板橋区議会議員 自由民主党 山田たかゆき

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一般質問全文

平成28年第1回定例会

1 教育について(教育予算、不登校対策、教育ICT)
2 新中央図書館と教育科学館について 
3 児童相談所について 
4 シティプロモーションと文化財保護について 
5 マンションの適正管理について 
6 その他、行財政課題について 

●山田貴之  それでは、自民党引き続きまして、山田貴之、質問をさせていただきたいと思います。時間も限られてますので、早速まいります。
 まずは、第1項目め、教育ICTについてであります。板橋区教育委員会では、比較的大きな予算、5年間で約9億円という板橋区独自の予算措置をして教育現場に電子黒板等のICT機器を設置してきました。区立全小学校の普通教室、特別支援学級、固定級へ723教室に723セットを導入している現状です。ICT機器のセットの主な内容は、電子黒板、実物投影機、電子黒板操作用パソコンとなっています。平成28年度は、中学校の全教室でも導入を開始し、全国においても公立校全教室に一斉に導入する事例は珍しいということで、区民の皆さんの関心も極めて高いので、板橋区の導入に関する事柄について伺ってまいります。
 ICT機器の導入の背景についてまずは教育委員会に伺います。

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●教育委員会事務局次長
 ICT機器の導入の背景についてでございますが、いたばし学び支援プラン第3期、平成26年度、平成27年度のものでございますが、学校の教育力の向上を最重点課題と位置づけまして、児童・生徒の基礎学力の向上の目標の一つとして掲げております。児童・生徒の基礎学力を向上させるためには、わかる授業に向けた授業改善が急務でありまして、そのためにはICT機器の整備や充実が重要でございます。本区におきまして、平成23年度にユニット型電子黒板を小・中学校に1台配備いたしましたが、全ての授業で活用できるよう、平成27年度から全小学校の全ての普通教室に電子黒板等のICT機器を導入し、魅力あふれる授業を実現していくことといたしました。

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●山田貴之
 導入計画と予算措置についてを引き続き伺います。

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●教育委員会事務局次長
 今の質問で恐縮です。平成27年度は全小学校でございますので、訂正させていただきます。失礼いたしました。
 続きまして、導入計画と予算措置でございます。板橋区ICT化推進計画に基づき、平成27年度に小学校の全ての普通教室及び特別支援学級に電子黒板、実物投影機、操作用パソコン等のICT機器を整備をいたしました。中学校におきましては、これらの機器を平成28年度に整備する予定でございます。また、パソコン教室の機器更新に合わせ、タブレット型パソコンと無線LANを平成28年度に全中学校、平成30年度に全小学校に整備する計画でございます。これらの授業の予算措置でございますが、いたばしNo.1実現プラン2018の計画事業に指定をされておりますので、計画的に整備をしていく予定でございます。

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●山田貴之
 ありがとうございます。それと、教育現場におけるICT機器導入に関する現状の国や都の動向についてを伺います。お願いします。

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●教育委員会事務局次長
 ICT機器導入に関する国・都の動向についてでございます。文部科学省は、平成23年度に教育の情報化ビジョンを、平成25年度に第2期教育振興計画を策定し、教育現場における情報通信技術の利活用、ICT機器導入による教育環境の整備目標を示しております。文部科学省の第2期教育振興計画では、1学級当たり1台の電子黒板、実物投影機の整備、公務用コンピューターの教員1人1台の整備、設置場所を限定しない可動式コンピューター40台の導入等の整備水準が示されており、本区においてもこの水準を満たすべく取り組んでいるところでございます。なお、機器導入に係る経費につきましては、地方交付税措置でございまして、特別区では活用できる補助制度はございません。また、東京都につきましては、特段のこれ以上の計画はございません。

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●山田貴之
 というように、国も文部科学省もこのようにパンフレットを出して、今ご説明のあったとおり、生徒1人当たりの教室にどれくらいのというボリュームは示しているんですけれども、予算措置はない中で、板橋区は積極的にICTの導入を進めてきたというところであります。
 そこで、ICT機器を活用した事業のメリットや意義について見解をお願いします。

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●教育委員会事務局次長
 ICT機器を活用した授業のメリットや意義についてでございますが、電子黒板等のICT機器を活用することで、例えば算数では立体図形を画面上で動かして体積の求め方を考えさせたり、子どもが、与えた解き方を複数提示して比較したりすることができます。児童・生徒にとって、わかる楽しい授業は、学習課題への興味、関心を高め、主体的に学ぶ姿勢を育むことにつながると考えております。電子黒板等のICT機器を効果的に活用することにより、教える授業からみずから学ぶ授業への転換を図ることができると考えております。

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●山田貴之
 私も、視察を幾つかさせていただきました。板橋第八小学校と緑小学校と中台中学校と、授業の視察、見学をしてまいりました。そうした中で、小学校普通級の電子黒板等のICT機器を使った授業について、保護者や児童からの評価や感想について、教育委員会としてはどのように把握しているか教えてください。

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●教育委員会事務局次長
 保護者や児童の評価についてでございますが、学校の現場を視察していただきましてありがとうございます。電子黒板等のICT機器を活用したり、授業では動植物や地図などの教材を拡大したり、図形を移動、回転させたりして学習することができるため、児童の興味、関心は高くなり、集中して取り組む様子が多く見られます。
 また、保護者には土曜授業プラン等において、電子黒板など、ICT機器を活用した授業を公開しておりまして、意欲的に学習に取り組む子どもたちの姿から、授業が変わった、授業がわかりやすく、子どもたちが楽しそうなどと高い評価を得ているところでございます。

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●山田貴之
 ありがとうございます。私も、保護者の方からいろいろお話を伺いますと、やっぱり非常に高い集中力でICT機器を使っている時間帯、勉強ができているということを保護者の方からも伺いましたし、また児童の皆さんからも、子どもたちからも非常におもしろいということを率直な意見として受けていますので、非常に肌感覚としてはいい導入をされたかなというふうに思っています。
 そこでですけれども、やはり新しい機器でありますので、私もそうですけれども、これまでずっと黒板の板書型の授業を受けておりましたので、若干のやはり戸惑いもあります。新しいものに対する戸惑いというのは必ず生まれるものでありますけれども、導入の当初でありますので、初めでありますので、やはり子どもたちの変化というのを細かに見ていかなければいけない、どういうような影響を与えているかというのを見ていかなければいけない、そして分析や研究をしていかなければいけないというふうに思っていまして、それでお伺いをしますけれども、子どもたちの板書ノートや受け取り方にどのような変化をもたらせているか現状の把握をされているかを教えてください。

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●教育委員会事務局次長
 板書ノートの変化についてでございますが、電子黒板などのICT機器の導入によりまして、児童が書いたノートを映し出して、学級全体で学びを共有したり、電子ペンで画面に書き込んで、学習のポイントを強調したりするなど、これまで以上に楽しくわかる授業を展開しております。小学校に導入された電子黒板は可動式であるので、従来の黒板と電子黒板の両方を効果的に使った授業が展開をされておりますが、児童がノートに書く場面については今までどおり設定をされているところでございます。
 電子黒板などICT機器が児童・生徒に対して効果的に使用されているか、教育委員会による学校訪問により把握をしていくとともに、児童・生徒の意識や学習効果などを把握し、板書やノートのとり方などについても検討をしていきたいと考えております。

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●山田貴之
 ぜひ、ここ本当に一、二年注力して見ていかなければいけないというふうに思っていますので、そのとおりしていただければと思います。
 さらに、引き続き伺いますが、現場教員の評価はいかがでしょうか。教えてください。

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●教育委員会事務局次長
 教員の評価についてでございますが、今年度電子黒板等のICT機器を小学校の全ての普通教室と特別支援学級に導入したことによりまして、教員からは使用するための準備が容易になり、授業の使いたい場面で使用できるとの声が上がっております。教育委員会といたしましても、実際の授業を見る機会を多く設定し、児童・生徒への教育効果を把握するとともに、アンケート等により教員の声を聞き、ICT機器をさらに効果的に使い、今まで以上に授業改善を進めていく考えでございます。

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●山田貴之
 ICT機器はツールでありますので、教員の皆さんが選択をされて使用するということであります。使えば授業の質も大きく変える力があるというふうに思っておりますので、特に現場の声、そして保護者、児童の声をしっかりと受けとめて改善を行っていただきたいと思います。
 引き続き伺います。機器導入による学力向上についての効果測定はどのように行うことが可能であるか、お伺いします。

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●教育委員会事務局次長
 ICT機器導入による学力向上の効果測定についてでございますが、各学校では学力向上に向けてさまざまな取り組みを行っておりまして、成果をICT機器導入による効果であると限定することは難しいのではないかと考えております。しかしながら、ICT機器の活用による成果は、教員や保護者の声としては上げられておりまして、より客観的な効果測定が求められております。現在、どのような方法が適切であるかを検討しておりますが、教員を対象としたICT機器の活用状況調査や児童・生徒を対象としたアンケート調査などにより、客観的に把握をしていきたいと考えております。

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●山田貴之
 活用の状況も当然把握しながら、テストの点だけでは少し効果測定としてはもったいないと思いますので、アンケート等を活用して総合的な判断をしていただきたいと思います。新しいツールでありますので、引き続き教育委員会としては、ぜひ話だけではなくて、教室に足を運んで動向に注目をしていただきたいということを要望したいと思います。
 私自身視察で感じたことは、例えば45分の授業の中で、限られた時間の視察でありましたけれども、その視察の中で、全部の時間、電子黒板というものは使われません。その中の一部、5分だったり、10分だったり、私が伺った20分の間に5分、20分の間に10分、私が電子黒板の視察をしますということで伺っても、程度としてはその程度の時間でありました。ただ、一方でやはり5年間という一応リースの契約の期間があって、さらにそこから単年度の契約をしていくにしても、機器というのはやはりだんだん古くなっていきます。
 そうしたことを考えると、やはりこの単年度のうちにできる限り多くの試行錯誤しながら使っていただくように、板橋区としてはやはり応援をしていくべきだというふうに思っています。区としての利用が進むための取り組みを強化していくべきだというふうに考えますけれども、教員がツールとして使いこなせるようにするための支援員派遣や研修機会を十分に設けられているか、現状と今後の計画を伺います。

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●教育委員会事務局次長
 支援員の派遣や研修機会への確保についてでございます。ICT機器の導入に当たりまして、平成27年度に効果的な活用についての実践研修を各休養期間中に全20回、743名の教員が受講しておりまして、その研修は平成28年度も継続して実施し、全教員が受講できるようにしているところでございます。
 また、今年度の電子黒板等の導入時には、各学校で操作研修を行うとともに、区内5地区でございますが、地区ごとにより効果的に活用するための研修を5回行ったところでございます。平成28年度以降につきましては、研修に加えて、ICT支援員が各学校を訪問し、授業におけるICT活用の方策などのアドバイスや実際の操作講習なども行い、授業支援に当たる計画でございます。

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●山田貴之
 研修機会、十分につくっていただきたいというふうに思います。それと、やはり現場の先生はどんどん使われる方は新しい使い方というのを開発しておられる現状があるかと思いますので、活用事例の情報共有について伺います。学校間、教員間での情報共有がされることが望ましいと思います。どのように行うことができるかお答えください。

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●教育委員会事務局次長
 活用事例の情報共有についてでございますが、今年度から公務支援システムを導入したことに伴いまして、学校内、または学校間で共有できる共有フォルダを新設をいたしました。共有フォルダ内には、各学校の授業等において使用した学習指導案や各教科の教材等の電子データを格納した教育データベースを整備する計画でございます。
 今後、国語や算数、数学などの教材を含め、より一層学習指導案等の蓄積を行うとともに、これらを効果的に活用することにより、授業の質の向上を図り、確かな学力の定着を目指してまいります。

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●山田貴之
 こちらの写真は、書画カメラを使って子どもたちが算数の授業を行っている板八小学校の様子ですね。現在、デジタル教科書は算数しか導入されていません。中学校においても、数学だけが全校導入されると伺いました。ほかの教科のデジタル教科書の導入も今後進めていくべきだというふうに考えますが、数学や算数だけの理由とデジタル教科書導入の課題について伺います。

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●教育委員会事務局次長
 デジタル教科書の導入についてでございます。デジタル教科書は、児童・生徒が使用する教科書を拡大して見られるだけではなく、図形を動かすなどの操作を加えることができる魅力的な教材でございます。
 デジタル教科書の複数教科の導入につきましては、多額の経費を要することから、一般的に学習効果が高いと評価をされております小学校算数科と中学校数学科において、先行導入することとしたものでございます。デジタル教科書の導入に当たっての課題は、全校へ導入した場合、経費が多額になることに加えまして、教科書出版会社において、それぞれ開発が進められている段階であるということも課題と考えてございます。

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●山田貴之
 本当に始まったばかりのデジタル教科書ということで、その教科書のレベルもついてきていない教科書があったりですとか、じゃ、そのデジタル教科書の選定についてはどのように考えていくかっていうことも評価基準というものが今のところはないということ、そして今加えてコストも非常にかかるということで、なかなか大変であります。
 こちらの先生は、独自に国語の、本当にITに詳しい先生だということですけれども、国語の授業を独自につくった教科書的なものを活用してこのように教室で授業をされています。画面ちょっと映ってなくて残念なんですけれども。
 ただ、授業用のやはり教科書がないということは、データの立案作成から始めなければいけないということで、不得意な先生はますます使いづらいと、全く授業で電子黒板を活用しないというケースも現状あるというふうに思います。デジタル教科書レベルが見合ったものである教科書に関しては、ぜひ購入を積極的にしていくべきだというふうに考えています。そこで、いたばし応援基金の活用をしてはどうかというふうに考えますが、板橋区がいたばし応援基金で想定する活用方法というものを教えてください。

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●政策経営部長
 いたばし応援基金につきましては、寄付される区民などの方々が、区の新たな基本構想で掲げます9つのまちづくりビジョンの政策分野の中から使途を選べる寄付制度を創設し、その寄付金を受け入れるため、受け皿となる専用の基金として設けたものでございます。この基金は、寄付者からいただいた浄財が区政どの部分に反映されたのかを明示することにより、基本構想を初めとする区政への関心を高めますとともに、区政への参加意識の醸成、区民による基本構想の共有化を図ることを目的としております。
 また、基金の活用方法につきましては、原則として積み立てた年度の翌々年度までに当該政策分野に含まれる事業に充当したいと考えておりまして、充当事業の決定に当たりましては、当該政策分野を所管する部と協議を行った上で決めることとしております。協議に際しましては、財政規律を踏まえながらも、どの事業に充当したいかという所管部、本件の場合は教育委員会事務局でございますけども、そちらの意向を最大限尊重したいと考えております。

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●山田貴之
 ICT機器を平成28年度も、全中学校、教室で導入をして、小・中学校で運用を開始していくということですから、最大限の実施効果にするためにも必要な措置を講じていただきたいというふうに思います。ICT支援員の増員、各レベルの研修会の開催強化、複数のデジタル教科書の一括購入など、活用意欲のある先生や生徒・児童にさらに支援体制の整備が必要だと思います。強化を求めますが、いたばし応援基金での拡充も含めて、教育委員会としては考えはどうかお伺いします。

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●教育委員会事務局次長
 教育委員会としてのいたばし応援基金の活用についてでございます。ご説明をいたしましたように、ICT化が進んでいるところでございます。また、デジタル教科書についてもご指摘をいただいたところでございまして、今後他の教科に拡大をしていくということも課題となっております。デジタル教科書の整備に関しましては、今後とも計画的に整備をしていきたいと思っておりますし、IT化についてもそのように考えてございます。
 いたばし応援基金の活用に関しましては、寄付のあった年度の翌年度にその時々における重点的に取り組むべき課題の対応を中心に、教育委員会からの意見をもとに、財政当局と協議を行い、決定していくものと考えております。委員ご提案のいたばし応援基金を活用した教育ICT化の推進につきましては、財政状況が許す限り一般財源により事業の充実に取り組んでいくべきと考えているところでございます。

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●委員長
 山田貴之委員の総括質問の途中でありますが、議事運営の都合上、暫時休憩いたします。
 なお、委員会の再開時刻は午後1時10分といたします。
休憩時刻 午後零時05分
再開時刻 午後1時08分

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●委員長
 休憩前に引き続き、予算審査特別委員会を再開いたします。
 山田貴之委員の総括質問を続けます。

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●山田貴之
 引き続き、午後もよろしくお願いいたします。
 まだ少し、教育においてのICT、進めていきたいと思います。
 午前中るる質問させていただきましたけれども、改めてICT機器の活用意欲のある先生、生徒・児童にさらなる支援体制の整備が本当に必要だというふうに思っています。強化を求めたいと思いますけれども、その点について教育委員会のご意見をお願いします。

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●教育委員会事務局次長
 教育ICT活用事業の推進についてのご質問でございます。
 教育用ICT機器を活用するため、平成28年度に新たに取り組む内容といたしまして、ICT支援員による各学校への訪問指導を、1校当たり小学校で年5回、中学校で月平均4回訪問支援を行い、教育用ICT実践研修を20回実施するとともに、コールセンターを設置し、随時相談に応じていくなどによりまして、ICT活用推進事業を大幅に拡充していく予定でございます。
 さらに、デジタル教科書の整備につきましては、算数・数学から一斉配備しているところでございますが、学校ごとの希望に応じて、国語、社会等のデジタル教科書を先行導入してきている学校もございます。
 今後の整備に関しましては、計画的に整備をしていきたいと考えているところでございます。

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●山田貴之
 続いて、長野県上田市立の小学校では、学習障害、ディスレクシアの支援として、タブレット端末の導入が非常に成果を上げているという話であります。新聞の記事によりますと、文部科学省の12年の調査では、学習障害が疑われる子どもは全体の4.5%、約50万人いらっしゃるということで、このディスレクシアというのは読み書きにおいての障害になりますが、文字が左右反転に見えたり、文字のある場所がわからなかったりすると。ここにデジタル教科書を導入することで、この新聞記事の報道によると、今までテストでずっと点数が悪かった子が80点をとれるようにまで授業についていけることができた、大変自信にもなったということが記事として紹介をされています。
 板橋区もぜひこのICT化の中で導入をしていただきたいというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

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●教育委員会事務局次長
 学習障害支援についてのご質問でございます。
 現在、パソコン教室にあるデスクトップ型パソコンの更新に伴いまして、平成28年度には中学校全校、平成30年度は小学校全校にタブレット型パソコンを導入する予定でございます。タブレット型パソコンは、学習障害等の障害の状態や発達の段階等に応じて活用することにより、学習上の困難を改善・克服し、指導の効果を高めることができる有効なツールでございます。今後、各学校に導入されるタブレット型パソコンを、特別な支援を必要とする児童・生徒が効果的に活用することができるよう検討を進めてまいります。

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●山田貴之
 検討をしっかり進めていただきたいと思います。そして、導入をしていただきたいというふうに要望します。
 続いて、アクティブ・ラーニングについて少し伺います。
 アクティブ・ラーニングは板橋区の学び支援プランにも明記され、授業スタンダードとなるとされています。なぜ今、ちまたでもアクティブ・ラーニングよく耳にするようになりましたけれども、このアクティブ・ラーニングという言葉を板橋区でも採用し、実践しようとしているのか伺います。

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●教育委員会事務局次長
 アクティブ・ラーニングについてのご質問でございます。
 アクティブ・ラーニングとは、教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称でございます。文部科学省が課題の発見・解決に向けた主体的・協同的な学びとしているアクティブ・ラーニングは、これまでも区立小・中学校の授業の中で問題解決型の学習や、協同学習などとして既に行われてきた取り組みでございます。
 本区では、区立学校の全教員の共通実践事項として授業の基本的な流れを示した、板橋区授業スタンダードを定め、その中で、特に子どもたちの思考力、判断力、表現力等を高める授業を行うために、アクティブ・ラーニングを効果的に導入して、主体的・協同的な学習を推進していくことを目指しております。

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●山田貴之
 いたばし教育チャンネル、2016年3月号に「アクティブ・ラーニングってなーに?」というコラムがありまして、友達と話し合ったときの知識等の定着率は50%、体験をしたときは75%、人に教えたときは90%というふうに言われていて、児童・生徒が協同的・能動的に学んだときには非常に高い定着率が見られますという研究の報告がここにちょっと載っています。
 これからもアクティブ・ラーニングは進められていくべきというふうに思っていますし、ただ、名称として今日少し変わってきてアクティブ・ラーニングが用いられているということもあろうかと思いますけれども、板橋区としてはICT機器を活用し、アクティブ・ラーニングをどのように推進していく方針であるか、見解を伺います。

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●教育委員会事務局次長
 ICT機器を活用したアクティブ・ラーニングについてでございますが、区立小・中学校では、整備を進めている電子黒板や実物投影機などの授業用ICT機器やデジタル教材を全ての教員が活用することで、わかる・できる・楽しい授業づくりを推進しております。例えば、授業の導入でICT機器を活用することによって児童・生徒の学習意欲を高め、学習の見通しを持たせて主体的な取り組みを促したり、話し合う場面でICT機器を活用することによって他の児童・生徒の考え方から学び、自分の思考を深めたりすることができると考えております。
 平成28年度には区立中学校全校へのICT機器の導入が完了することから、写真等の資料の提示や動画の視聴、電子黒板での資料の操作など、十分にICT機器を活用し、授業においてアクティブ・ラーニングを推進していく考えでございます。

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●山田貴之
 そこで、やはり資料を積極的に使おうと思っていけば、教室の環境がインターネットにつながっているということが非常に重要になってくると思うんですけれども、学校によっては通信に不都合があるところがあるというふうに聞いています。現状の把握と改善を求めますが、実施できるかどうかお考えをお伺いします。

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●政策経営部長
 インターネットに係る通信環境についてのお尋ねでございますが、学校の授業におけますインターネットの利用につきましては、電子黒板の使用あるいはアクティブ・ラーニングの推進などによりまして、今後ますます広がっていくものと認識しております。インターネットの接続を不安定にしている要員といたしましては、ネットワークの使用状況や端末に起因する問題あるいはコンテンツを公開している側の問題など、さまざまなことが考えられます。今後、教育委員会事務局と連携しながら、インターネット回線の利用状況の推移を把握するとともに、インターネット接続を不安定にしている要因の調査を続けまして、適切に対応してまいりたいと考えております。

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●山田貴之
 NHKでは、NHK for Schoolというアクティブ・ラーニングを助けるプログラムも用意がされています。そういうインターネットの環境が整えば、デジタル教科書に頼らなくともかわりに活用できるコンテンツが飛躍的にふえます。ぜひ改善をしていただきたいと思います。
 あわせて、やはり大事になってくるのは、ICT化を進めていく上でメディア・リテラシーになっていきますし、SNSでの活用ルールなども子どもたちや保護者に教育をしていく必要があります。メディア・リテラシーを進めていただきたいと思いますけれども、板橋区の見解をお願いします。

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●教育委員会事務局次長
 メディア・リテラシーについてでございますが、これまでメディア・リテラシーの推進につきましては、各教科等の指導の中で実施したり、セーフティ教室などの実施を通して情報モラルの育成を図ったりしているところでございます。区立学校におきましては、平成27、28年度に電子黒板等の授業用ICT機器が整備されることから、ICT機器を用いた授業等の機会がさらに増加していくことが考えられます。今後は、インターネットを使った調べ学習など、ICT機器を用いるさまざまな場面で情報を読み解く力、必要な情報を取捨選択する力や適切に発信する力、そして情報モラルを育成し、本区でのメディア・リテラシーを推進していく考えでございます。

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●山田貴之
 ありがとうございました。
 テクノロジーを活用して、ぜひ教育現場にイノベーションを起こしていただきたいと要望しまして、この項を終えます。ありがとうございました。
 続きまして、社会教育サービスの向上とICTということで、しつこくICTについてまた取り上げていきたいというふうに思います。
 板橋区は、区民の学ぶ機会を提供する社会教育に役立つ施設を多く保有します。プラネタリウムのある教育科学館、世界に名を知られる冒険家の植村冒険館、板橋の歴史資料を収蔵・展示する郷土資料館、身近に、アートに触れる機会を提供する板橋区立美術館などなど数多くあります。
 そこで、板橋区が社会教育に貢献する施設の重要性と位置づけについて、教育委員会はどのように考えているかお尋ねします。

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●教育委員会事務局次長
 社会教育関連施設の位置づけについてでございますが、社会教育法では社会教育の普及・啓発に資するための施設を設置し、文化的教養を高められるような環境を醸成するよう努め、さまざまな学習機会の提供を行うこととされているところでございます。これらの社会教育に結びつく施設は、区と区民の接点であるとともに、文化、教養、健康増進など、区民の多種多様な要望に対していくことができる重要な施設であると認識しております。

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●山田貴之
 これらの今ご説明があった施設を活用して、さまざまなイベントや企画展が区内では行われています。しかし、対象とする区民に十分に伝わっていないのではないかと多くの方が感じるところであります。現状の周知方法と課題について伺います。

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●教育委員会事務局次長
 社会教育事業の周知方法と課題についてでございますが、各施設でイベントを実施する際には、区ホームページ、広報いたばしで周知するほか、それぞれの施設でのポスターなどの掲示物による周知が中心となっているところでございます。また、事業の内容によっては回覧板、区の掲示板、ツイッター、フェイスブックを活用した情報提供も行っております。さらに、区ではイベント情報をマスメディアにも提供しており、新聞報道やテレビ取材を受ける場面もございます。
 これらの情報については、必要とする区民や参加を希望する方に対して、あまねく伝えるということが難しいという点が課題となっていると認識しております。

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●山田貴之
 ツイッターとかフェイスブックですとかSNSも活用して、新しいテクノロジーも導入しながらということなんですけれども、例えば、これは提案でありますけれども、社会教育的な観点で実施されている区内事業、イベントのこういった情報を、各館でスポットCMあるいはスポット画像でも構わないです、を作成したりして、ポスターなんかもありますのでそれでも構わないです。作成して、中学校・小学校の空き時間に電子黒板を使って映像を流しておく。こういうことが実現可能性があるかどうかを伺いたいと思います。

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●教育委員会事務局次長
 学校での社会教育施設のスポットCMについてでございますが、各施設でのイベント情報や施設の案内をCMのように映像や動画、プレゼンテーションソフト等で作成することについては、技術的には可能であると考えております。
 しかし、施設などで作成した映像や動画をデータを受信しながら再生することは、通信回線の容量等の制限により、実施が難しいのが現状でございまして、ダウンロードしたデータをそれぞれの機器に転送するなど、各学校での個別的対応がさらに必要となると考えております。また、学校の授業の合間でそれぞれの情報をどのように活用できるかという運用面の課題もございますので、通信回線などのハード面や現場の運用状況も勘案しながら研究していく課題であると考えております。

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●山田貴之
 新しいテクノロジーが導入されましたので、それをどのように活用することができるのかという視点に立って、サービスの提供を図っていただきたいというふうに思います。
 さらに、提案をしてまいりたいと思いますけれども、今度はサービスに関する要望でありますが、区内の社会教育施設は、特にふだんは学校があって開館時間に行くことができない子どもたちが多くいます。夏休みのイベントは特に充実を図るべきというふうに考えます。現状の取り組みと今後の方針についてお尋ねします。

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●教育委員会事務局次長
 夏休み中の事業の取り組み状況と今後の方針についてでございますが、教育科学館の取り組みといたしまして、学研科学創造研究所の所長でテレビなどでも活躍している湯本博文名誉館長によるサイエンスショーのほか、プラネタリウム特別番組の上映、夏休みに子どもたちが科学に関する実験や観察の結果をまとめた自由研究作品展を実施してございます。また、夏休みを利用してエコポリスセンター、教育科学館、熱帯環境植物館、リサイクルプラザの4館の共同によるスランプラリーを実施し、それぞれの施設を定期的に結ぶ無料の4館送迎バスも運行し、さらに8月に4館にちなんだ、ものしり博士クイズ大会を実施しているところでございます。
 今後は、夏休みの宿題の自由研究などのヒントとなるような学習支援事業についても企画をするほか、ロボットのプログラミング教室など、次年度導入予定でございますが、新規事業も展開をして、夏休みの事業の充実を図っていきたいと考えております。

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●山田貴之
 集中と選択ということでいえば、特にやはり夏休み、休みですね、学校が休みのときに対象とする子どもたちに対して集中的に効果的なイベント・企画を打ってほしいというふうに要望します。
 教育現場でICT化やアクティブ・ラーニングという取り組みが進んでいくと、社会教育施設はさらに持っている資料の提供を、私は進めていくべきだというふうに思います。デバイス機能の充実も大変大事です。インターネットの環境が整っていれば、教室で資料が求められたときに提供することが可能ですし、具体的に申し上げますと、例えば公文書館の収蔵している動画や画像をインターネットで閲覧できるようにしておけば、いつでも教室で活用することができます。板橋区の歴史を調べる授業の質が、私は高まっていくと思います。
 全庁的に進めているICT化ですが、機器が大量に導入されていて、明らかに一つのICTとしての中心が教育現場にできました。小学校が723セット、来年度は中学校に273セット、合計996セットが平成28年度に設置済みとなります。今後、教育的価値の高い資料、映像、画像資料、紙資料が教育現場においてICT機器を最大限に活用し、これらの資料を有効に活用していくべきだというふうに考えますがいかがでしょうか。

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●教育委員会事務局次長
 映像や動画の活用についてでございますが、区で所蔵している歴史的な資料の中には、著作権や版権、肖像権などの課題を含むものもありまして、教育目的であっても許可が必要であると考えております。区で保有しているさまざまな資料につきましては、歴史的価値が高いものや教育的効果が高いものも数多くございます。著作権を初めとするそれぞれの課題を整理した上で、目的外利用の制限や電子情報の流出防止にも配慮しながら、使用方法を研究していく必要があると考えております。これらの資料を教材として活用することができるようになれば、授業における理解度も高まると考えておりますので、対応については研究していく考えでございます。

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●山田貴之
 それでは、具体的にお答えいただきたいと思うんですけれども、学校現場で世界的冒険家である植村直己さんの資料を活用した授業をしてみてはいかがかと思います。植村冒険館にはさまざまな映像資料が収蔵されております。大人になっても夢を持って目標に突き進む植村さんの姿を見て学ぶことは、同じ板橋区民として必ず誇りになるというふうに思います。課題は、先ほど申しましたように著作権とかいろいろあるかと思いますけれども、カリキュラムを実現することは可能でしょうか。

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●教育委員会事務局次長
 植村直己さんの資料を活用した授業についてでございますが、世界初の5大陸最高峰登頂を達成した冒険家の植村直己さんは、昭和59年にマッキンリーで遭難するまでの15年間、板橋区に住み、板橋から歴史に残る冒険へ出発した人物でございます。このような板橋区の偉人を授業で扱うことは大変価値があると考えております。
 中学校では、板橋区独自の社会科副読本、「わたしたちの板橋」におきまして、板橋区にゆかりのある人々として、主な冒険の足跡や植村冒険館の写真が紹介されており、既に社会科の授業で取り扱っているところでございます。これに加えまして、板橋区立少年自然の家八ヶ岳荘には、植村冒険館から借り受けた資料が展示されたコーナーがございまして、全ての区立中学校の生徒と初任者の教員がこの展示を見て学んでいるところでございますので、活用について図っているところでございます。

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●山田貴之
 植村さんの偉業を伝えるのは、これは板橋区の責任であると思いますし、未来の子どもたちにぜひこの偉業というのをしっかり伝えていけるような教養を身につけていただきたいなというふうに思っています。
 もう一つ具体的に伺います。
 郷土資料館の資料のデータ化が進められているというふうに伺いますが、これらの資料も教育現場で活用できるように行っていただきたいと思いますが、検討できますでしょうか。

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●教育委員会事務局次長
 郷土資料館の映像や動画の活用についてでございますが、郷土資料館につきましては、平成28年4月から教育委員会が所管することとなっております。郷土資料館で所蔵している資料のデータ化につきましては、計画的に取り組んでいるところでございますが、全てデータ化するにはまだ相当の期間を要するということで、その後、一般の利用に供するようなシステムをつくっていくというふうに伺っております。データの公開後、内容を確認し、小・中学校の各教科等において活用できるかについて、検討していきたいと考えております。

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●山田貴之
 具体的に伺うと一つひとつの所管の方が答えてくださるんですけれども、教育現場でこれだけICT化が進んでいるので、もうどの社会教育施設も全て教育現場に向かなければ、私はいけないというふうに思っていますので、ぜひお願いします。
 社会教育施設へのICT機器の積極的な導入も検討するべきだというふうに思っています。新中央図書館でありますけれども、来館者が利用できるようにICT機器を導入できますでしょうか、お答えをお願いします。

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●教育委員会事務局次長
 新たな中央図書館へのICT機器の導入方針についてでございます。
 中央図書館基本構想(案)では、新たな中央図書館は積極的にICT化を進め、利用者の利便性の向上と管理運営の効率化に資するよう、自動貸し出し機、ICタグによる蔵書管理などを行うことを検討することとしております。また、オンラインデータサービスの活用や国会図書館等のデジタル資料等の多様な情報が入手できるよう、情報検索用端末の設置や公衆無線LANの導入など、インターネット環境の整備を進めることとしているところでございます。
 ICT機器についての具体的な学校との連携について、今後、新たな中央図書館の開設に向け、検討を進めていく考えでございまして、ICT機器の積極的な導入についてさらに検討を進めていきたいと思っております。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 社会教育施設のあらゆる資料の活用が進むことを、教育現場や社会教育施設自体で進むことを期待して次の項に移りたいと思います。ありがとうございました。
 3つ目ですね、緑と文化の輝く公園と施設づくりについて伺います。
 魅力や文化を発信する多様なスペースが現在計画されています。魅力発信、板橋らしさのブランディング、施設の適正配置という点を十分に検討する必要があります。相乗効果の高い施設配置を行っていくためにはマネジメントが必要でありますが、区の考えを伺います。

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●政策経営部長
 公共施設等の整備に関するマスタープランに関する個別整備計画、こちらにおきましては、集約・複合化の推進に関する基本的な考え方といたしまして、公共施設の総量を抑制しつつも、集約・複合化による多機能化を図った公共施設の再編整備を進めることによりまして、魅力の創造と行政サービスの維持向上を目指すこととしております。
 集約・複合化によりまして、一つの建物内で提供するサービスを多機能化することで、行政サービスの利便性向上、さらなる地域交流や世代間交流を促すとともに、施策横断的な相乗効果を生み出し、にぎわいの創出や地域の活性化につなげていこうという考え方でございます。
 また、老朽化した施設を更新するに当たりましては、周辺の市街地のリニューアルに合わせまして、老朽化した施設を更新し、まちの魅力発信力を高められないか、あるいは集客力の高い施設の更新を先導して行うことにより、周辺市街地のまちづくりを促進する起爆剤としての効果を発揮できないか、さらには施設更新に合わせて、駅周辺や商店街といったエリアを中心に集客力のある施設等を配置することによって、まちづくりの拠点整備の効果を高められないかといった、魅力創造の観点からも検討していくことが重要と考えているところでございます。魅力創造発信都市と安心安全環境都市の2つの都市像を具現化した、安心・安全で魅力ある施設づくりを推進してまいりたいと考えております。

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●山田貴之
 坂本健区長はこれからの板橋区の基本構想として、おおむね10年後の区の将来像を、「未来をはぐくむ緑と文化のかがやくまち“板橋”」というふうに策定をされました。これはこのように区民の皆さんにも広く周知をされていらっしゃいます。緑と文化の輝くまちとして、新中央図書館の整備については、その象徴施設ということがこのところ耳にされますが、私はそのとおりだというふうに思います。
 しかし、ほかにも、例えば郷土資料館と美術館と溜池公園、近代化遺産と史跡公園も整備を今、しようとしていますけれども、これもそうです。緑というものが象徴しているのは緑色だけではありません、梅や桜もその象徴に含まれていると思いますけれども、それが見事な見ごろのある文化施設になり得ます。また、植村直己さんの新施設も東板橋体育館と加賀西公園、これが隣接をしていまして、この象徴施設になり得ます。植栽に、例えば植村さんゆかりの樹木を記念樹木として育てていく取り組みということを、例えば行えば、この板橋区が今、目指している未来像に各施設が、例えば近づいていくんではないかというふうに思っています。
 緑と文化が輝くまちにこだわった、魅力が伝わる、足を運んでみたくなる施設整備をするべきだというふうに考えています。複数の社会教育施設が移設、移転、新設などを迎えている今は絶好の、私は機会だというふうに思います。改築や移転などが予定されている施設と公園のあり方を考えて、コラボレーションさせることで、魅力は施設だけじゃなくて面となって広がっていくというふうに思います。施設単体で集客に努めて苦労していますが、緑と文化が輝くように魅力的な施設整備をしてはどうでしょうか。ご意見をお願いします。

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●政策経営部長
 公共施設の改築、大規模改修などを検討するに当たりましては、施設単体の更新だけはなく、周辺施設の更新もあわせて実施することで効率化を図ることができないか検討することが重要でございまして、公園等の周辺環境を生かした更新につきましても、集約・複合化による維持管理コストの節減といった効率化はもとより、多機能化によるサービス向上の可能性、あるいは多様な交流によるコミュニティの活性化、施設周辺のアメニティ、景観の向上などといった魅力創造の観点からもあわせて検討していきたいと考えております。施設の機能転換や集約・複合化により、施設総量を抑制しながらも、施設の魅力と質をさらに充実させ、効率的・効果的なサービス提供などにより、時代の要請に対応した安心・安全で魅力ある施設づくりを進めてまいりたいと考えております。

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●山田貴之
 どの文化的な施設、社会教育施設に行っても、この未来像が感じられるような施設整備をお願いしたいと思います。
 計画がある施設を中心に伺います。美術館はどのような改修が検討をされているかお答え願います。

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●区民文化部長
 美術館でございます。
 改修の方針として、3つを掲げているところでございます。
 1つは、美術品の展示・保存する施設としての整備。それから、来客に優しい施設としての整備。それから、魅力ある美術館としての整備でございます。詳細につきましては、これから設計に入り詰めていくところでございますけれども、改修によりまして美術館の魅力を今後ますます高めてまいりたいと考えているところでございます。

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●山田貴之
 美術館の今、お話しいただいたように大規模改修があって、ただ同じ敷地、近い敷地にある郷土資料館は所管する課が変わります。同じ敷地にある施設として、どのように連携を深めて魅力を発信していけるか伺います。

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●区民文化部長
 美術館と郷土資料館でございますけれども、これまでも文化施設としてさまざまな事業連携を図ってきたところでございます。毎年の赤塚梅まつりでは、郷土資料館は赤塚城戦国絵巻武者行列と古武道演武を実施しまして、美術館では企画展を実施しております。両館とも赤塚梅まつり実行委員会に参加をしておりまして、赤塚溜池公園を挟みながら双方で事業連携を行っているところでございます。
 また、今年度は区政会館で赤塚さんぽと題した、美術館や郷土資料館などの魅力をPRした展示も連携をして行ったところでございます。来年度からは、郷土資料館は教育委員会の所管になりますけれども、今までどおり変わらず連携をとりながら魅力発信に努めてまいりたいと考えています。

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●山田貴之
 ありがとうございます。お願いします。
 続いて、近代化遺産としての史跡公園整備についてですけれども、これは区長の一押し事業になっています。また、旧粕谷住宅の改修工事もあわせて進んでいきます。これらの施設の魅力をしっかりと発信していくことが求められますが、どのような方向性を持っているのか伺います。

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●教育委員会事務局次長
 近代化遺産などの魅力発信についてでございますが、まず野口研究所は江戸時代からの金沢市とのつながりに始まり、平和の大切さや近代化遺産の価値を示しながら、明治から昭和にかけての移り変わりなどを発信していく考えであり、旧理化学研究所ではノーベル物理学賞受賞者の湯川、朝永両博士の偉業をたたえるとともに、工学・物理学の発展を情報発信していく予定でございます。また、都内でも希少な江戸時代の古民家であります旧粕谷家につきましては、現在、当時の姿への修復作業を進めておりまして、平成29年3月末の完成を目指しているところでございます。
 これらの史跡や文化財については、今後、東京都の文化財ウィークやいたばし文化財ふれあいウィークを活用し区内外に発信するほか、観光いたばしガイドマップや板橋区文化財マップによる案内、史跡散歩や文化財講座などを実施して、区民はもとより、区民以外の方にも親しんでいただけるよう、板橋区の重要な歴史遺産といたしまして、魅力発信と周知に努めていきたいと考えております。

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●山田貴之
 続いて、植村冒険館の話に移ります。
 体育館へ移設される計画であります。魅力を発信するために植村直己さんのお名前は大切にしなければならないと申し上げてきましたけれども、新植村冒険館の名称についてですが、くどいようですが植村直己とフルネームで施設名称に入れることを申し上げてきました。ぜひ実現をしてください。いかがでしょうか。

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●区民文化部長
 植村冒険館でございますけれども、現在、日本には3か所植村冒険館がございます。板橋区は植村冒険館、それから豊岡市が植村直己冒険館、帯広市が植村直己記念館、氷雪の家とネーミングをされているところでございます。来場者が混乱しないように、各施設とも調整をしながら東板橋体育館への移転に合わせ、偉大な冒険家、植村直己氏が板橋区に暮らし、板橋区から冒険に旅立っていったことなどが世界にPRできるようなネーミングを考えていきたいと思っております。<

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●山田貴之
 世界にPRということで伺いたいんですけれども、植村冒険館の青いロゴマーク、冒険館という名称が見当たりません。ご本人のイラストと、植村直己とローマ字表記されているマークでありますが、新冒険館では施設のアイコンとなりますので、ぜひ冒険館的な名称の名前、入れていただきたい。そういったことが、これからオリンピック・パラリンピックに向けて外国人の方にもこの施設に来ていただけるかどうかということを分けるポイントだと思います。細かいことですけれども、こういうことをしっかりやっていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

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●区民文化部長
 現在のこのロゴでございますけれども、これは平成4年の開設時に植村直己氏をイメージしたロゴを作成して今まで活用してきたものでございます。新たに東板橋体育館の移転に合わせまして、国内外の方からも広く認識され、また世界的に有名な冒険家としてのイメージが湧くような表記を加えた新しいロゴマークを検討していきたいと思っております。

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●山田貴之
 このロゴというのはしっかり整備をして発信をすれば、海外の皆さんにもわかっていただけるロゴ、日本に来たときにどこに行こうかなというふうに考えたときに、楽しみにしていただける施設になろうかと思いますので、ぜひ整備をお願いします。
 それで、新植村冒険館とあえて言いますけれども、緑と文化の輝くまちにこだわって整備をしていただきたいというふうに思いまして、最初、冒頭申し上げましたように、開館記念に私は植樹をしたらどうかというふうに思います。その際に、植村さんにちなんだ何か木があればと思いますが、どのような木がふさわしいでしょうか。お考えがあればお願いします。

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●区民文化部長
 東板橋体育館に隣接する加賀西公園内におきましては、現在、ケヤキや桜などが植樹をされているところでございます。今後、東板橋体育館に植村冒険館が複合化され、その開設を記念して樹木を植えるということはとてもよいご提案だと考えます。植樹する際には、例えば極寒にも耐え得る木や、植村直己氏のあだ名であったドングリ、これのなるコナラの木などを植村直己氏のゆかりのある木などとしてこれから検討をしていきたいというふうに思っております。

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●山田貴之
 うまい施設整備をして、地域の方から愛される冒険館にしていただきたいなと思います。
 続いて、JR板橋駅についてですけれども、こちらの計画で、知と文化の広場機能アンド魅力発信ということでスペースを計画されています。どのような整備をして板橋の魅力を発信する構想か伺います。また、所管する課はどこを想定しているかもあわせてお願いします。

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●政策経営部長
 板橋駅前用地、いわゆるB用地とJR用地との一体的活用により整備される施設の具体的な整備内容につきましては、本年4月を目途に調整を進めておりますJR東日本との基本合意書の締結後に本格的な検討を開始していくことになります。
 このたび区としてまとめました一体的活用の方向性では、駅前に整備される限られた空間を最大限に活用するため、知と文化の広場及び魅力発信の両機能を含む都市の交流空間の全体を、公共と民間が融合した一体感のある空間としてしつらえていきたいと考えております。文化芸術や産業などの区のさまざまな魅力と相性のよい民間事業が連携しながら、内容などを陳腐化させないようタイムリーに発信し、板橋区での生活や活動を魅力的に紹介することで、板橋を訪れてみたい、板橋に住んでみたい、住んでよかったと思ってもらえるような展開を検討していきたいと考えております。
 また、現時点では、一体的活用の方向性をお示ししている段階でございまして、具体的な内容がまだ固まってございません。そのため、施設を所管する部署につきましても、今後、具体的な内容を固めていく中で、あわせて決めてまいりたいと考えております。

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●山田貴之
 もう一つ、同様のスペース企画がありまして、それが中央図書館の基本構想の中間のまとめですね。いたばしプロモーションギャラリーというふうにあります。せっかくの文化施設でありますので、図書館というのがですね。図書館での時間を豊かにするための、私はここはギャラリーとしたほうがいいのではないかという考えを持っています。シティプロモーション的なギャラリーは、今、お話しいただいたように、駅とか、この公共施設内に、庁舎とかの施設につくることがよろしいかというふうに思いますが、区の方針を確認します。

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●教育委員会事務局次長
 中央図書館のギャラリーについてでございます。
 板橋区立中央図書館基本構想(案)では、新たな中央図書館の基本理念を、「未来をはぐくみ、こころの豊かさと新しい価値を創造し、緑と文化を象徴する図書館」とし、5つの重点テーマの一つとして、「板橋の魅力 緑と文化を象徴する図書館」を掲げております。
 また、新たな中央図書館の特色となるエリアといたしまして、区民や図書館企画の展示やイベントなど多目的に活用する、いたばしプロモーションギャラリーを設置して、板橋区の魅力的な取り組みや文化を区内外に発信していくことを提案しているところでございます。新たな中央図書館では、ボローニャ・ブックフェアや平和図書資料の展示など、板橋区のシティプロモーションに寄与する企画などの情報発信について、図書館としての取り組みをしていきたいと考えております。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 まだ計画の段階ということなので、今後深まっていくことを私も注目していきたいというふうに思います。
 多くの社会教育施設が再プランされている好機であるというふうに捉えまして、各事業を俯瞰し、文化事業としての総合力を高める整備を行うべきであるというふうに考えます。集中と選択、集約と複合化をして、適正コストでの整備の視点も欠かすことはできません。いろいろな視点がありますけれども、かなり骨の折れる整備になるのではないかと考えますが、最後にもう一度意気込みを伺います。

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●政策経営部長
 超長期にわたりまして多額な経費を必要といたします公共施設の更新、こちらを持続可能な形で推進していくため、集約・複合化等により施設総量を抑制し、適正なコスト管理による施設マネジメントを行っていく必要がございます。それと同時に施設総量が仮に減ったといたしましても、施設の更新を契機として個々の施設の魅力や質をさらに充実させることによりまして、未来を育む緑と文化の輝くまちを実現し、ひいては東京で一番住みたくなるまちとして評価されるよう、安心・安全で魅力ある公共施設への再編・再構築を推進してまいりたいと考えております。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 花が咲くころの人手を取り込んでいくと、複数施設の見学を具体的に提案していく、これは観光振興にもつながるわけですけれども、戦略的な文化振興を要望して、この項を終わります。ありがとうございます。
 続きまして、4項目めですね、絵本のまちと絵本大使について、提案も含まれますけれども、まず絵本のまち板橋の政策的な背景について説明を願いたいと思います。これは文化の振興計画のほうにも、板橋区文化芸術振興基本計画のほうに絵本のまちというふうに明記がされていますので、その政策的な背景について伺えればと思います。

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●区民文化部長
 絵本のまちでございますけれども、背景でございますけれども、板橋区では昭和56年、1981年に区立美術館で第1回のイタリアボローニャ国際絵本原画展を開催したことをきっかけに、ボローニャ市との交流が始まりました。そして、平成5年、1993年には、ボローニャから児童図書展の出展絵本の一部が寄贈されまして、ボローニャ・ブックフェアinいたばしがスタートしたところでございます。また、平成16年、2004年には寄贈された絵本をいつでも見ることができる施設として、いたばしボローニャ子ども絵本館が誕生し、その翌年、ボローニャ市との友好都市交流協定を締結したところでございます。
 このように板橋区では、絵本に関して長年にわたり海外都市との交流の経緯として生まれたという板橋区独自のストーリーがございます。このストーリーとともに、絵本は万人にとって親しみやすいことから、文化芸術振興基本計画2020において、新たな文化ブランドとして絵本のまちを位置づけ、魅力ある文化芸術として区内外に発信することで、板橋区のイメージ向上と区民の区に対する愛着と誇りの醸成につなげたいというふうにしたものでございます。

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●山田貴之
 この文化芸術振興基本計画2020には重点目標として、個性あふれる文化芸術の創造という重点目標1の中の文言の中で、「板橋区固有の新たな文化資源として絵本のまちというのを区内外に発信する、文化のブランドとして位置づけていく」というふうに力強く発信をしていただいています。
 そうであるならばということで、私も提案をさせていただきたいというふうに思っているんですが、まず、今後新たに建設する中央図書館にボローニャ子ども絵本館を併設する予定というふうになっています。区立図書館の絵本の蔵書数と貸し出し数は特別区の中でどのくらいの順位か、わかれば教えてください。

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●教育委員会事務局次長
 板橋区立図書館の絵本の蔵書数と貸し出し数について、23区の比較ということでございますが、まず板橋区立図書館の絵本の蔵書数は、中央図書館と地域図書館10館で9万8,000冊、ボローニャ子ども絵本館が2万5,000冊で、合わせて12万3,000冊でございます。
 また、絵本の平成26年度の貸し出し数は、中央図書館と地域図書館全館で年間45万冊であり、ボローニャ子ども絵本館は個人貸し出しはしてございませんが、団体貸し出しは年間3,600冊でございます。
 他の特別区の絵本の統計数値でございますが、児童書で比較をするということしかちょっとできませんので、板橋区は31万8,000冊で第9位、貸し出し冊数は39万冊で第17位となってございます。

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●山田貴之
 絵本のまち板橋にこれからなっていただきたいと思いますけれども、今後やはりこの絵本の貸し出し数というのを板橋区では増加をさせていってほしいというふうに思います。
 ついては、板橋区を含む特別区では児童書というくくりで、先ほど言っていただいたように児童書というくくりで貸し出し数の統計をとっているようですが、板橋区では絵本のみの統計の数値を把握して、増加への取り組みを進めていただきたいと思いますが、そのような取り組みができるかどうかお答え願います。

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●教育委員会事務局次長
 先ほど申し上げましたのは他区との比較での数値ということでございます。板橋区独自で把握をすることは可能でございますので、それらの指標として使っていきたいと考えております。

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●山田貴之
 そこで、ボローニャ国際絵本のイメージをうまく活用して、読み聞かせ文化の定着を図っていただきたいというふうに思います。新中央図書館整備の担う役割が何になるかを、お考えをお願いします。

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●教育委員会事務局次長
 読み聞かせ文化の定着についてでございます。
 幼いころから絵本の読み聞かせは、子どもたちの創造力や豊かな心を育み、言葉の力が身につき、本好きの子どもを育てると言われているところでございます。図書館では、スタッフや読み聞かせボランティアによる図書館主催のおはなし会や、保育園、幼稚園、小学校への出張おはなし会で読み聞かせを年間2,000件程度実施し、延べ4万人の親子が参加をしていただいております。新たな中央図書館では、全国的にも評価の高い海外絵本に身近に触れられるというボローニャ子ども絵本館の魅力を活用し、図書館内に親子でゆったりと気兼ねなく読み聞かせができるコーナーを設置し、読み聞かせのさらなる普及につなげていきたいと考えております。

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●山田貴之
 中央図書館整備というハード面での大きな変化に呼応して、ソフト面でも戦略的に事業を展開していっていただきたいというふうに思います。この重点目標にも絵本のまちというふうなことが書かれていますので、効果が拡大していくような提案をしたいと思いますが、絵本大使制度の創設を提案したいというふうに思います。これは、絵本作家と絵本の中のキャラクターに大使になってもらうことで、絵本のまち板橋を力強く発信してはどうかと思いますがいかがでしょうか。

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●教育委員会事務局次長
 絵本大使制度の創設についてでございますが、いたばし学び支援プラン2018では、子どもたちの表現力や豊かな想像力を育むため、小学生の絵本づくりを推進する事業を掲げており、平成28年度から小学校1校で絵本づくりワークショップのモデル事業を開始し、今後区内の小学校で計画的に絵本づくりを推進していくこととしております。子どもたちが作成した絵本は、学校やボローニャ・ブックフェアなどのイベントや区内施設などに展示し、広く区民に子どもたちの作品を鑑賞する機会を持つことで、絵本のまちの機運を高めるとともに、絵本のまちにふさわしい区民への取り組みを行い、絵本のまち板橋の魅力を区内外に広く情報発信することを期待してございます。
 ご提案のありました絵本作家と絵本の中のキャラクターを絵本大使として、絵本のまちを情報発信することにつきましては、板橋区スポーツ大使制度や観光キャラクターりんりんちゃんとのプロモーション効果などを検証し、研究していきたいと考えております。

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●山田貴之
 板橋区スポーツ大使設置要綱というのがありまして、このスポーツ大使の文化版というふうな位置づけでどうかというふうに私自身は思っているんですけれども、ボローニャの国際絵本館があって、たくさんの海外からの絵本がすごく充実している板橋区なんですけれども、これを実際にお母さん、お父さんに貸し出すとか見てもらうためには、やはりひと工夫、私は必要なんじゃないかと思うんですね。読み聞かせといったって英語で書いてあるものや、ほかのわからない言語で書いてあるものはなかなか読み聞かせが私は進んでいかないというふうに思います。
 ただ、絵はなかなかすばらしいものがやはりあると思うんですよね。そういうものを眠らせておいてはもったいないと。それはその広告に使うというのももちろん大事なんですけれども、この絵本大使になっていただいた方に、板橋区のボローニャ絵本はこれだけすばらしいものがあるよというPRをしていただいたり、あるいは私が選ぶ3冊はこれだというようなことでアピールをしていただく、とにかくそのきっかけ、つなぎ方をうまくその絵本大使の方にやっていただくことで、板橋区が重点的に目指そうとしている絵本のまちというブランディングに協力をしていただけるんじゃないかということで、この絵本大使というのを伺ったんですね。そういうことが、ボローニャの絵本の貸し出しの促進というのが、そういうことでできるかと思いますけれども、お考えをお願いします。

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●教育委員会事務局次長
 ボローニャ絵本館の利用促進ということで、絵本大使に関連した事業の実施についてでございますが、ボローニャ子ども絵本館では平成26年度に絵本作家を招いたトークイベントを実施したところ、50名を超える申し込みがありまして、参加の保護者、子どもの方には大変好評でございました。また、中央図書館では乳幼児向けお勧め絵本のブックリスト「よんで!よんで!」を作成し、ブックスタート配布時やおはなし会、親子読み聞かせ講座等の絵本に関する講座の際、配布するとともに、ホームページにも掲載し、親子で絵本を楽しむきっかけづくりを図っております。
 平成28年度は絵本館の魅力を広く区民にお伝えするため、イオンスタイル板橋前野町に出展したような絵本館PRスポットの増設や、絵本館PRイベントを新たに実施することを予定してございます。ご提案の絵本大使制度の創設、またその活用を行いまして、絵本をより多くの方に親しんでいただけるような取り組みを進めていくということについては、研究していきたいと考えております。

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●山田貴之
 ありがとうございます。ぜひ研究をして進めていただきたいと思います。
 続いて、絵本のまちをやはり進めるために、なかなか不便な地域、絵本にアクセスするには不便であるとか、あるいは小さいお子さんがいてなかなか図書館に行けないという方もいらっしゃいます。お子さん1人だったらまだしも2人小さいお子さんがいて、なかなかその場所に行けないという方も非常に多いのではないかというふうに思いますし、私もそういう声をよく聞きます。
 そこで、絵本キャラバンカー、図書館の移動図書館みたいなことでよくやっておられる自治体があるかと思いますけれども、絵本のキャラバンカーという形で移動図書館、そしてそのキャラバンカーを例えばラッピングすることで宣伝をあわせてしたらどうかと思います。それと、駅に返却ポストを設置すると。公園や集合住宅地に出ていって貸し出しをして、駅や商店街で返却をできる仕組みをすれば、商店街振興にもなるかと思います。この辺についてのお考えあればお聞かせください。

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●教育委員会事務局次長
 絵本キャラバンカーと返却ポストの設置についてでございます。
 板橋区立図書館はおおむね半径1キロメートルを奉仕圏域として、区内に11館整備しており、図書館から離れ、図書館を利用しにくい方々へのサービスを目的といたします、いわゆる移動図書館の運行の必要性は低いものと考えているところでございます。
 しかしながら、今後の子どもたちの読書活動の推進を目指し、さらなる図書館利用の利便性の向上を図るために、返却ポストの増設や区内施設における図書館の本の貸し出しコーナーの設置等については検討を進めていきたいと思っております。また、ご提案のありました絵本のまちをPRするための絵本キャラバンカーの運行については、実施している自治体の持つ課題や、その自治体の実施状況等を踏まえまして、さらにそれを十分に把握いたしまして、板橋にとって導入の必要性があるか、メリットがあるかなどについて研究していきたいと考えております。

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●山田貴之
 今後も、私も板橋区で子育てをする父親としてさまざま、子育て中のお父さん、お母さんからご意見を伺いながら、ともによりよい整備となるように、絵本のまちのブランディングとなるように協力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。この項を終えさせていただきます。ありがとうございます。
 続きまして、5項目め、東京2020アスリート雇用とボランティア育成について伺います。
 まず、スポーツ振興課にオリンピック・パラリンピック担当課が設置されました。その意義について確認をします。

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●区民文化部長
 スポーツ振興課にオリンピック・パラリンピック担当課の設置でございますけれども、平成25年に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が決定して以降、スポーツへの関心が高まる中、機運醸成に向けたさまざまな事業の展開や、2020年東京オリンピック・パラリンピックの推進本部の運営など、政策企画課とともにスポーツ振興課が今まで担ってまいりました。ことしの夏に開催されるリオ大会以降は、東京2020大会に向けた各国の動きも具体化されてくると思います。事前キャンプの誘致やさまざまな施設を各所管課で展開していく必要が出てくるものと思われます。そのため、庁内の総合調整を行う組織として設置されたものがオリンピック・パラリンピック担当課でございます。今後は、東京2020大会に向け、スポーツ振興課と密接に連携しながら業務を進めていく予定でございます。

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●山田貴之
 リオ五輪が迫っています。かねてから私も提案させていただいているパブリックビューイングの計画があれば、今回は深夜になってしまうのかもしれないですけれども、計画があればお願いします。

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●区民文化部長
 区は、昨年のFIFA女子ワールドカップカナダ2015大会において、本庁舎の1階の区民イベントスペースで大型テレビによるパブリックビューイングを行ったところでございます。その際、広い会場やモニターを使用した開催も検討したんですけれども、上映使用料などの課題があったために実施を見送ったものでございます。ことし開催されるリオ2016大会では、東京都において、リオの向こうに東京が見えるをコンセプトに、IOC公認プログラムとして無料でのパブリックビューイングの実施を予定しているところでございます。リオの2016大会には時差がございまして、観戦時間や場所など、さまざまな問題もございますけれども、オリンピック・パラリンピックの生中継を多くの区民が一体で観戦し応援することは、東京2020大会の機運醸成にもつながることから、東京都と連携して区立体育館等の施設などで、開催に向けた検討を進めていきたいと思っているところでございます。

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●山田貴之
 よい予行演習になるというふうに思いますので、ぜひ実現していただきたいと思います。
 そして、リオ五輪がいよいよ終わると、東京2020の機運も再び高く高まっていくんだというふうに期待しています。板橋区には、当たり前ですけれどもスタジアムがありません。競技場となるような会場がないんですけれども、私はしかし、オリンピック・パラリンピックで大切なのは、やっぱり人、選手であり観客であり、また大会を陰で支えるボランティアだというふうに思っています。そこで、人材の育成について伺いたいと思いますけれども、アスリート支援についての区の取り組みをお願いします。

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●区民文化部長
 板橋区ではJOCと連携しまして、全国に先駆けまして地域密着型のアスリートの就職支援として、板橋区版アスナビを平成26年度に開催をいたしました。また、そのアスナビで板橋区版アスナビ第1号として、アスリートとして区内企業の三和シャッター工業株式会社に自転車競技の近谷涼選手が採用されました。ことし、平成27年に第2回目を行いまして、来年度、平成28年6月には第3回目のアスナビを開催する予定でございます。今後もトップアスリートが安心して競技を続けられるために、JOCなどと連携して板橋区ならではの特徴あるアスリート支援施策を展開していきたいと考えております。

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●山田貴之
 アスナビ、板橋区版のアスナビの取り組み、高く私も評価をしております。ぜひ、引き続き、続けていただいて、アスリートの支援をしていただきたいと思います。アスナビの企業とマッチング、ここに冊子があるんですけれども、拝見をして、企業の総務の方のコメントとか社長さんのコメントを拝見しますと、やっぱり企業にアスリートがいることで会社としての士気も上がって、またモチベーション高くオリンピックを迎えることができそうだ、パラリンピックを迎えることができそうだという、すごく前向きなコメントが多く寄せられています。
 そうした中で、私は板橋区自体がアスリートを雇用できないかというふうに考えています。やっぱり今現在56万人ですかね、区民の皆さんがいらっしゃる区です。その区民の皆さんが一緒になってそのアスリートを応援できるような支援体制をつくっていけたら、私はすばらしいんじゃないかというふうに思いますし、また行政区は大方メダルをとってから応援することが多いんですけれども、そうではなくて、やっぱり支援のところから区として、自治体として応援をしていく。その対価として、私は、とったメダルをみんなで喜び合うさまざまな施策に協力していただくということが必要なんじゃないかというふうに思います。
 また、板橋区にはバリアフリーの庁舎もありますし、職場環境としてさまざまな運動施設も保有しています。近くには味の素ナショナルトレーニングセンターですとか、国立スポーツ科学センター、東京都障害者総合スポーツセンターなど、非常に練習場に近いという利点もあります。環境面でもすぐれています。こういったところから、ぜひ板橋区でもアスリート雇用を実現できないか、区の考えを伺います。

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●総務部長
 板橋区の職員としてアスリートを雇用できないかというご質問でございます。
 板橋区の職員としては、常勤と非常勤、臨時職員の3つの雇用形態がございます。また、常勤職員につきましても2つの形態がありまして、1つは特別区人事委員会等で実施する競争試験あるいは選考試験により採用する職員と、また一方は地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律に基づいて任期を定めた職員、この2通りがありますけれども、いずれも一般職員として業務を担っているものでございます。また非常勤職員は特別職として特定の専門性を有する職務に、また臨時職員は臨時的・補助的業務に、いずれも任期を限って任用してございます。
 ご質問のアスリートの雇用でございますけれども、経済面からもアスリートの競技生活を支えるということであれば常勤職員としての採用が望ましいのかなと考えますが、アスリート特有の事情に配慮する必要もあり、採用資格の基準あるいは勤務形態等、さまざまな課題があるものと考えてございます。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 いろいろ課題があるんだろうなというのはよくよくわかります。しかし、目前にオリンピック・パラリンピックが迫っているんですよね。そういった課題をクリアできないかということを私なりにもいろいろ調べましたけれども、地方公務員法の職務に専念する義務というのが第35条にありまして、これがなかなか職務専念義務というのが、なかなかトップアスリートを雇用した上で課題となってくるのではないかというふうに思うんですけれども、この中に、「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い」云々とありまして、新条例を制定することで地方自治法の定める職員の専念義務を超えて、板橋区として裁量のあるアスリートの採用が可能となるというふうに考えますが、ぜひ実現をしてほしいというふうに思いますが、区の考えをお願いします。

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●総務部長
 委員ご指摘のとおり、私たち地方公務員には職務専念義務がございます。特別な場合といいましても、職務の時間の割合の中で、トップアスリートあるいはオリンピアを目指す方というのは、やっぱり競技大会の参加、トレーニングに専念するための環境というのは、かなりの時間を要するのかと思ってございます。それが本務に影響を与える程度のですと、余りそれは条例で定めていいということにはなかなかなりにくいのかなと思ってございます。そういう意味では一般論といたしまして、十分な練習時間をとることと、常勤の職員が併用するというのはなかなか難しいかなというふうに考えるところでございます。
 また、今、アスリートの方はいろいろな企業のスポンサーをつけたりもしてございます。これはまた同じく同法の38条、地方公務員法第38条に営利企業との従事制限というものがございますので、公務員がある一定の企業のステッカーをつけて競技に出るとか、そういうことについても制限をされるということで、かなり活動を縛るようなことになるのかなというふうに考えるところでございます。
 以上でございます。

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●山田貴之
 現状難しいということですけれども、ぜひ研究をちょっと進めていただきたいというふうに思います。
 あわせて、それとあわせる形で、非常勤、これであれば何とかいけるのではないかというふうに思いますけれども、非常勤の受け入れ体制の環境整備を考えていただきたいと思いますけれどもいかがでしょうか。

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●総務部長
 非常勤である程度の一定の条件のもとでは可能かと思います。いずれにいたしましても、アスリートの受け入れにかかわらず、今後も国ですとかJOCあるいは各競技団体とのアスリートの支援の取り組みについては積極的に、先ほどありましたアスナビとかそういうことには積極的にかかわっていきたいと思います。非常勤のほうにも少し研究をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

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●山田貴之
 アスリートの雇用についてはこれぐらいにしたいと思います。ありがとうございます。
 続いて、ボランティアの育成について、区の方針を伺いたいと思います。
 そろそろボランティア育成ということに、もう少し具体的に踏み込んでいかなければいけない時期になっているのではないかと思います。ボランティアといっても、日常的なスポーツ団体の中でコーチの皆さんがやっていただいているボランティアもあります。何か板橋のCityマラソンのような大会のボランティアもあります。この大会のボランティアの中には医療を専門にしてくださるボランティアもあれば、一般の事務的なボランティアの方もあります。また、先ほどのアスリートが行ってくださるボランティアというのもあります。アスリートボランティアと呼ばれます。板橋区ではどのようなボランティアの育成を行っていくのか伺います。

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●区民文化部長
 区にかかわるボランティアについてでございますけれども、基本的には活躍の機会を提供する課がかかわることになっております。例えば、間もなく、先ほどもお話がございました開催される板橋Cityマラソンのボランティアはスポーツ振興課で、また語学ボランティア等については文化・国際交流課で募集の上、活動をいただいているところでございます。これらのボランティアを含め、ボランティアの活躍する場は広範囲にわたることから、区ではいたばし総合ボランティアセンターにおいてボランティアを紹介することも行っているところでございます。
 今後、2020東京オリンピック・パラリンピックに向けて、組織委員会が募集する大会ボランティアは約8万人と言われております。東京都が募集する都市ボランティアは約1万人必要とするというふうにされておりますけれども、今のところ区には具体的な話は来ていないのが現状でございます。今後、具体的な話が来た際には、歴史的なイベントであるオリンピック・パラリンピックへのボランティアの参加は、当該大会の機運醸成にもつながることから、区としても積極的にかかわり、ボランティアの育成を行ってまいりたいと考えているところでございます。

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●山田貴之
 お願いします。大学との連携というのもいっぱい協定をしている大学もありますので、ぜひ進めていただきたいと思います。若い世代へのボランティア参加への支援をお願いしたいと思いますが、例えばジュニアスポーツ指導員の実施受け入れなど、資格や授業のカリキュラムの中でボランティアの受け入れ先が求められるケースがあるそうです。こういった近隣大学には積極的な情報公開、ボランティアに関する情報公開をしていただきたいというのとあわせて、協定を結んでおられるスポーツ団体は、ボランティアの受け入れの働きかけを積極的に行って、官民学で連携してボランティアの育成に努めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

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●区民文化部長
 東京2020大会においては、大会を支える若い世代のボランティアを拡大することはとても重要なことであると考えております。現在、板橋Cityマラソンやいたばしウォーキング大会などでは、区内の大学と連携を図り、学生がボランティアとして活躍をしていただいております。また、連携しているプロスポーツの試合では、例えばエクセレンスの試合では都立高校北園高校でございますけれども、生徒さんがボランティアとして各試合の会場で活躍をしていただいているところでございます。区としては、さまざまな事業でボランティアの機会を創出し、参加される方々が継続的に活動していくきっかけづくりが大変重要であると考えております。今後とも、東京2020大会を初め、さまざまな場面で若い世代の方々がボランティアとして活躍できるよう、近隣大学などともさらに連携をしながら取り組んでいきたいと考えております。

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●山田貴之
 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。この項はここまでにさせていただきます。ありがとうございました。
 続いて、最後の6項目めに移ります。
 アール・ブリュットに関する芸術支援についてです。
 板橋区文化芸術振興計画2020に、アール・ブリュットの展開ということで事業名が記載され、私、これまで議会での発言が実った思いでありますが、しかしここからがもちろんスタートでありますので、これまで以上に事業の成功に向けて力を注いでいただきたいと思います。
 そこで、本日は何点かお伺いします。
 振興計画に記載、事業化の経緯についてまず確認をします。

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●区民文化部長
 アール・ブリュットに関することでございます。
 文化芸術振興基本計画2020の事業計画の中では、アール・ブリュットを区内で推進することで、文化芸術の担い手を育成するとともに、さまざまな人が芸術文化に触れることのできる環境を整えるとしております。年次計画では平成28年度に検討、29年度から32年度までに実施としているところでございます。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 平成28年度から具体的な検討に入り、平成29年度の事業化が記載されている限りだと、平成32年まで続くということですが、機会が整えば前倒しで実施をしていくことができると思います。文化としての定着を願っていますが、一つの契機は間違いなく平成31年オリンピック・パラリンピックであり、計画された事業を行う必要があると考えるからです。板橋区として平成28年度からの企画展の取り組みを求めます。区の考えと実現可能性を伺います。

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●区民文化部長
 アール・ブリュットは新たな取り組みでございます。現在、専門家による講義や先進事例などから情報収集を今、手がけたばかりでございます。現在はまだ予算の措置もない状況でございます。専門家による協力や共催実施などの機会が整えば、平成28年度からの実施も試みたいというふうに考えているところでございます。

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●山田貴之
 板橋区には区立美術館があるわけですが、今後、区立美術館での企画展の可能性と、また平成28年度内のギャラリーモールやイベントスペースを活用した展示機会の実現を求めますがいかがでしょうか。

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●区民文化部長
 区立美術館では昨年度、美術館のあり方検討会の報告書でお示しをさせていただきましたけれども、狩野派作品を中心とした古美術、それから池袋モンパルナス関連作品を中心とした近現代美術、それからボローニャ国際絵本原画展を中心とした絵本関連の作品、この3本柱の展示方針を維持することに加えまして、区民文化祭や小・中学校の作品展あるいは佐藤太清記念中学生絵画展を実施しているところでございます。これに、さらにアール・ブリュットに関するノウハウを今現在は持っていないところでございます。現状では、美術館ですぐに実施というのは難しい状況にあると思っております。
 しかしながら、先ほども少し申し上げましたけれども、専門家の方々の協力が得られ、共催が可能であれば、平成28年度からギャラリーモールやイベントスペースを中心とした展示については前向きに検討していきたいというふうに考えております。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 また、実現可能性があるとすれば、広く区民の知れるところになるように取り組むべきと考えます。広報や展示に関してどのような協力を区としては行えるか教えてください。

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●区民文化部長
 アール・ブリュット展の実現が可能になった場合は、事業周知に当たっては広報紙やホームページなど、可能な媒体を利用して周知に努めていきたいと思っております。さらに展示に関しても、展示用の備品の貸し出しや展示作業の手伝いなどは協力してやらさせていただきたいと考えております。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 ちょっとアール・ブリュットについてご紹介をしたいと思いますけれども、この作品は澤田さんの作品でして、陶芸の作品で大体60センチぐらいの高さがありまして、ご本人は自閉症を患っておられて言葉はほとんど発しないんですけれども、毎日作業所でこういうようなものを、アトリエ活動の中でこういうものをつくっておられます。この作品というのは、実はベネチアで行われるトリエンナーレで大変高い注目を受けまして、彼は今、もう世界的なデザイナーになっている方になります。
 これは、また別の方の作品なんですけれども、袋を閉じるときに使う針金でもってつくっていますので、実際は3センチぐらいの人形なんです。非常に手先が器用な彼でして、障害、ハンディキャップを持っているんですけれども、こういうものをずっとつくり続けていまして、こういうふうに数多くの作品をつくり続けています。
 また、これは板橋区外の日本に住んでおられる方の作品なんですけれども、これは例えば板橋区の作家の作品です。これは、ダウン症の障害を持っておられる方の作品でして、小柄で近視であるというダウン症の障害の特徴を生かしてというか、その特徴が絵に表現されています。小さい体で画面いっぱいに絵を描くのでこういう絵になる傾向が、ダウン症の障害の方にはあります。
 これは、幼稚園のころからずっとこうロボットの絵をオリジナルで描いている方の作品で、サインペンと色のついたサインペンで描いているんですけれども、これももう本当に段ボールに山積みになるぐらい作品があります。一体一体違う作品が描かれています。
 これは、針金でぐるぐる巻きにして、このDIYショップで売っているような本当に普通の針金なんですけれども、サソリをつくってみたりドラゴンをつくってみたり、設計図もなく空想の中でどんどん作品をつくっていきます。
 こういった作家が板橋区には眠っているということになります。
 そこで、作品展をやるに当たって提案ですけれども、区長室とか教育長室での展示についても、アール・ブリュット作家の作品を広く周知する、普及・周知させていただくためにしていただきたいと要望しますけれども、実現可能性をお聞かせください。

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●区民文化部長
 区長室あるいは教育長室に展示でございますけれども、具体的なお話をいただいた段階で考えさせていただきたいと思います。

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●山田貴之
 じゃ、そうなるようにお話をさせていただきたいと思います。
 それと、こういった作品はまだまだ東京、どちらかというと西日本が中心でして、東京を中心とする近郊にはたくさんの住民が住んでいるので、それに比例してたくさんの作家がまだ眠っているんだと思います。作家自身は自分のことをアーティストと思っていませんので、日常生活の中でご飯を食べるのと同じようにつくったりとか、空気を吸うのと同じように作品をつくったりしている傾向があります。作家に関する情報収集の仕組みが大変重要になってくると思いますが、区としての考えを伺います。

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●区民文化部長
 アール・ブリュットに関しましては、先日、専門家の方にお話しをいただくなど、情報収集に着手したばかりでございます。新たな取り組みでございますアール・ブリュットにつきましては、区が実施するに当たり、アール・ブリュットとは何かというところから考え方を整理する必要があろうかと思います。作家に関する情報収集の仕組みも必要でございますが、まずは文化芸術振興の視点や福祉の視点など、さまざまな議論や研究を踏まえて、アール・ブリュットをどう進めていくか考えを決めていきたいと思っているところでございます。

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●山田貴之
 もうほかの近隣区は、例えば中野区に専門的な方が住んでいらっしゃるということもあって、中野区なんかは中野ブロードウェイの商店街と連携して、非常にまちぐるみで取り組みを進めていますし、各自治体も来年度の平成28年度予算から少し予算づけをして展覧会をしていくところもあります。各自治体がこの眠れる文化資源に気づき始めて、展示をしていこうと思っているようです。
 しかし、これは各区にこういう才能のある方が眠っている可能性がありまして、そういう方々は、やっぱり区で、近いところでそういう活動の拠点があったり、機会の提供がなされることが私は望ましいと思いますので、ぜひ板橋区でも進めていただきたいと思うんですけれども、板橋区としては、例えば近隣区を含めた公募展などを実現してはどうかと思いますけれども、可能性について伺います。

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●区民文化部長
 公募展を開催するに当たりましては、まず区としての考え方をまとめて、方向性を見出していきたいと思っております。例えば、委員さん十分わかっていらっしゃると思いますアール・ブリュットは、美術の専門的な教育を受けていない方々のということでございます。先ほどもお話が出ておりました障害を持っている方ももちろんそうですけれども、そうでない方々の部分もございます。そこの部分をどう仕切っていくか、どういうふうに募集を公募していくかという部分も区としては考えなければいけない部分だと思っております。私たちもこの部分は積極的に動きたいというふうには思っているところでございますけれども、そういう部分の方向性をきちっと決めてからという部分も大切だと思っておりますので、また他の自治体や先進事例なども研究をさせていただきながら決めていきたいというふうに思っているところでございます。

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●山田貴之
 ありがとうございます。
 とにかく早く研究進めて、支援が広がって、オリンピック・パラリンピックの機会に多くの作家が活躍できるようなステージが用意されることを私は望んでいますし、それについて応援をしていきたいというふうに思っていますので、ぜひ区のご支援もいただきたいというふうに思います。そこで、予算化、これを要望したいと思いますがいかがでしょうか。

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●区民文化部長
 私どもも先ほども申し上げましたこのアール・ブリュットに関しましては、積極的に事業を進めていきたいというふうに考えているところではございます。ただ、文化振興基本計画では平成29年度実施というふうに計画ではなっておりまして、予算化は今、できていない状況でございますので、予算化につきましては、また関係部署とも協議をしながら検討していきたいというふうに考えております。

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●山田貴之
 今年度、先ほどご答弁でもいただいたように、ギャラリーモール、イベントスペースでの展示を通じて、板橋区民の皆さんにも広くこのアール・ブリュットにかかわる芸術家たちの支援、そして認知、こういうものが板橋区で、ローカルで広がっていけばいいなというふうに思っております。これからも、私自身もさまざまなレベルで協力をさせていただきたいと思いますので、ぜひ支援のほどをよろしくお願いします。
 以上をもちまして、私の総括質問を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

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