との連携がしやすい場所であることに加え、施設規模や設置スケジュールも配慮しながら、旧板橋第三小学校としたところであります。
 次は、組織づくりについてのご質問であります。
 児童相談所の人員配置につきましては、児童福祉法及び児童相談所運営指針に基づきまして、所長や児童福祉司、児童心理司、医師などを必要数配置していく考えであります。特に児童福祉司につきましては、板橋区の規模から、法定で14名必要となるため、東京都の児童相談所への派遣や研修によって育成するとともに、スーパーバイザーの派遣を東京都に要望していく考えであります。
 次は、業務移管についてのご質問であります。
 東京都とは特別区児童相談所移管準備連絡調整会議を設置し、区長会事務局を窓口として対応しているところであります。現時点におきましては、最重要課題の一つであります児童福祉司の東京都への長期派遣研修について受け入れを交渉しているところであります。今後につきましても、各種課題について東京都と協議をしながら速やかに移管ができるよう交渉を進めていきたいと考えています。
 3項目めの分割質問の答弁は以上でございます。

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●山田貴之議員 議長。

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●議長(杉田ひろし議員) 山田貴之議員。
     〔山田貴之議員登壇〕

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●山田貴之議員 続いて、シティプロモーションと文化財保護について質問します。
 初めに、板橋区庁舎1階イベントスペースの充実についてです。
 イベントスペースを活用する機会がふえています。今後さらに洗練された情報発信の場として、展示パネル、照明設備が必要であると考えます。気のきいた椅子もプロモーションイベントを効果的に行うためには必要です。区長と対談をしていただくには少なくとも2脚。金メダリストにパイプ椅子では、もてなしの板橋が廃るってものです。区の見解をお願いします。
 次に、情報提供の見直しについてです。
 ギャラリーモール、ギャラリースペース、区政情報課前のスペースを含んだ広いスペースを広聴広報課が一括して扱うことになりました。庁舎における情報のソムリエになってほしいと考えます。
 まず、目玉の、予算のかかっている、板橋らしいイベントや展覧会は情報発信が必要と考えます。現状、美術館のポスター、郷土資料館や植村冒険館のビラ、ロビーで見かけません。ロビースペースに求める大切な機能は、区内の既存施設に足を運んでもらうような情報提供です。これまでもギャラリーモール整備に際して発言してまいりましたが、文化財は区民の宝です。多くの方に文化財に触れてもらうためには何をしたらよいでしょうか。区の考えを求めます。
 教育委員会事務局生涯学習課では、区のさまざまな文化財に関する業務を扱っていますが、その使命や役割として、郷土板橋に伝わる貴重な文化財、資料や情報を幅広く収集、保管、管理しています。今、収集家である関谷弘道氏が郷土資料館に寄贈くださった甲冑や刀剣類の一部が展示されています。江戸時代のものが中心だそうですが、状態がよく、細かい装飾まで近くでゆっくりと見ることができました。規模は大きくはありませんが、とても勉強になる展覧会を拝見しました。
 まず、文化財係並びに郷土資料館における資料の保存、利活用についてです。
 文化財係や郷土資料館では、無形、有形の文化財をはじめ、歴史、民俗、考古の資料や情報を幅広く収集し、保存、管理しています。これらは区民の貴重な財産であり、展示などを通じて広く公開していくことが重要であると考えます。しかし、膨大な量の資料や情報を管理していくことは並大抵のことではありません。現在、これらの資料はどのように保管され、どのように活用されているのか、また、公開、展示の機会について伺います。さらに、今後はどのような方法でこれらの貴重な区民の財産を管理していくのか、区の考えをお示しください。
 貴重な資料や文化財を保存していくことは当然でありますが、利活用については最新技術を用いることも考えていくことが大切です。今日進展している技術を駆使した電子ミュージアムやバーチャルミュージアム、デジタルアーカイブスといったデジタル技術を活用した公開についてのお考えをお伺いします。特に、今回リニューアルに向けた対策を講じられる郷土資料館においても、多くの貴重な資料をより一層区民に見ていただくために、これらの技術を導入することをご検討いただきたいが、いかがでしょうか。
 次に、旧粕谷家住宅について伺います。
 旧粕谷家住宅は江戸時代の後期の建物として現在復旧工事が進められておりますが、工事の最中に柱に記された墨書が発見され、享保8年、1723年、今から294年前の建物であることが判明したとのことです。私の知る限り、都内では最古級、関東地方でも十指に入る古さを持つ極めて貴重な古民家であります。そこで、旧粕谷家住宅に対する文化財としての評価や整備方針、区の大切な文化財としての利活用の方向性についてのお考えをお示しください。
 次に、史跡公園について伺います。
 加賀公園、旧野口研究所、旧理化学研究所板橋分所を一体的に整備して国の史跡公園を目指すとのことですが、現在までの進捗状況について伺います。また、史跡公園は、その部分だけを公園として整備するのではもったいないと考えております。この公園を基軸として、周辺地域の歴史、文化財とのふれあい、最寄り駅からのアクセスルート上の魅力向上や地域のにぎわい、観光の視点からの展開など、史跡公園を中心とする面的な広がりについても検討していただきたいが、いかがでしょうか。お考えをお示しください。

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●区長(坂本 健君) 議長、区長。

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●議長(杉田ひろし議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕

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●区長(坂本 健君) 山田貴之議員の一般質問4項目めについて分割してお答えいたします。
 まず、1階イベントスペースの充実についてのご質問であります。
 本庁舎1階の区民イベントスペースは、さまざまな展示を介しまして区の魅力を発信するほか、オリンピックメダリストや区にゆかりのある方を招くなど大変重要なスペースと考えております。今後につきましても、板橋区の魅力発信拠点として、また、もてなしのスペースとして、より洗練された空間へと充実を図っていきたいと考えています。
 次は、情報提供方法の見直しについてのご質問であります。
 本庁舎には年間100万人以上が訪れることを踏まえて、来年度からギャラリーモール、区民イベントスペース、情報スペースの3つの1階展示スペースを、シティプロモーション担当が一括して運用する予定であります。今後につきましては、相互のスペースを融合させ、より効率的で力強い、来庁者の心に板橋区の魅力が浸透するような運用を図っていきたいと考えています。総合案内所付近につきましては、来庁者が区の文化施設等に足を運ぶ機会の創出の場として考えてまいりたいと考えています。
 4項目めの質問の教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

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●教育長(中川修一君) 議長、教育長。

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●議長(杉田ひろし議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕

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●教育長(中川修一君) 山田貴之議員の教育委員会に関する一般質問4項目を分割してお答えします。
 初めに、区の文化財行政に関しまして、資料の保管と利活用についてのご質問ですが、発掘調査で掘り出された土器や石器などの埋蔵文化財や、区民から寄託、寄贈された歴史や民俗文化を伝える貴重な資料は日々増加しており、郷土資料館をはじめ10か所に分散して収蔵しております。収蔵品については、郷土資料館等での展示、他自治体への貸し出しのほか、実物の土器や石器に触れながら歴史を学ぶ小学校での出前授業などで利活用しております。これらの貴重な収蔵品については、受け入れ基準の適正化や登録台帳の整理を進めていくほか、保管場所の集約に向けての検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、デジタル技術の活用についてのご質問ですが、文化財等の展示技術は日進月歩であり、最新のデジタル技術では高品質な3D映像等の情報を記録し、バーチャルミュージアムとして展示することも可能になっています。現在、郷土資料館の常設展示のリニューアルや(仮称)板橋区史跡公園の整備等を検討しているところであり、他の自治体や博物館等における先進事例や最新技術も参考に、展示方法や公開方法を研究してまいります。
 次に、旧粕谷家の文化財としての評価についてのご質問ですが、旧粕谷家は関東でも十指に入る古いもので、建設当時の場所に現存し、建築年代が墨書等の証拠で証明できる古民家としては都内で最も古いものであり、東京都の指定文化財を目指すことで調整に入っております。復元作業が完了した後は、歴史的建造物として公開していくとともに、地域に伝わるさまざまな民俗、風習の伝承の場としても保存、利活用してまいりたいと考えております。
 次に、史跡公園整備の進捗状況についてのご質問ですが、(仮称)板橋区史跡公園の整備につきましては、教育委員会と区長部局が連携、協働し、旧野口研究所跡地、旧理化学研究所板橋分所跡地の土壌汚染対策や、区への譲渡条件について土地所有者との協議を続けております。整備の方針につきましては、学識経験者や区内関係団体の代表等で構成する整備構想委員会を立ち上げ、基本コンセプトや基本方針について議論しているところです。
 国史跡の指定に向けては、史跡公園整備予定地の土地所有者や占有者から同意を得て、平成29年1月26日に区から東京都へ関係書類を添えて意見具申いたしました。これを受け、東京都が書類の内容を確認し、1月31日に当該書類一式を文化庁へ提出したことを確認しております。
 次に、史跡公園からの面的な広がりについてのご質問ですが、現在、(仮称)板橋区史跡公園の整備構想委員会においても、面的な広がりの必要性についてご意見をいただいております。具体的には、周辺地域の活性化や観光資源としての活用、近隣駅からのアクセスルート上のにぎわい創出などのご意見がありますので、区としての基本構想と基本計画を策定していく中で検討を進めてまいりたいと思います。
 いただいた質問の答弁は以上でございます。

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●山田貴之議員 議長。

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●議長(杉田ひろし議員) 山田貴之議員。
     〔山田貴之議員登壇〕

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●山田貴之議員 マンションの適正管理についてです。
 初めに、マンション管理条例についてです。
 分譲されたマンション管理の課題として、合意形成の難しさ、管理への関心の低さ、適正管理に関する情報の不足、不明確な管理責任が挙げられます。そうした課題を解消するために、分譲マンションが多くある都心区では、マンション管理に関する条例制定を進めています。
 豊島区のマンション管理推進条例では、マンションの管理状況の届け出が義務化されています。約60%の分譲マンションの管理者が届け出を行っており、区内分譲マンションの状況の把握を効果的に進めています。2014年の決算総括の質問の中で、「先行している自治体の施行後の影響や、効果、課題などを参考にしてマンション管理推進条例を検討していく」と都市整備部長からご答弁をいただきました。マンション管理推進条例の制定の必要性が高いと考え、改めて質問をいたしますが、板橋区での制定についてのお考えを伺います。
 次に、マンション管理条例の効果についてです。豊島区のマンションの管理推進条例には、義務規定として「設計図書、修繕履歴等管理に関する図書の適正保管」や「長期修繕計画の作成」、「連絡先の明確化」のほか、「名簿等の作成と管理」では、居住者や緊急連絡先などの重要な項目の管理を求めています。このような規定内容は、マンション自治会の安定的な運営を助け、行政の支援を得やすくするために欠かすことができない情報です。自治会にも自治体にも双方にとって意義のあるものです。
 板橋区では既に、マンションの適正管理に資するための支援メニューがあります。例えばマンション・事業所の防災資機材購入費補助金助成制度であり、分譲マンション大規模修繕アドバイザー派遣制度です。こうした制度の積極的な活用が安心・安全なまちづくりにつながっていきます。地元のマンション自治会でも制度の活用が進み、災害時の備えについて拡充がされています。マンション自治会やマンション管理責任者の連絡先とその管理状況がわかれば、施策の基礎データとなり、より効果、効率的な施策の実現ができます。マンション管理条例制定後のメリット及び課題について区の考えを教えてください。
 次に、補助金制度の活用についてです。
 マンション・事業所の防災資機材購入費用補助金制度を活用した共助の取り組みが広がっています。防災資機材購入後、1年以内の訓練が実施できることを募集要件としており、功を奏しています。地元町会と共催で行われたり、マンションの階段部分でイーバックチェアを使用したり、自治会の実情にあった訓練や地域のマンションの構造的な特性を生かした訓練となっています。制度の積極的な周知とさらなる制度活用推進を区に求めます。見解をお示しください。ちなみに、豊島区のマンション管理推進条例では、災害時の備蓄物資についても努力規定が設けられ、届け出書類に明記されています。
 次に、マンション管理士の活用についてです。
 老朽化による修繕、建て替えの需要に対応していくために、マンション管理組合や自治会の役割、負担はふえていきます。また、そうした組織がない場合も少なくありません。しかしながら、板橋区では実態調査が平成22年度の報告書を最後になされていません。課題の一つであると考えます。
 マンションに関するさまざまな課題の改善を図るための事業計画や施策立案の過程で、積極的にマンション管理士会、並びにマンション管理士の活用を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、マンション耐震化助成についてです。
 マンションの耐震診断、耐震助成の件数が伸びておりません。建て替えを実施する場合の最終的なコストや合意形成、折り合えないという理由も大きいようです。
 一方で、関東直下型地震の発生確率が高いと言われている中で、幹線道路に面した老朽化マンションの適正な管理は喫緊の課題であります。区としては、特定緊急輸送道路沿道のマンションについて、目標とする成果を上げるためにどのように実施していくか、今後の方針を伺います。また、抜本的な対策の必要性について国や都に引き続き訴えていくことを要望します。

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●区長(坂本 健君) 議長、区長。

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●議長(杉田ひろし議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕

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●区長(坂本 健君) 山田貴之議員の一般質問5項目めについて分割してお答えいたします。
 最初はマンション管理条例についてのご質問であります。
 区内のマンションの数は現在もふえ続けておりまして、民間分譲マンションの維持・管理の適正化の必要性は年々高まっているものと考えています。区では、民間分譲マンションの維持・管理に関する課題解決のため、マンション管理推進条例の検討を進めておりまして、来年度の策定を目指しております。
 次は、マンション管理条例の効果についてのご質問であります。マンション管理推進条例制定後のメリットとしまして、区側では、管理責任者の連絡先や管理状況の把握など各種のデータベース化が可能となりまして、これをもとにした啓発・支援をすることができるようになると考えております。
 また、マンション側につきましては、図面の適正管理や長期修繕計画の作成などによって適切な維持・管理が可能となります。課題としましては、区側では個人情報を含む膨大なデータの管理や更新の作業等の増加が考えられます。また、マンション側につきましては、区への届け出や長期修繕計画の作成など、新たな負担が考えられると考えております。
 次は、補助金制度の活用についてのご質問であります。
 防災資器材購入費用補助金制度につきましては、マンションや事業所が地域住民と一体となった防災活動を実施するため、10万円を限度としてその費用の2分の1を補助する制度であります。板橋法人会や資器材販売業者等と連携をした制度周知活動や先行実践事例の紹介を通した制度の利用促進等によって、今年度は申請団体が4割増加をいたしました。今後につきましては、各種マンションとも連携した効果的な周知を推進するとともに、補助対象資器材の拡大や申請団体のニーズに即した事業への展開を図り、制度の利用促進に努めていきたいと考えています。
 次は、マンション管理士の活用についてのご質問であります。
 住宅政策課におきましては、マンションに関するアドバイザー派遣、管理セミナー、個別相談会、居住者交流会など、各種マンション事業を行うに当たり、区内のマンション管理士会等から協力をいただいております。今後もマンション管理の課題の改善や施策の立案過程において、マンション管理士会等の協力をいただくなど、マンション管理士等の活用を図っていきたいと考えています。
 次は、特定緊急輸送道路沿道のマンション耐震化についてのご質問であります。
 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化につきましては、板橋区耐震改修促進計画2025において重点的に取り組むべき施策として、東京都と連携をしながら、建物所有者に対する普及啓発の実施や法令による指導、助言を行うこととしておりまして、区としましては、建物所有者に対して直接耐震化の働きかけを行っていく考えであります。
 また、マンションの耐震化を進めるに当たりましては、区分所有者の合意形成や店舗の営業補償などの問題を解決する必要があり、区や東京都では建築士による耐震化アドバイザー派遣の制度などによって、建物所有者が抱える問題を解決する支援を行っていく考えであります。
 次は、抜本的な対策の必要性を国や東京都に訴えていくことについてのご質問であります。
 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化につきましては、東京都に対して特別区長会として助成制度の拡充を要望しております。今後につきましても、機会を捉えて、さらなる助成制度の拡充や建物所有者に対する支援策の取り組みを要望していきたいと考えています。
 5項目めの答弁は以上でございます。

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●山田貴之議員 議長。

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●議長(杉田ひろし議員) 山田貴之議員。
     〔山田貴之議員登壇〕

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●山田貴之議員 そのほか、行政課題について伺います。
 まず、ふるさと納税についてです。
 ふるさと納税が近年支持されており、板橋区においても利用者が急激に増加してまいりました。平成26年度の利用者は約700名、平成27年度は約2,700名、平成28年度は約8,000名で、昨年からだけでも5,000名近くふえ、寄附金税額控除額も6,300万円から3億4,000万円になり、前年比約5倍になりました。以上のように、板橋区においてもふるさと納税によって大きな影響が出ています。区の考えを伺います。
 次に、私立幼稚園障害児就園運営費補助金制度についてです。
 障がい児の受け入れについて、区として助成する制度の創設を早急に実現願いたい、受け入れに積極的な私立幼稚園を早くサポートすることは、経営や運営を安定させて、ひいては利用者への利便性を高めることになります。現在、私のもとには多くの親御さんから、入園を断られたという切実な声を伺います。
 一方で、幼稚園としても、教育に特化し、独自のカリキュラムを工夫しているがゆえに、受け入れに慎重になる傾向があります。職員の増配置を支援する制度の必要性について、区の考えを伺います。
 次に、区内のフードバンク、フードドライブについてです。
 子どもの貧困対策として、平成29年度から「いたばし子どもの夢つむぐプロジェクト」が立ち上がります。既に区内では多様な子ども食堂が複数運営され、フードバンク設立の動きもあります。特にフードバンクは多数の子ども食堂を直接支援する大切なNPO組織として、先進的な取り組みも各地で見受けられます。板橋区においても、フードバンク板橋に対して積極的な支援を要望します。倉庫となるような場所の提供や消費期限の近い備蓄物資の提供、寄附者のマッチング、区内事業者への呼びかけなど、区内のフードバンクへの支援や連携、フードドライブへの取り組みについて区の見解を求めます。
 最後に、庁内シェアワークスペースについてです。
 板橋区役所は冬の時期、午後5時30分で暖房が切れます。それからの残業は、暖房のきかない部屋で仕事をしなければなりません。私も経験していますが、体調をおかしくする懸念があるほど、非常に寒いです。夏も同様に、早々と冷房が切れて暑いです。また、数名が残っているだけのフロアの照明が広くついている状況も不経済です。
 そこで、部署にかかわらず、職員が気軽に利用できる共有のワークスペースをつくれませんでしょうか。つまり、冷暖房、フリーアドレスデスク、庁内LAN、オフィス機器が完備された部屋に職員に来ていただいて仕事をしていただくということです。業務効率、省エネの観点から提案させていただきます。区の見解をお示しください。
 以上で、私の一般質問の全ての項目を終了します。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)

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●区長(坂本 健君) 議長、区長。

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●議長(杉田ひろし議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕

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●区長(坂本 健君) 山田貴之議員の一般質問6項目めについて分割してお答えいたします。
 まずは、ふるさと納税についてのご質問であります。
 平成27年の1年間において、ふるさと納税を約8,000人の板橋区民が利用し、その合計金額については約7億7,000万円であり、これによる特別区民税の減収額は約3億4,000万円でございました。これは平成26年と比べて減収額では約5倍となり、区の財政に大きな影響を与えております。このふるさと納税につきましては、被災地支援等にも活用されている一方で、返礼品において高額化やブランド競争といった本来の趣旨を逸脱した状況も見られております。
 また、ふるさと納税「ワンストップ特例制度」におきましては、所得税還付分も住民税からの控除となりますが、これについては特別区の場合、国から補填されないといった制度上の課題もございます。ふるさと納税は実質的に税源の偏在是正措置として利用されておりますが、こうした手法ではなく、全体の地方財源を拡充するなど、国の責任において是正すべきものと考えております。
 次は、区内のフードバンク、フードドライブについてのご質問であります。
 区内で初の民間運営による「フードバンク板橋」が本年3月に設立されると聞いております。区といたしましては、今回設立されるフードバンクの取り組みに対しまして、できる限り活動を支援していきたいと考えています。また、場所、物資の提供、寄附者のマッチングなどにつきましては今後の研究課題と考えております。
 また、区としましては、2月23日に区役所1階区民イベントスペースにおいて、民間と連携をしてフードドライブを実施し、家庭で余っている食べ物を持ち寄っていただき、生活困窮者や福祉施設等への支援に役立てたいと考えています。さらに今後につきましては、区民まつり等において、こうした区内のフードバンクと連携をしながらフードロスに対する啓発とともにフードドライブを開催していきたいと考えています。
 次は、本庁舎シェアワークスペースの設置についてのご質問であります。
 本庁舎におきましては、各種業務システムやパソコン等へのフリーアクセス環境を整えるとともに、南館におきましては、打ち合わせや事務作業も行える共有のコミュニティスペースを設けるなど、業務効率向上に資する施設整備を行ってきたところであります。業務効率向上に関しましては、継続した取り組み、改善が大変重要でありまして、ワークプレース・イノベーションを推進する中において、ご提案の趣旨も踏まえて、よりよい執務環境を整えていきたいと考えています。
 6項目めの質問の教育委員会に関する答弁は教育長から答えます。

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●教育長(中川修一君) 議長、教育長。

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●議長(杉田ひろし議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕

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●教育長(中川修一君) 山田貴之議員の一般質問6項目めについて分割してお答えします。
 私立幼稚園障害児就園運営費補助金制度についてのご質問ですが、区立幼稚園における障がい児の割合は近年増加傾向にあり、区内の幼稚園において障がい児の人数はふえてきていると考えています。幼児教育にかかわる公立・私立幼稚園での障がい児の受け入れは重要な課題の一つと認識しておりますが、障がい児に対する幼児教育の全体像について十分に把握できているとは言えない状況であります。そのため、平成29年度には私立幼稚園における障がい児の受け入れ状況について私立幼稚園協会と協議しながら実態を把握するとともに、今後の総合的な障がい児支援のあり方を検討してまいります。
 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。

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●議長(杉田ひろし議員) 次に、大野はるひこ議員。

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●大野はるひこ議員 議長。
     〔大野はるひこ議員登壇〕(拍手する人あり)

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●大野はるひこ議員 通告に基づき、区政に対する一般質問を行います。
 初めに、年度途中ではありますが、平成28年度に行われている実施計画の検証と平成29年度予算について伺います。
 昨年10月に議決された新たな板橋区基本構想の実現に向けて、今後10年間の施策体系を示す板橋区基本計画2025、そしてその最初の3年間の具体的な実施計画、いたばしNo.1実現プラン2018が策定されました。坂本区政3期目10年を迎えるに当たり、初めて板橋区の総合計画である基本構想、基本計画、実施計画がそろい踏み、将来像を、「未来をはぐくむ緑と文化のかがやくまち“板橋”」の実現を目指した板橋区の新たな方針が示され、昨年4月から始まりました。平成28年度は基本構想の実現に向けたスタートとなる年であり、昨年の区長の施政方針演説におきましても、平成28年度を未来創造戦略元年と銘打たれました。そこで伺います。
 基本計画2025で掲げた未来創造戦略は区民の皆様に、板橋に住んでよかった、住み続けたい、住んでみたいと思っていただける板橋区にしていくために、戦略に資する事業のさらなる充実が図られました。そして、新たに策定されたいたばしNo.1実現プラン2018、実施計画が現在展開されております。民間企業におきましても、長期、中期、短期の事業計画が立てられ、その計画をもとに予算が組まれ、企業努力により数字が積み上げられ、予算達成に向けての事業戦略が行われていきます。そして、予算達成に向けての進捗状況につきましては、月次計画であれば月初めに予算達成に向けて立てる事業計画とその数字の根拠に始まり、中間見込み、最終見込みと常に進捗状況の分析が行われています。板橋区におきましても、計画、いわゆる個々の実施事業の進捗状況を常に把握されているものと思います。
 板橋区行政の事業戦略に伴う財源は、納税者の皆様からお納めいただいた税金です。お納めいただいた税金が、区民の皆様にとって有益で効果のある事業でなければなりません。年度途中ではありますが、具体的な戦略で立てられたいたばしNo.1実現プラン2018、3か年計画初年度の検証と進捗状況、そして費用対効果の分析について見解を伺います。
 また、その分析が平成29年度の予算における実施計画に反映されるものと考えます。選択と集中、そして具体的な実施計画があっての予算です。新たなスタートを切られたいたばしNo.1実現プラン2018の初年度、政策面での手応え、そして検証を踏まえた上での平成29年度予算の実施計画について見解を伺います。
 次に、予算を組むための主要な財源である財政調整交付金、いわゆる調整三税、固定資産税、特別土地保有税、市区町村民税法人分、法人住民税の一部国税化について伺います。板橋区の平成28年度当初予算における東京都からの財政調整交付金は659億円で、予算の32.5%を占めています。地方の固有財源である法人住民税は主要一般財源であり、区民福祉の増進を図るための財源として活用すべきもので、これらの国の措置は明らかに地方税の根本原則をゆがめるものです。特別区は財源にゆとりがあると言われておりますが、急速に進む少子高齢化への対応や、首都直下地震等に備えた防災対策、老朽化した区有施設の維持更新など、直ちに取り組む必要のある多くの課題があります。
 このような措置が継続されると、さきに申し述べました課題解決をはじめとする行政サービスの提供に支障をきたすことになり、法人住民税の一部国税化などの国による減額措置が特別区の財政運営に多大な影響を及ぼすことは論をまちません。このような国の理不尽な措置の撤回に向けて、引き続き特別区は一体となって臨むべきと考えます。特別区区長会の副会長をお務めの坂本区長の見解と強い決意を伺います。
 次に、人材育成について伺います。
 昨年、「板橋区人材育成基本方針」が改定され、名称が「板橋区人材育成・活用方針」に改められました。人材育成・活用方針策定の背景と目的については、既に平成21年1月に、それまでの人材育成基本方針を改定し、もてなしの心による区政経営の推進を掲げ、職員の意識改革、風土改革、環境整備・諸制度改革、3つの総合的な人材育成の方向性を示し、職員個々の能力と組織力が高まるよう、様々な人材育成に関する施策を展開されてきました。
 その後、板橋区の人事政策を取り巻く環境変化を受け、新たな「板橋区人材育成・活用方針」が策定されました。
 その第一には高度化する行政課題です。行財政改革の一環である組織の見直しや職員数の適正化の中、高度化する行政課題に対応していくため、職員一人ひとりの役割が大きくなり、即戦力となる職員の育成が重要になる。
 第二には職員構成の変化です。職員の年齢構成の変化や社会的な背景を受け、女性管理・監督者の増加や再任用・再雇用の拡大など、多様な職員の活躍が予想され、人材育成の範疇が変化する。
 第三には地方分権の進展です。地方分権により自治体への権限移譲が進むことで、国や東京都の方針にならう行政運営から、区独自の政策を立案、実現できるよう、政策形成能力を高めていくことが必要になる。
 第四には住民協働や民間活用促進です。行政課題が多様化、複雑化する中、地域課題を板橋区を含めた地域の多様な主体で解決していくため、職員には各団体との地域資源をつなぐ役割が求められる、との4項目の人事政策を取り巻く環境変化が示され、板橋区職員に求められる役割の変化により、人材育成の課題や優先順位も変化することで、将来の区政を見据えた人事政策の見直しが行われました。
 また、人材育成・活用方針の目的では、職員能力の最大化、職員自身の成長や、良好な職場風土により仕事に対するモチベーションを刺激し、能力を最大限発揮できる状態にすることによる区政経営の質の向上、あるべき姿を定めることで職員の行動指針をそろえるとともに、職員一人ひとりの能力を効果的に活用できる組織を実現することによる区民サービスの充実、職員自らの能力、資質を高め、共通の行動指針に基づいた組織力を向上させ、区民ニーズを的確に捉えたサービスを充実させることが目的とされております。
 日々、板橋区職員の皆様は板橋に愛着を持ち、緊張感を持って板橋区政の伸張発展に向けて仕事をされています。区民の皆様のご意見、ご要望につきましても真摯に受けとめ、対応されており、区民の皆様に愛着ともてなしの心を持って接していただいております。過去には、特別区の窓口対応評価では23区中1番の評価を受けました。また、既に取り組まれている職員提案の政策も、今後はさらに耳を傾けることにより、さらなる充実感、達成感が培われ、新たな発想が生まれ、区政運営の活性化に寄与するものではないかと思います。
 そこで伺います。各主管課にて様々な職場内研修が行われているとお聞きしておりますが、人材育成・活用方針が果たすべく取り組みの現状と効果について、そして坂本区長の職員の皆様への望み、期待していることをお聞かせください。
 次に、東武東上線連続立体化について伺います。
 区内の東武東上線には36か所の踏切が存在し、道路渋滞の発生や地域の分断による生活の不便やまちづくりの遅れ、踏切事故の危険性が問題の要因となっています。東京都はこのような踏切問題の早期解消に向けて、平成16年に「踏切対策基本方針」を策定し、区内の大山駅付近、ときわ台から上板橋駅付近の2区間を鉄道立体化の検討対象区間に位置づけました。この2区間のうち大山駅付近につきましては、平成26年9月に事業候補区間として位置づけられ、現在連続立体化事業の調査が行われています。検討対象区間からのさらなる前進が果たされました。
 板橋区議会におきましても、大山駅周辺まちづくり・東武東上線立体化促進協議会が発足し、区議会からの機運醸成も図られています。昨年11月7日には、区議会の協議会より東京都に対し、東武東上線立体化に関する早期実現に向けての要望書が提出されました。現在の立体化に向けての進捗状況、そして東京都、板橋区それぞれの取り組み状況について伺います。
 ときわ台から上板橋駅付近につきましては、現在、鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられています。大山駅付近の取り組みに遅れることなく、早期に連続立体交差事業の事業候補区間に位置づけてもらうことが必要です。区長の見解と促進に必要な取り組みについて伺います。
 全線の立体化は板橋区の悲願ではあるものの、区内の踏切遮断による渋滞や事故の危険などは喫緊の課題です。先行している大山駅付近の立体化事業でも、今後十数年の事業期間が見込まれる予定です。それ以外の区間の踏切対策につきましても、スケジュール感を持って板橋区の考え方をしっかりと整理し、取り組んでいく必要があると考えます。見解をお聞かせください。
 大山駅付近の鉄道立体化につきましては、東京都により事業範囲や構造形式などが現在調査・検討中でありますが、一方、東京都が公表している補助第26号線のスケジュールによれば、工事完了は3年後の平成32年となっています。このまま道路整備が先行して進めば、新たなボトルネック箇所が生じる懸念があります。東武東上線と補助第26号線との交差部分についてどのように対応されるのでしょうか、見解をお聞かせください。
 東武鉄道は、お客様に安全に安心して駅ホームを利用していただくために、2020年度までに新たに東武鉄道全線で8駅、2021年度以降、さらに板橋区内の駅を含む23駅にホームドアの整備を進めるとの方針を本年1月に発表いたしました。ホームドアは、特に視覚障がい者などの安全な歩行にも寄与するため、区内の駅において早期に設置されることを期待いたします。
 次に、防災対策について伺います。
 東日本大震災から間もなく6年が経過いたします。その後、熊本県地方を震源とする地震、鳥取県地方を震源とする地震をはじめ、御嶽山や阿蘇山の噴火、台風や大雨による災害が全国各地で発生しています。災害によりお亡くなりになられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災、被害に遭われた方々、関係者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 東日本の被災地域では復興に向けての様々な取り組みがなされていますが、まだ十分とは言えない状況が続いています。首都直下地震の今後30年以内に発生する確率は70%と発表されてから数年が経過しております。この間、板橋区では防災対策の充実に向けてさまざまな取り組みをされてこられました。特に東日本大震災以降の防災対策に取り組む体制は、予算措置の増額計上を行うとともに、様々な施策展開を行うなど、金額面での対応のみならず、区民の皆様への震災に対する意識啓発にも努めてこられ、現在も行われていることは評価に値します。
 防災対策に終わりはありません。引き続き、ありとあらゆる被害を想定した危機管理体制のさらなる強化を行うべきであると考えます。今後、板橋区が取り組まれていく危機管理、防災面での方針について見解を伺います。
 次に、自助、共助、公助の役割の明確化について伺います。防災の基本は自助です。助けられる人ではなく助ける人になること、共助とは、自分自身や小さな共助である家族だけでなく、町会や自治会などの小さな地域コミュニティ単位で防災としての助け合い体制を構築し、災害発生時に実際に助け合うことを言い、公助とは国民の生命、財産の安全を図ることが国や地方公共団体の責務とされています。
 しかしながら、国や地方公共団体が行うべきことであっても、地域事情に応じたきめ細かい施策を実施するためには、地域住民の協力が不可欠であるとも言われています。本年も3月12日に行われる予定の総合防災訓練が、自助、共助の理解を深める機会の一場面になると考えます。地区ごとに訓練内容は違いますが、より充実した訓練が行われるためには、行政からの発信、助言も必要であると思います。
 例えば、全町会・自治会に貸与されたスタンドパイプによる消火訓練、D級ポンプによる取り扱い訓練は、地域によって温度差があるように思われます。宝の持ち腐れになってしまわないように、取り扱いレベルを一定の水準に保つことが必要であると考えます。
 区民の皆様が主体となって行うのが防災訓練です。総合防災訓練、各町会・自治会での防災訓練が訓練のための訓練ではもったいないと思います。防災訓練における行政の役割について見解を伺います。
 東京消防庁では、平成12年度より事業所に対する応急手当の奨励制度を導入し、救命講習受講人数等の条件を満たす事業所に対して、救急救命受講優良証を交付し、応急手当の普及促進を図っています。制度が運用されて以降、事業所等で発生した救急事故では応急手当の実施率が向上するなど、成果があらわれているとのことです。平成25年4月からは応急手当勧奨制度が拡充され、交付対象がこれまでの事業所に加え、町会、自治会、商店街などの生活に身近な団体にも広げられました。日常生活と大規模地震災害にも備えた自助、共助の地域力を高め、応急手当てを必要とする人に身近な人がいち早く助けの手を差し伸べることのできる社会を本制度は目指しております。
 板橋区役所におきましても、本年1月26日に救命講習受講優良証が東京消防庁より交付されました。板橋区役所が交付を受けた経緯、また、本制度により期待される効果について見解を伺います。
 一般火災をはじめ、災害時の火災についての対応について伺います。来年度、火災危険度の高い地域に、街灯設置型のスタンドパイプセットが区内に18台設置される予定となっています。火災時の初期消火、延焼防止に寄与するものと思われますが、取り扱いについてはどのように考えられているのでしょうか。地域住民の方々が防火衣、防火帽などを身につけずに消火活動を行うことは非常に危険です。消防団活動では認められておりません。安全対策を講じる必要があると考えます。
 また、消火栓から水利を確保できなければ、震災時、スタンドパイプによる消火活動はできません。震災時における消火栓からの水利の確保についての見解もあわせてお聞かせください。
 災害時の医療活動に関する連携について伺います。
 「板橋区地域防災計画」に基づき、災害時に板橋区が行う医療救護活動については、東日本大震災の発生を受け、地域防災計画の修正に伴い、各団体との協定の内容が見直され、公益社団法人板橋区医師会との新たな協定も平成26年7月16日に締結されました。昨年9月には、帝京病院を拠点とした医療連携訓練が板橋区医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会による新たな取り組みが実施されました。この取り組みによる成果について見解をお聞かせください。また、歯科医師会、柔道整復師会、薬剤師会との協定は既に締結されていると思われますが、今後の連携体制はどのように取り組まれていくのかお聞かせください。
 次に、いじめに関する取り組みについて伺います。
 学校には様々な悩みを持ち、救いを待ち望む児童・生徒、そして保護者の方々がいます。不登校、いじめなどの問題があります。いじめに関しては根絶することは困難ですが、いじめの実態を詳細に把握し、対応することは必要です。現在、板橋区立学校園においては、いじめアンケート調査、スクールカウンセラーへのいじめ相談、電話やインターネットによるいじめの相談受付、ネットパトロール、学級安定化対策事業、リーフレットの配布、活用などによりいじめに関する多様な取り組みが行われています。これらの課題には、スクールソーシャルワーカーも対応していると聞いています。
 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携は、困難事例を担当する教員の心理的な孤独感や負担感が軽減されるとともに、その後の教育活動が活性化した事例、また、いじめを原因として不登校となった生徒の家庭を教員とスクールソーシャルワーカーが訪問し、本人、保護者と連携して面接、助言を行うことで学校と保護者の信頼関係が構築され、生徒の学校復帰が実現したなどの効果が文部科学省の報告に取り上げられています。
 板橋区においては、さきに述べさせていただいたようにさまざまな取り組みをされておりますが、今後は学校、医療機関、児童相談所、警察、子ども家庭支援センター、民生・児童委員などの関係機関との連携をさらに強化していく必要があると考えます。各小中学校園でのいじめに対する問題、課題についての現状について見解をお聞かせください。
 また、教育委員会に存在する、退職された先生方やスクールソーシャルワーカーの方々で組織されている「START」がどのような体制で対応されているのでしょうか、伺います。
 次に、部活動の外部指導員制度について伺います。
 文部科学省は、平成29年度、適切な部活動の練習時間や休養日の制定に関する指針を策定するほか、地域のスポーツ指導者などが、部活動を指導、引率する部活動指導員を学校教育法の施行規則に盛り込む改正が示されました。具体的な改善方針は、部活動指導員の配置促進の充実、次世代の学校・地域創生プランに基づき、学校教育法施行規則を改正し、部活動指導員の法令上の明確化、運動部部活動のあり方に関するガイドライン、学校教育活動の一環としての部活動の意義や学校長の監督下にあること理解させる研修の実施や運動部活動中に発生した事故への対応などの明確化、専門的な知識、技能を持った地域の指導者を発掘し、学校とつなぐ地域コーディネーターの配置促進が示されました。
 それに伴い、教育委員会では部活動について、地域人材の協力や各団体との連携が円滑に図られるよう、部活動を支援する人材配置の促進、また、その任用に際して、指導、技術に加え、学校教育の一環としての位置づけ、生徒の発達段階に応じた科学的な指導について理解させるなど、必要な研修の充実を図り、受講の促進を図る方針が示されました。既に各中学校の部活動は、種目によって外部指導員制度による取り組みが行われています。
 今と昔を比べては、全てが当てはまらないことは重々承知しておりますが、当時は先生が部活動の顧問を務め、指導することが普通のことでした。いつの日から変わってしまったのでしょうか。私個人が思うには、当時の文部省が取り組んだゆとり教育、ゆとりと名がつくだけで、子どもたちにも先生方にも保護者にもゆとりがなかったゆとり教育、学校週5日制による授業時間数の確保不足による子どもたちの学力、体力の低下がこの部活動の外部指導員の問題を含め、教育全般にわたるゆがみを生じさせてしまった原因の一つではないかと思います。来年度、新たに施行規則に盛り込まれる予定の部活動指導員制度が今後の板橋区の運動部活動、文化部活動に与える効果と影響について見解を伺います。また、これからの運動部活動、文化部活動のあり方についての見解をお聞かせください。
 部活動指導員制度の促進策は、多忙をきわめる先生の負担軽減を図るための手段の一つであると考えますが、負担軽減に関連し、伺います。平成27年度は中学校、平成28年度は小学校で本格稼働が行われている先生方の負担軽減を図ることを目的とし導入された校務支援システムの効果と手応えについての見解をお聞かせください。導入により、児童・生徒と向き合う時間は確保されつつあるのかを含め質問いたします。
 最後に、都市計画上板橋公園事業について伺います。
 本件の内容、経緯につきましては、この事案が発生して以来、一般質問、昨年の代表質問、決算総括質問などでひたすら質問させていただいております。詳細は述べません。都立城北中央公園の拡張工事による対象地域にお住まいの方々の移転の問題です。1,063名の署名とともに東京都に提出した要望書の回答をいまだいただいておりません。「東京都と板橋区は綿密な連携を図る」と東京都は言っています。板橋区も「対象住民の皆様に寄り添っていく」と答弁をいただいております。早急に東京都に対し、地域住民の方々に回答するよう求めます。見解をお聞かせください。
 以上で私の区政に対する一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)

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●区長(坂本 健君) 議長、区長。

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●議長(杉田ひろし議員) 区長。
     〔区長(坂本 健君)登壇〕

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●区長(坂本 健君) それでは、大野はるひこ議員の一般質問にお答えいたします。
 最初は、いたばしNo.1実現プラン2018、初年度の検証と進捗状況、費用対効果の分析についてのご質問であります。
 実施計画事業につきましては、「東京都板橋区進行管理規程」に基づきまして進行管理を行っております。年度途中ではありますけれども、実施計画1年目の進捗は概ね順調であると考えています。
 なお、平成28年度の事業検証の中において、中央図書館の改築や美術館の大規模改修といった一部の事業につきましては、施設の基本構想の検討に時間をかけて取り組むことによって、より高い費用対効果が期待できるとの判断から当初計画を変更したものであります。
 次は、いたばしNo.1実現プラン2018初年度の政策面での手応えと検証を踏まえた上での平成29年度予算の実施計画についてのご質問であります。
 実施計画初年度を振り返りますと、まなぽーと大原及び成増の開設など、当初の計画に沿った進捗が図れただけではなく、待機児童数の状況からさらなる拡充を図った認可保育所の整備など、区を取り巻く環境やニーズも見きわめながら実施計画を推進できたものと考えています。両まなぽーとともに開設後の利用者数が増加傾向にあり、認可保育所の整備におきましては、待機児童の解消に近づくことが見込まれるなど、政策の効果に手応えを感じているところでもあります。
 平成29年度予算における実施計画事業については、初年度の検証結果を的確に反映するとともに、農業の継承支援と農に触れる環境の充実など、計画時から検討が進み、具体的な事業化を図られたものが盛り込まれており、実施計画2年目のステップアップに向けて充実した内容となっていると考えています。
 次は、法人住民税の一部国税化についてのご質問です。
 法人住民税は、自治体固有の財源であり、法人住民税の国税化は受益と負担に基づく応益課税という地方税の原則を逸脱したものと感じています。また、この地方税を縮小する方向に進めることは、地方分権の流れに逆行することと捉えています。平成28年度は、これらのことについて、特別区共同で税源偏在是正議論についての特別区の主張を展開するとともに、区長会として国に対し要望もしております。
 また、板橋区独自の取り組みとしましては、「広報いたばし」などを通じて区民に広くお知らせをすることとしておりまして、今後とも、しっかりと主張してまいりたいと考えています。
 次は、「板橋区人材育成・活用方針」の取り組みと効果についてのご質問であります。
 方針におきましては、職層別の意識と必要な能力を明確に示し、採用1、2年目の重点育成、各職層別の育成プログラム、若手管理職支援プロジェクト等、構築した新たな研修体系に沿って着実に推進を進めています。
 また、各職場と人事課の役割分担を整理し、職務を通じた指導・育成、いわゆるOJTに積極的に取り組んでおりまして、平成28年度の状況におきましては、約4割の課において新たなOJTの取り組みを実施していることからも、全庁的な意識の変化を感じております。
 引き続き研修カリキュラムの見直しを図るとともに、職層別に必要な能力を人事評価項目と整合させることによって、職員の自発的成長を促す人事制度を目指していきたいと考えています。
 次は、職員に望み、期待することについてのご質問であります。
 「板橋区人材育成・活用方針」では、全職員に意識してほしい共通理念として、「私たちは、もてなしの心と高い使命感を持ったプロフェッショナルとして区政経営を推進します」というクレド(信条)を掲げております。高い使命感とモチベーションを持った職員が自らを高め、また、ともに高め合っていくことが重要と考えます。区政発展の推進力となる職員一人ひとりが、地域の皆様やさまざまな関係者の方々とのかかわりの中において着実に成長し、これからの板橋区を創造していってほしいと期待をしています。
 次は、東武東上線連続立体化に関連いたしまして、大山駅付近についてのご質問です。
 大山駅付近の鉄道立体化に関しましては、事業候補区間に位置づけられておりまして、現在、東京都により事業範囲や構造形式などの検討がなされております。
 区では、事業候補区間から新規に着工を準備する区間となるよう、駅前広場や交通ネットワークなどのまちづくりの検討を現在進めています。
 また、区では大山駅付近の連続立体交差事業を高架式か、地下式かの構造形式にかかわらず、早期実現を求めていく趣旨の要望書を今月3日に東京都知事あてに提出をいたしました。
 次は、ときわ台から上板橋駅付近についてのご質問です。
 ときわ台から上板橋駅付近が事業候補区間に位置づけられるための主な課題としましては、平成16年に東京都が策定した「踏切対策基本方針」の中において、立体化は「補助244号線の整備計画及び事業実施時期との整合性を図る必要がある」とされております。
 区としましては、この課題への対応として、補助244号線の東武東上線との交差部が平成28年3月に策定されました「東京における都市計画道路の整備方針」においても優先整備路線に位置づけられていることもございまして、整備実現に向けて検討を進めていく考えであります。
 次は、踏切対策についてのご質問です。
 東武東上線の区内全線の立体化は板橋区の悲願でございますが、その実現には多大な費用と時間を要すると考えます。
 そのため、大山駅付近以外の踏切対策については、立体化の実施時期や踏切対策の重要性などを踏まえて、段階的に進めることが必要であるとも考えます。踏切対策を行う上においては、ユニバーサルデザインの視点も踏まえ、特に人と自転車の安全性、利便性を優先して取り組むことが必要であり、事例や広報等を調査し、費用対効果なども考慮した上で鉄道事業者などとも調整を図りながら進めていく考えであります。
 次は、東武東上線と補助第26号線の交差部についてのご質問です。
 鉄道が立体化されるまでの当面の間の交差部の対応として、踏切の安全性や周辺環境について、道路管理者、交通管理者、鉄道事業者等に対策を講じるように求めていきたいと考えます。区といたしましては、関係機関と連携をし、一日も早く大山駅付近の鉄道立体化が実現するよう、まちづくりに取り組んでいきたいと考えています。
 次は、今後の危機管理、防災面の方針についてのご質問であります。
 近年、全国各地で発生した大地震、河川の氾濫、大規模火災等の災害を踏まえて、さらなる災害対策を講じ、区民の生命と財産を守ることが私たちの責務であると考えます。今後は、区民自らが災害に備えることや、いざというときにどう行動するかへの認識も深め、最適な防災行動をとることができる支援の充実を図っていきたいと考えます。
 その上で、災害発生時の支援及び受援体制の具体化や、関係機関との防災協定の実効性向上などに取り組み、区と区民が一体となった安心・安全の体制づくりを推進していきたいと考えています。
 次は、防災訓練における行政の役割についてのご質問です。
 地震のような瞬時に広範囲にわたる被害が発生した場合、行政による対応には限界があり、初期消火、延焼防止、救出・救助など、地域が一体となって果たす役割は大きいものがございます。そのため行政は、自分たちのまちは自分たちで守るという自助・共助の意識醸成と災害時の初期対応について、訓練内容の充実やきめ細やかな指導を通じて支援する責務があると考えます。特にD級ポンプやスタンドパイプの取り扱いにつきましては、今年度作成したマニュアルに基づく実効性の高い防災訓練を実施し、地域の防災力向上を推進していく考えであります。
 次は、救命講習受講優良証交付の経緯と効果についてのご質問であります。
 救命講習受講優良証については、救命講習受講に積極的に取り組み、従業員数の3割以上が救命講習修了者であるなどの要件を備えた事業所等に対して、東京消防庁が交付をするものであります。
 板橋区役所では、区の防災行動力の向上ために、職員に対して救命講習を実施し、全職員の半数以上が修了者であることから、救命講習受講優良証の交付が受けられたものと考えています。この優良証を庁舎に掲示し、来庁者に安心感と行政への信頼感を醸成するとともに、区内事業者の優良証の取得を促し、区内における応急救護能力の向上と自助・共助による地域防災力のさらなるレベルアップを図っていきたいと考えています。
 次は、街頭設置型スタンドパイプについてのご質問です。
 スタンドパイプを街頭設置する地域には、住民防災組織の協力を得ながら新しいマニュアルに基づく訓練を実施していく予定であります。その際には、ヘルメット等の必要な装備を促し、活動者の安全管理について指導していきたいと考えます。
 また、区内には消火栓が約5,000か所ございまして、東京都が災害時に想定している区の断水率は2割弱であることから、多くの地域で街頭スタンドパイプによる初期消火、延焼防止活動が期待されるものと考えます。
 次は、医療連携訓練についてのご質問であります。
 昨年9月24日、帝京大学医学部附属病院の災害訓練に合わせ、医師会など関係団体の協力のもとに38名が参加し、区の緊急医療救護所の設置、運営訓練を実施いたしました。この訓練は緊急医療救護所設置に関する協定書を区と締結をした医療機関が、協定に基づいて実施をした初めての訓練でございましたが、当該病院及び各団体の間で災害時の医療体制構築に向けた意識を高める効果が得られたと考えています。
 一方において、応急救護所内での役割分担が明確でないなどといった課題も幾つか明らかになったために、これらを解決すべく、各団体から引き続き協力をいただきながら災害時の医療体制の構築に向けて取り組んでいきたいと考えています。
 次は、今後の連携体制についてのご質問です。
 医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会と締結をしました災害時の医療救護活動についての協定に基づき、区内15か所の災害拠点病院及び災害拠点連携病院における緊急医療救護所の設置及び運営に係る訓練を順次実施していく予定であります。
 まずは訓練の実施を通じて、病院ごとに病院関係者と各団体の参集者との間で顔の見える関係づくりを行いまして、災害時の医療体制の構築に向けて取り組んでいきたいと考えています。
 最後のご質問であります。
 都市計画上板橋公園事業についてのご質問です。
 都市計画上板橋公園は、広域的な見地から、都市計画上欠かすことのできない重要な施設であり、東京都が施行するものであります。地域の方々が東京都へ提出した要望書につきましては、東京都はその趣旨を踏まえ、事業実施に当たっては権利者の意向を伺った上で丁寧に進める旨を表明していると聞いております。
 要望に対しましては、地域の方々が回答として認識できる形で、対象地域にお住まいの方々の心配や不安が少しでも軽減される十分な説明と丁寧な対応がされますよう、東京都へ引き続き根気強く要望していきたいと考えています。
 残りました教育委員会に関する答弁は教育長から行います。

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●教育長(中川修一君) 議長、教育長。

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●議長(杉田ひろし議員) 教育長。
     〔教育長(中川修一君)登壇〕

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●教育長(中川修一君) 大野はるひこ議員の教育委員会に関する一般質問にお答えします。
 初めに、いじめに関する課題についてのご質問ですが、平成28年6月の調査では、いじめの認知件数については、小学校で135件、中学校で140件であり、昨年度の同時期の調査より小学校で7件、中学校で76件増加しています。
 いじめの認知件数の増加は、法令のいじめの定義に基づき適切に判断した結果であり、いじめを見逃さないという教職員の意識の高まりの1つであると捉えています。
 また、いじめの解消率は、同調査では、小学校で57.8%、中学校で89.3%であり、特に小学校では解決に時間がかかる事案も多い傾向があります。
 今後も、区民と学校が一体となっていじめをさせない、見逃さない、許さないという強い意識を持ち、関係機関と連携しつつ、学校が組織的に早期発見、早期対応できるよう指導を徹底してまいります。
 次に、STARTの対応状況についてのご質問ですが、いじめ問題など緊急性が高い問題や複雑な問題については、指導主事や退職した校長、スクールソーシャルワーカーなどで組織されたSTARTを立ち上げ、その対応について協議し、解決・改善に当たっております。
 また、STARTのメンバーや教育委員会事務局が出席する情報交換会を毎週開催し、保護者や学校、区民から教育総合相談に寄せられるいじめなどの問題について情報共有し、対応に当たっております。今後も、いじめなどの問題について、状況に応じて迅速できめ細かく、また、組織的な対応を継続し解決に当たってまいります。
 次に、部活動の外部指導員制度の効果と影響についてのご質問ですが、地域のスポーツ指導者などの部活動指導員の配置が進むことで、教員の指導経験の有無や教員の異動等の影響が少なくなり、専門的な指導を継続できるなどの効果が期待できます。
 また、教員の負担軽減にもつながり、授業等の学習指導に専念するための時間の確保ができ、教員の指導力向上にもつながると考えます。
 部活動は、現状では学校教育の一環であることから、生活指導面や教育効果などについて、学校と部活動指導員とが十分に連携を図ることが重要であると考えます。
 次に、これからの部活動のあり方についてのご質問ですが、板橋区教育委員会では、文部科学省及び東京都教育委員会における部活動のあり方に関する方向性を踏まえながら、現在、部活動における活動指針の策定に向けて、中学校の教員や中学校PTA連合会などからの意見も聴取し、内容を検討しているところです。
 活動方針では、休養日を設けることや1日の活動時間等の基準を示し、生徒の健全な心と体を培い、豊かな人間性を育むためのバランスのとれた運営と指導ができるよう、国や都に先んじて平成29年度に区立全中学校に提示し、その後、指針に基づき実施していく予定でございます。
 最後のご質問です。
 校務支援システムの効果と手応えについてですが、校務支援システムは、情報共有の推進、校務負担の軽減と効率化、情報セキュリティーの確保を目的に導入し、平成27年度に中学校、平成28年度は小学校において本格運用を開始いたしました。
 平成27年度末に実施した中学校教員対象の活用状況調査では、指導要録や各種名簿の作成に時間がかからなくなったなどの導入効果が上げられています。
 その一方で、校務事務の削減効果を実感できないでいる教員もおり、新しいシステムや変更になった事務作業に不慣れであることが原因だと思われます。
 導入効果があらわれるまでには時間を要すると思われますが、今後も、研修や訪問サポート、ヘルプデスクによる支援体制を充実させ、校務負担の軽減により児童・生徒と向き合う時間を増やしてまいります。
 いただきました教育に関する質問の答弁は以上でございます。

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