2011年6月9日 第2回定例会
1 板橋区共生都市宣言について
2 板橋区防災対策について
(1)大震災に対する区長の感想及び首長としての認識について
(2)防災対策における課題について
(3)災害用照明設備の設置について
(4)ボランティアの受け入れについて
(5)災害発生時の耐震審査について
(6)災害時復旧工事委託契約制度について
(7)補正予算について
(8)危機管理体制の強化について
3 放射能対策について
(1)備えについて
(2)放射線量の測定について
4 緑化推進について
(1)現在の緑化計画の実施状況と展望について
(2)緑のカーテンについて
(3)校庭芝生化について
5 生きがいづくりと健康増進のための「きっかけ」創出
(1)夜間のスポーツ施設利用中止について
(2)区内施設の開放について
6 子育て支援について
(1)あいキッズの実施計画と広報活動について
(2)児童館施設の今後の在り方について
(3)あいキッズの今後の展望について
7 文化振興について
(1)植村冒険館について
(2)花火大会の中止について
8 節電対策について
(1)節電目標について
(2)時差出勤について
(3)高齢者、幼児、障がい者の熱中症対策について
●山田貴之議員 おはようございます。ただいまより通告に従いまして、自民党の一般質問をさせていただきます。自民党のトップバッターを務めます。よろしくお願いいたします。
質問に先立ちまして、3月11日に発生しました東日本大震災において亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
このたびの震災では、区内でも震度5弱を観測したとのことで、ブロック塀や壁の落下、水道管の破裂など被害が報告されました。また、私の住む中台の集合住宅サンシティにおいても、給湯器が横転し、階下への生活に支障が出るほどの漏水被害を及ぼしました。さらに、福島第一原子力発電所の津波被害による事故に端を発する電力危機から、区内でも一部地域の計画停電が実施されるなど区民の生活に大きな影響を及ぼしました。水道水などへの放射能汚染が示され、区内においても乳幼児のミルク用にとペットボトルの配布も行われました。物流網の混乱、工場の停止によって、商品供給がストップし、最寄りのスーパーでは生活用品が品薄の状態が続きました。
そうした混乱の中であっても、多くの皆さんが被災地に対してできることは何かと模索をしている姿は大変に印象的でありました。板橋区民は3月11日を経験し、より地域のきずなが深まっている、成熟していると心強く感じました。今回の震災は、日本が経験のしたことのない危機であります。そのさなかにありますが、私たちは前を向いて地域の振興と被災地の支援に着実に取り組まなければならないと感じています。私たち一人ひとりが自分にできること、そして、助け合いの精神で力を合わせて被災地の復旧・復興支援と被災者の支援をしていかなければならないと思います。
まず、以上の思いを踏まえて、区長にご提案をさせていただきます。
私は5月1日、板橋区の区議会議員として第一歩を岩手の被災地で踏みました。1,000年に一度とも言われているこのたびの大震災によって壊滅的な被害を受けている町が復興していくためには、国や地方自治体が主導して道筋をつけていかなければならないと痛切に感じました。そこで、区長にご提案したいのですが、板橋区として被災地とともに生きる意思を示し、より力強く被災地支援を行うために、宣言「板橋区共生都市宣言」を行ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
ご提案する宣言の目的は主に3つございます。1つ目、板橋区として被災地へ長期的、継続的支援を行う。2つ目、板橋区内に受け入れた被災者への励ましと支援を行う。3つ目、関東直下型地震に備え、周辺自治体との相互の戦略的防災協定の構築を進める。以上、3つになりますが、今現状行っている板橋区の被災地支援の取り組みを広く区民にも知っていただき、ますますの被災地支援に理解と協力を願うものであります。
また、被災地支援にとどまらず、このたびの震災、また都市型の震災であった阪神・淡路大震災の教訓を十分に活かし、周辺自治体との相互の防災協定を結ぶことも共生の意味するところであります。直下型の大震災が起こった場合、どんな想定をしていても、必ず困難が立ちはだかります。平常時にこそしっかりとした相互支援の体制づくりと強化に努めていくべきだと考えております。今回の震災では、多くの組織が日ごろ培われた友好のきずなに基づいて、適宜被災地での支援活動を開始しました。この教訓を活かし、周辺あるいは遠方の自治体とのきずなを結び、互いに災害時に助け合うことを、ぜひ、板橋区から改めて呼びかけていただきたいと考えますが、区長のご所見をお伺いいたします。
なお、この宣言の実務事業としては、区職員の被災地への派遣、被災者の受け入れと生活支援、物資輸送や義援金送付などが挙げられます。また、防災面では、支援物資や機材のデータベース化、共有化、相互受け入れ体制の整備などを想定しています。現在も被災地支援を区としても取り組んでいることは多くの区民の知るところであると思います。これからも息の長い着実な支援を区長にお願いしたいと考えております。
次に、防災対策についてお伺いいたします。まず、区長にお伺いします。
坂本区長も、5月初めに大船渡市を視察に訪れ、市長ともお会いしたと伺っております。また、災害協定先である最上町では、石巻市の避難者の方々ともお会いしたとのことですが、未曾有の大災害となった今回の東日本大震災に対する区長の率直な感想、首長としての認識について、まずお聞かせください。
次に、防災対策における課題について、幾つかお伺いします。
私はこのたびの大震災から得た教訓を板橋区の防災計画にも活かさなければいけないと考えます。関東でも、直下型の大震災が30年のうちに70%の高い確率で発生すると予想する専門家もいます。「まさか板橋区で」から「もしかしたら板橋区でも」と意識を変えて、防災計画を強化しなければいけません。したがって、板橋区の防災計画を総点検し、より実効性のある、機能する防災マニュアルの作成の必要性を強く感じておりますが、区長のお考えをお示しいただきたい。
続いて、臨機応変な現場判断ができるリーダーの育成について伺います。
3月11日に発生した大震災では、区内にも多くの混乱が生じました。区内のあるひとり暮らしの高齢の方のお話によると、震災直後、大きな揺れに不安になり、とても部屋の中にいれなかったので、近隣の避難所に指定されている小学校に向かったが、実際は小学生が校庭にいるために、校庭にさえ入れさせてもらえなかった。仕方なく、喫茶店で数時間を過ごしまして、その後、不安を抱えたまま帰宅をされたとのことであります。有事に際して住民に一番寄り添わなければならないときに、避難所にも足を入れることができない、誰にも相談できないというような状況では、区は本当に住民の安心安全を考えてくれているのかと不安な気持ちを抱かれても仕方がないと思います。
一方で、浦安にある東京ディズニーランドでの震災時の対応のすばらしさに多くの来園者は胸を打たれたと言います。日ごろから当施設では、アルバイトにも有事の際には権限を与えると明言をしており、また、防災訓練も、毎日どこかの施設で行われていると言われるほど熱心な危機管理体制を整えていると聞きました。報道をごらんになった方はご存じかと思いますが、3月11日の震災発生時には、現場判断で商品の食料品は惜しまず無償提供し、縫いぐるみを手渡し、頭にかぶるように指導したアルバイト店員もおられたといいます。自らが考え、来園者の安心安全のために力の限り困難に立ち向かうこの姿勢こそ見習わなければならない姿勢であるように思います。
非常時において初動が速いことは、住民の安心安全の確保だけにとどまらず、傷ついた住民を励まし、希望を与えることにもつながります。今、ぜひともこの震災での教訓を活かし、1人でも多くの板橋区民を守ることができるマニュアルと実行計画の整備をすることを願います。被災地へ派遣されている職員からの現地報告を十分にとり、板橋区の防災計画に活かすこともあわせて希望いたします。
そこで、臨機応変な現場判断ができるリーダーの育成が必要だと思いますので、伺います。
不測の事態には現場判断で住民の安全安心を確保することができる職員の育成が大切だと考えます。これはある意味でマニュアルを離れ、自己判断力を養わなければなりません。非常事態にすぐれた能力を発揮する職員育成が課題であると考えますが、区長としての考えをお示しください。
続いて、帰宅困難者対策についてお尋ねします。
今回のように、11日の夕方、JRが早々に終日運休を決めたため、大量の帰宅困難者が発生し、大混乱となりました。JRの対応には大いに疑問が残りますが、区としても、ここまでの事態になるとは想定していなかったと思います。今回は、本来、区民向けの避難所となっている小・中学校が帰宅困難者のために開放されました。帰宅困難者対策については、東京都との役割分担の問題もあると思いますが、今後、区民のための避難所と帰宅困難者を支援するための施設について、どのように考えていかねばならないのでしょうか。お尋ねいたします。
続いて、情報伝達のあり方についてお伺いします。
災害以降、区内に設置されている防災無線から何も放送がなかった、あるいは非常に聞こえづらかったといった声を区民の方々からいただきました。きちんと区民に情報を伝達するためにも、防災無線は重要であります。今後、住民の安心安全のために、地震やゲリラ豪雨などの災害の情報と発生後の区としての対応を周知する手段としてさらなる活用を期待したいと思います。区民の心理としては、いち早く行政が対応していることを知るだけでも安心につながるものと考えます。
続いて、備蓄物資についてお尋ねします。
今回の大震災に限らず、多くの被災地では避難所とされていない公共施設も事実上、避難者を受け入れざるを得ない状況となっています。一定の備蓄物資を整備することで、区立体育館や文化会館の積極的な活用や、災害協定により避難所とされている区内の私立学校や大学のさらなる利用など、もっと積極的な連携を図るべきと考えます。
都市型(住民密集、住宅密集)の災害では、ライフライン対策が不可欠であり、生活水、飲み水の確保が大切であります。上水道の断水、停電を想定して、民間の力も借りて危機に備える必要があると考えます。避難所そのものの機能やあり方、備蓄物資の見直しについても、どのような課題認識を持っているのでしょうか。お尋ねいたします。
次に、災害用の照明設備についてです。
停電時の明かりは住民の安心にも役に立ちます。自民党区議団は地元自治体のご迷惑にならないように十分に配慮をした上で、5月初頭に被災地に赴きました。独自のつてを頼りに、地元議員の方に案内をしていただきました。板橋区職員の派遣されている大船渡市の避難所に支援物資をお渡しし、職員を激励して戻ってまいりました。その際に、地元出身の議員の方に教えていただいた現場の教訓から質問をさせていただきます。
停電を復旧するには、震災の規模が大きければ時間がかかります。その際に、明かりというのは、人に安心感を与えますし、治安維持にも役に立ちます。今後の電力供給が不安定な中で、太陽光発電機とLEDを組み合わせた非常用の照明の設置は地域住民の安心安全に貢献すると考えます。ぜひ導入の検討をしていただきたいと思いますが、区としての見解をお示しください。
次に、ボランティアの受け入れについてです。
都内での震災には多くのボランティアが近隣から集うことが予想されます。ボランティアの活用は復興・復旧の大きな力になりますが、受け入れ体制が整わなければ、逆に現場が混乱をします。板橋区としてどのような受け入れ体制を整えていくかをお伺いいたします。
次に、災害発生時の耐震審査についてです。震災時の区内施設、住宅の応急的な判定について伺います。
災害を受けた建物の応急的な診断を行い、迅速に復興への道筋をつけなければなりませんが、区長のお考えをお示しください。
次に、災害時復旧工事委託契約制度について伺います。
このたびの震災では、常磐道の復旧工事が世界に驚くスピード感を持って復旧されました。板橋区においても、これにならって、ライフラインや区が管轄する主要道路などの復旧を平常時にこそ計画をしておくべきだと考えます。災害時には入札や業者選定をしている時間がないので、すぐに板橋区に駆けつけることが可能な業者との委託契約の検討をしてはどうかと考えますが、区長の考えをお示しください。
次に、補正予算についてお尋ねします。
坂本区長は本定例会議に補正予算案を上程していますが、財政課に問い合わせたところ、新年度がスタートしたばかりの6月の時点での本格的な補正予算の編成は異例です。今回の補正は東日本大震災に関連した被災地への支援や、区民の生命、財産を守る防災施策にいち早く対応するものだと理解をしています。
そこで、予算に関して何点か質問をいたします。
東日本大震災による板橋区への直接的な被害は少なかったものの、福島第一原子力発電所による放射能漏れや電力不足による計画停電などは区民生活に大きな影響を与えました。このような状況で、区は今回の補正予算を編成するに当たり、どのような考えで臨んだのかお伺いします。
続いて財源についてであります。
板橋区は発災直後から、帰宅困難者への対応など様々な支援策を打ち出し、実施していましたが、その経費の中には昨年度の予算で対応したものもあったと思います。年度末を控え、どのような手法により財源を生み出して対応したのかお尋ねいたします。
さらに、日本経済が先行きが不透明な状況にあり、企業収益の動向が見えず、今後の歳入見通しも不確定な要素が多い状況で、今回の補正予算においてどのように財源を確保したのかお伺いします。
今後、区の防災対策の再構築について本格的な検討がなされると思いますが、適宜補正予算を組んで対応していくのか、財源確保の考えも含めお伺いします。
今回の震災により、日本経済は大きな打撃を受け、景気動向は一段と不透明感を増しています。区民の生命、財産を守る防災対策は、複数年度にわたり計画的に対応していかなければならないと思います。今後の板橋区の財政は、歳入の減少など厳しい運営が予想されますが、そうした状況にあっても重点的に取り組んでいくべきと考えますが、区長の決意を伺います。
区長におかれましては、今回の補正予算にとどまることなく、引き続き災害時の板橋区における課題を整理し、迅速に新たな対応策を打ち出していただくことを要望いたします。
次に、組織体制の強化についてお聞きします。
今回の大震災から得られた教訓や突きつけられた課題は今後の区の防災対策を考える上で大きな財産としなければなりません。今回の震災を踏まえて、区としてはどのような危機管理体制を整えていくか、区長の見解をお尋ねします。
東北の被災地では様々な課題が日々発生しております。今後も被災地を支援していく過程で情報を収集し、その教訓を蓄積していくこと。そして、区民の生命と財産を守ることを切に要望いたします。
次に、放射能対策についてお伺いします。まず、放射能に対する備えについて伺います。
残念ながら、原発事故に関する一連の情報が後手後手であり、政治に対して不信感を持ち、不安な毎日を過ごしている方も多いと思います。子どもは放射能の影響を受けやすいという報道もあり、特に子どもを抱えている世帯は切実です。今回の教訓を活かし、今後の防災対策には、近隣の原子力発電所の事故も想定に入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。
線量計による計測や外部委託による放射性物質の特定など、住民の不安に対してどのような対策を実施していくのでしょうか。教えてください。
続いて、放射線量の測定についてお伺いします。
特に子どもたちの遊び場である校庭やプールなどの数値計測などの滞留放射線量の計測、また、空間放射線量の測定を区独自に行うことについて見解をお示しください。
次に、緑化政策についてお伺いします。
団塊の世代の一斉退職が進み、これまで以上に様々な地域で時間を過ごす方が増えており、散歩をする。公園へ出かけるなど、周辺の環境への関心も比例して高まっています。身近なところに心が休まるような緑の環境の整備が求められています。また、子育て世代にとっても、子どもを緑あふれる環境で育てたいという願いがあります。これからの板橋区内の緑化政策の展望をお示しください。
次に、緑のカーテンについてです。
緑のカーテンをうまくつくるにはコツがあります。根気のある方はよいですが、ちょっと試してみようかなという程度の方は、最初にうまく行かないと二度と手を出さないということになってしまいます。ネットをしっかりと張る。一株に対しての土の量と質を確保するなど、簡単なコツを知ることで成功の確率が高まります。そこで、これまでも行われてきた緑のカーテンの講習会ですが、関心が高まっている今、地域ごとに多くの人が参加できるような研修や講習会の機会をさらに拡充をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
次に、校庭緑化についてお伺いします。
私がかつて生活をしていた山陰地方では、早い時期から校庭の芝生化が進められており、子どもが伸び伸びと運動ができる場所として整備をされています。また、校庭を芝生化にすることは地域の人が集う新たな「場」の創出にもつながり、コミュニティの成熟、きずなづくりを助けます。今後も板橋区でも校庭の芝生化を進めて、最終的には区内全校芝生化を目指していただきたいのですが、いかがでしょうか。区のお考えをお示しください。
次に、節電による夜間のスポーツ施設利用中止についてお尋ねします。
一部の施設では、節電を目的として、夜間の利用自粛が行われております。ナイターが中止の分、時間を早めて早朝枠を設けてはどうかと考えますが、区長のご見解をいただきたいと思います。
利用者にとっては運動の機会だけではなく、大切な社交の機会も減っていると考えます。例えば、テニスコートは現在9時からの利用となっていますが、新河岸のコートや加賀のコートなど、周辺に住宅がなく、近隣への影響が少ない施設に限って、早朝7時から9時の利用枠を試験的に設けてはどうかと考えます。
次に、今後の板橋区の運動施設開放及び整備の方針、計画を教えてください。区内でも住民おのおのの健康づくりへの取り組みが盛んに行われております。ますますスポーツを気軽に行える場所の提供が必要であり、そのニーズが高まっていると感じます。場所や施設の確保が地域スポーツを支える組織にとって大きな課題となっています。
次に、子育て支援についてお伺いします。
まず、あいキッズについてお伺いします。
あいキッズは、板橋区の看板子育て政策だと考えています。少子化の中で、子育て世帯を地域に呼び入れたいという思いは、周辺の自治体、どの地域でも同じです。板橋区でも、あいキッズの実施をさらに進めていただきたいと考えますが、今後の未実施校での導入見通しを教えてください。
子育て政策において、地域住民のニーズを満たしつつ、板橋区がナンバーワンであるためには、実施したよい政策をうまくアピールをしていかなければなりません。これから都心に移り住もうと考えている子育て世代にあいキッズの情報を届けるために、区の外にも情報発信をしていくべきだと考えます。インターネットの活用や定期的にメディアに取り上げてもらえるような話題づくりを行うなど、知恵と工夫で「板橋区で子育てをしよう」と思ってもらえるような広報が必要だと考えますが、いかがでしょうか。区のお考えをお示しください。
次に、児童館施設の今後の在り方について伺います。
私ごとになりますが、昨年、子どもを授かり、新米の父親として、日々成長する子どもの姿に驚かされたり癒されたりしています。これまでの生活では気づかなかったことにいろいろと気づく発見の毎日でもあります。
例えば、子どもの遊び場です。小学生のころには卓球や粘土など、学校にはないもので遊ぶために、友人とよく近くの緑が丘児童館に私は通いました。ですから、児童館は小学生の遊び場であるという印象がありましたが、今では妻が幼い息子を連れて、緑が丘児童館で楽しんでいます。
聞くところによりますと、乳児を連れて安心して遊べるところは思った以上に少なく、これから迎える夏の暑さなどを考えると、さらに切実だそうです。
また、初めての子育て、特に結婚や出産を機に移り住んできた場合では、地域に気軽に相談できる人や友人もなく、必要な情報も得にくい状況で、孤軍奮闘することになってしまいます。
そこで提案です。乳幼児親子が1日中安心して過ごせる専用の児童館をつくってはいかがでしょうか。小学校の放課後対策、保育園の待機児童対策と同様、乳幼児の在宅子育てにも力を注いでいくことは重要であり、幾つかの児童館を乳幼児親子専用に活用していくことは非常に有効であると思います。
まだ眠っている時間が多いゼロ歳児から、運動量も多く活発な幼稚園児の年齢まで、成長や発達の状況、遊びの内容などに応じて部屋を分け、安全に思い切り遊ばせることができる。さらには、お母さん方が落ちついて子育ての知識を得たり、子育ての情報交換をしたりできるスペースもある。こんな児童館ができたら非常に喜ばれるのではないでしょうか。
大きな観点で言えば、子育て世代を呼び込む策の1つにもなると思いますが、区長はいかがお考えになりますでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
さらに、あいキッズの展望についてお伺いします。
あいキッズにおいて、安全・安心な「場」の提供から、さらに取り組みを強化して、「知」の提供を目指すことを要望します。現在行われている施設単位の子どものためのイベントや催しは、施設のある付近の子どもしか集まらないのが課題であり、また、逆に子どもたちにとっては、施設の特性によって、与えられる学びの機会が偏り、例えば、科学に興味はないけれど科学館のイベントしかないというような事態になっています。
したがって、子どもたちのために、参加、体験型のイベントをあいキッズのある学校単位で行い、学びの機会やメニューを増やすことで、子どもたちの知の発見を助けたいと思いますが、いかがでしょうか。これまでも地域で奮闘されてきた学童保育職員、図書館職員、美術館職員など、板橋の知を支える皆さんを学校に派遣することで、子どもたちのニーズも知ることができますし、おのおのの施設利用者の掘り起こし、利用者の拡大にもつながると期待します。
カリキュラムには縛られない、好奇心を育むような学びの機会の創造を願いますが、いかがでしょうか。区のご所見をお伺いいたします。
次に、文化振興について伺います。
まず、植村冒険館の資料活用について伺います。
国民栄誉賞を受賞した植村直己の冒険館、植村冒険館の資料は国内第一級の資料であると考えますが、今後の活用の方針をお尋ねします。特に植村直己のチャレンジスピリットは子どもたちの道徳教育にもっと活かすことができると考えます。世界と板橋を結ぶ資料であり、非日常の過酷な世界を知る機会にもなり、子どもの好奇心にも大きく訴えかける、またとない資料でありますので、活用を要望します。
続いて、植村冒険館の移設について伺います。
世界に誇る植村資料について有効な活用を図るためにも、もっと多くの来館者の見込める場所に移してはどうかと考えますが、区長のご所見をお伺いします。
また、学校の社会科見学の行程に組み込めるような広い場所に移設してはいかがでしょうか。全国からチャレンジャーや冒険者が集い、勇気を与えることのできる冒険館に、ぜひともしていただきたいと考えます。
続いて、植村冒険館のホームページについて要望します。
ホームページでは、植村直己についてのプロフィールや展示資料についての説明のページがありません。もっと足を運びたくなるような広報の工夫を要望いたします。「植村直己という冒険者・人間を伝えたい」という気持ちや思いがさらに伝わるホームページにしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
次に、花火大会の中止について伺います。
今回の災害に際して、中止の結論に至ったことはやむを得ないと思います。しかし、一方で、中止の決断が早く、残念に思っている区民が非常に多いことも事実です。区民に長く愛されてきた花火イベントであり、板橋の誇る文化であると考えますので、中止の決断は大変に重く受けとめました。来年の実施に向けて、区長から区民へのメッセージをいただきたいと思います。
次に、節電対策について質問します。
板橋区が進んで節電を実施することが、区内においては節電の喚起となります。節電への呼びかけだけでなく、積極的な節電への取り組みを住民へ示していただきたいと考えます。
まず、節電目標の設定や時差出勤やノー残業デーなどの区としての取り組みについてお伺いします。
さらに、高齢者、幼児、障がい者の熱中症対策について質問します。
今年も例年より気温の高い夏が来ると予想されております。高齢者は義理がたく、自らの体調を顧みず、節電に努められる傾向があるようです。節電を訴える一方で、小まめな水分補給や節度のある室内温度の調節も気をつけていただかなければいけません。そこで、高齢者や幼児、障がい者の安全を守るため、熱中症防止のための区の取り組みを教えていただきたいと思います。
以上をもちまして、私の一般質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手する人あり)
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●区長(坂本 健君) 皆様、おはようございます。早速、山田貴之議員の一般質問にお答えいたします。
最初に、被災地への長期的・継続的支援についてのご質問であります。
被災地は甚大な被害を受けておりまして、区としましても、義援金をはじめ、物資の提供や職員の派遣などの支援を行っているところでございます。今後も支援要請に基づいて、積極的に対応していきたいと考えております。
次に、受け入れた被災者への支援についてのご質問であります。
区内に避難された方への支援といたしましては、被災者専用の臨時震災ダイヤルを開設するなど、総合的な相談を受ける中で、区立住宅への受け入れや、避難してきた世帯の生活の立ち上げの特例貸付などを行いまして、支援を行っているところであります。さらには、区立住宅やまちづくり住宅への入居世帯につきましては、テレビ、冷蔵庫、照明器具、布団、毛布など、こういった生活用品を提供するなどの支援をしたところでございます。また、保育園におきましては13名、小・中学校で44名、幼稚園で1名の受け入れを行っているところであります。
引き続き、被災地情報や区が提供可能な事業をお知らせするための区独自の被災者登録制度を活用して、的確かつきめ細かな被災者支援に努めてまいる所存でございます。
続いて、周辺自治体との相互支援協定についてのお尋ねであります。
震災発生時に備え、東京23区ほか、13の自治体と災害時の災害時支援協定を締結しております。万一の災害に備え、周辺自治体との連携を深めてまいりたいと考えております。
続いて、大地震に対する区長の感想及び首長としての認識についてのご質問でございます。
東日本大震災では、多くの方が尊い命、財産を奪われました。心からお悔やみとお見舞いを申し上げる次第でございます。避難所で生活を余儀なくされている方も多く、一日でも早く通常の生活に戻っていただきたいと願っております。このような惨禍を繰り返すことがないように、日ごろから防災の備えをしていくことが大切だと痛感をしたところであります。
東日本大震災を受け、区としても危機管理体制を強化するべく、6月1日に組織改正を行ったほかに、災害対策関連の補正予算を組んだところであります。防災は自らの安全を自らが守るという、考えで臨むことが大切であります。このような啓発についても進めてまいりたいと考えております。
次に、防災マニュアルの作成についてのご質問であります。
今回の教訓を糧に、地域防災計画を総点検し、改訂することといたしました。具体的にはBCPの作成、初動対応力の充実・強化、防災訓練の充実、災害時要援護者支援の基盤整備、帰宅困難者支援の基盤整備などを重点施策として位置づけるものであります。
次に、臨機応変な現場判断ができるリーダーの育成についてのご質問であります。
現在も被災地に職員を派遣しておりますが、地域防災計画の見直しに際しまして、実際に被災地に派遣した職員の体験は、今後の災害対策で大変参考になると考えます。また、各部庶務担当係の所掌事務に、危機管理に関する各種計画の日常的な点検、訓練に関することを加えたところであります。組織と職員を強化することで、それぞれの職場で求められる災害対応能力を発揮できる人材の育成を進めてまいりたいと考えております。
続いて、帰宅困難者対策についてのご質問であります。
帰宅困難者対策につきましては、中央防災会議におきまして方針が示されているため、東京都と連携をして周知をしていくものであります。
区の対策といたしましては、帰宅困難者のための支援ステーションを4か所から12か所に増やす予定であります。
次は、防災無線についてのご質問であります。
区の同報系防災無線につきましては、震度4強相当の揺れを感知すると自動的に放送される仕組みとなっておりまして、3月11日にも正常に作動はしましたが、音声が聞き取りにくく、音声が聞こえないという声も寄せられたところであります。現在、音声伝達の課題につきまして、事業者に改善提案を求めている段階でありまして、現在使用している防災無線につきましては、来年度、機器更新を行う予定となっております。災害対策のための設備であることから、今回のような災害時には積極的に活用し、正しい情報を迅速にお伝えできるよう、努めてまいりたいと考えております。
続いて、備蓄物資についてのお尋ねであります。
区立学校以外の学校につきましても災害時における協定を締結しておりますが、具体的な行動についての詰めまでは至っていないのが現状であります。今般の震災を教訓に地域防災計画の総点検を実施するので、その中におきまして、避難所の考え方や備蓄物資のあり方についても、あわせて検討を進めてまいりたいと考えております。
続いて、災害用照明設備の設置についてのご提案でございます。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせました照明設備につきましては、ライフラインの断絶時に威力を発揮すると考えます。しかしながら、現時点におきましては、設置に当たって課題も多いために、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。
次は、ボランティアの受け入れについてのご質問であります。
区にはボランティア活動に関するノウハウを持ついたばし総合ボランティアセンターがございます。災害発生時にすべての業務を区が統括することは困難なために、このようなボランティアセンターと連携し、それぞれの機関が得意とする分野の能力を最大限発揮できる連携体制を構築してまいりたいと考えております。
次は、災害発生時の耐震審査についてのご質問でございます。
震災直後の建物被害調査の1つとして応急危険度判定がございます。応急危険度判定につきましては、余震等による建物の倒壊や部材の落下などから生ずる二次災害を防止するものでありまして、被害に応じて「調査済み」、「要注意」、「危険」に区分をしまして、建物外部の見えやすい部分に表示をして行っているものであります。大規模な地震で多くの建物に損傷が生じて、区だけでは対応できない場合におきましては、国、都道府県、市町村など、全国規模で整備されている協力体制のもとで、登録されている他の自治体職員、建築士の派遣を要請し、迅速な応急危険度判定を実施する予定であります。
続いて、災害時復旧工事委託契約制度についてのご質問でございます。
板橋区では、災害時において、区施設等の安全点検や改修等の緊急対応ができるように、板橋区地域防災計画に基づき、建設、土木をはじめ、あらゆる団体等と協定を結んでございます。今後も災害時に迅速かつ適切に対応ができるように、関係団体等との連携を強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、補正予算の基本的な考え方についてのご質問でございます。
今回の補正予算は、東日本大震災の教訓を踏まえ、積極的な被災者・被災地の復旧・復興支援、区の防災体制の再構築、夏季の電力不足に備えた節電対策、震災及び節電の影響による中小企業支援など、早急に対応を講ずる必要がある事業について編成をしたものであります。
次に、震災対策事業の財源についてのご質問でございます。
板橋区では、3月11日の発災直後から、帰宅困難者対策をはじめ、継続して震災対策を講じております。前年度に実施をしました事業の財源につきましては、年度末を控えていたため、補正予算での対応は困難であったために、予算の流用によって、他の事業経費を活用して対応してまいりました。また、今回の補正予算につきましては基金繰り入れによらず、既定事務事業の見直しなど、予算の組みかえによって財源の確保を図ったところであります。今後、防災対策の見直し業務が進展をする段階におきまして、新たに対応が必要となった場合におきましては、補正予算も視野に取り組んでまいりたいと考えております。財源につきましては、今回の補正予算と同様、既定事務事業の見直しや歳計剰余金を活用することによって確保してまいりたいと考えております。
次は、今後の防災対策に対する決意についてのご質問でございます。
今後、大震災による企業活動の減速、減収などにより、都区財政調整交付金の減収など、区財政への影響も懸念がされているところであります。しかし、区民の生命、財産を守り、安全・安心なまちづくりを推進することは極めて重要でありまして、大震災で浮かび上がりました課題をもう一度洗い出し、引き続き防災対策に計画的かつ重点的に取り組んでいく所存でございます。
次に、危機管理体制の強化についてのご質問であります。
今月1日付で危機管理担当部長を2ポスト新たに設置し、危機管理対策課と防災課を統合して防災危機課とするとともに、防災危機課長に防災担当課長と特命担当課長を加えた3人の課長体制を引きまして、実人員におきましても課長級と係長級職員の2名を増員しております。東日本大震災を経験し、今後の区内での災害発生も見据えて、地域防災計画の大幅な練り直しや業務継続計画(地震編)の策定、初動期対応力の強化など、緊急かつ重点的に取り組むべき課題を全庁的な調整のもとに強力に推進していくために、今年度、年度途中ではございますが、危機管理体制の強化及び充実を図ったところであります。
次に、備えについてのご質問であります。
放射性物質の拡散に伴う被害につきましては、国民保護計画では一定の対応を検討してまいりましたが、地域防災計画を総点検する中におきましても検討を進めてまいりたいと考えております。
続いて、放射線量測定についてのご質問であります。
区内の小学校において、校庭の土、砂場の砂、プールの水及び大気中の放射線量、区立保育園の園庭及び公園の土、砂場の砂、大気中の放射線量について、業者に委託し、測定を行う予定であります。本庁舎周辺におきまして、平日の定時に職員が大気中の放射線量を測定する予定であります。測定の結果につきましては、区のホームページで公表する予定であります。
次に、現在の緑化計画の実施状況と展望についてのご質問でございます。
本年3月、「緑の基本計画、いたばしグリーンプラン2020」を策定し、緑を取り巻く状況に応じた計画を始めたところであります。特に地球温暖化問題を契機とした環境問題に対する緑の重要性の高まりや、公園維持活動における協働の機運など、社会状況の変化を的確に把握し、これに対応した長期的な視点に立った方針でございます。次の世代に引き継ぐため、区民や事業者の皆さんの協力をいただきながら、緑豊かなまちづくりの推進に取り組んでいく予定であります。
次に、緑のカーテンについてのご質問でございます。
例年、区ではエコポリスセンターでの講習会をはじめ、エコポリス板橋地区環境行動委員会のほか、町会、自治会、PTAなどの地域の要望を受けながら、講習会に講師を派遣しております。今年は夏場の節電対策のため、区民にゴーヤの苗など5,000本を、育て方のリーフレットとともに配布をしたところであります。緑のカーテンへの関心は例年になく高まっておりまして、今後、区民の要請、要望に応じまして、区内のさまざまな地域で講習会を開催してまいりたいと考えております。
次に、夜間のスポーツ施設利用中止についてのご質問でございます。
体育施設の早朝利用につきましては、新河岸や加賀庭球場のように住宅が少ない地域におきましても、騒音の問題で周辺の理解を得ることが難しく、今後の課題として考えたいと思っております。
なお、ナイターの利用につきましては、今後の電力需給状況を踏まえて、区民の生きがいづくりと健康増進を図るため、再開時期について検討を進めてまいりたいと考えております。
続いて、区内施設の開放についてのご質問でございます。
施設の開放につきましては、小豆沢、城北、徳丸ケ原野球場及び、東板橋公園運動場について、野球の利用が入っていない時間帯につきましてを、子どもの遊び場として開放しております。小豆沢、城北野球場につきましては、空いている時間帯を有効活用し、他の競技におきましても使用できるかについて検討していきたいと考えております。
計画事業としましては、高島平、小豆沢体育館温水プールの改修がございまして、高島平温水プールは今年の8月の末、小豆沢体育館温水プールにつきましては、平成26年度中のオープンを予定しております。
そのほかの施設整備、改修等につきましては、本年度中に施設整備計画を策定いたしまして、今後の整備の指針とする予定でございます。
次に、児童館施設の今後のあり方についてのご質問であります。
今後の児童館のあり方につきましては、利用状況や社会情勢などを踏まえて慎重に検討しているところでございます。現在、乳幼児親子が1日中過ごせるすくすくサロンの部屋がある児童館を増やしまして、赤ちゃん出会いのひろばなど乳幼児親子向けの事業充実も図っているところであります。
しかし、夏の暑い時期に夏休み中の小・中学生と児童館の利用が重なって、乳幼児親子の安全な居場所が不足するなどの課題もございまして、深刻な区長への手紙も多く寄せられております。
子育てしやすい環境の整備につきましては、少子高齢社会における最重要課題の1つとしてとらえ、提案内容について十分検討を進めてまいりたいと考えております。
次は、植村冒険館の資料の活用についてのご質問でございます。
植村冒険館の資料は、ご指摘のとおり、国内第一級の大変貴重な資料であると考えます。植村冒険館で収蔵している資料につきまして、その中には現在未公開なものもございまして、今後、未公開の資料を中心とした企画展を開催するなど、計画的に資料の活用に努めてまいりたいと考えております。
続いて、植村冒険館の移設についてのご質問でございます。
植村冒険館の移設につきましては、移設先の確保の検討が必要でございまして、今後の課題とさせていただきたいと思います。現在、小・中学校や区立体育館等で出張展示を実施しておりまして、今後も出張展示の活用など展示の内容を工夫し、子どもたちをはじめとした多くの皆様方に植村さんの偉業を伝えてまいりたいと考えております。
続いて、植村冒険館のホームページについてのご質問であります。
植村冒険館のホームページに植村さんのプロフィールや展示資料の説明がないことはご指摘のとおりであります。今後、ホームページの内容を見直し、植村さんのプロフィールや展示資料をはじめ、困難なことに積極的にチャレンジしていった植村さんの冒険者としての偉業が伝わるように努めてまいりたいと考えております。
次は、花火大会の中止についてのご質問であります。
いたばし花火大会は、多くの区民の方々に楽しみにしていただいている区を代表する大イベントであります。来年度につきましては、来場者の安全を確保した上で社会情勢を見きわめながら実施に向けて最大限努力をしてまいりたいと考えております。
次に、区の節電目標についてのご質問であります。
国の夏季の電力需給対策を踏まえて、区施設の節電対策につきましては、国の節電行動計画フォーマットに基づいて、本庁舎の節電に準じて、すべての施設で実施をし、最大限の節電に取り組んでいく決意でございます。節電目標は、国の需要抑制目標に準じて15%以上の削減とするものであります。
6月18日発行の「広報いたばし」節電特集号、ホームページ等で区の取り組みや節電の工夫などについて、広く区民の皆様に周知をしてまいりたいと考えております。
続いて、時差出勤についてのご質問であります。
サマータイムのような時差出勤につきましては、開庁時間の繰り上げによる区民サービスの低下等を考慮いたしますと、なかなか困難な状況でもございます。区といたしましては、従前、1週間に一度、水曜日に設定をしているノー残業デーを金曜日にも拡充し、極力残業を縮減することによって節電対策の一環とするとともに、ワーク・ライフ・バランスの実現にも資するよう取り組んでまいりたいと考えております。
最後のご質問でございます。幼児、高齢者、障がい者の熱中症対策についてのご質問でございます。6月下旬の区の広報での特集記事やホームページ、ポスター掲示により注意喚起を図ってまいりたいと思います。
高齢者につきましては、介護保険料の納付通知に合わせて、個別通知により啓発を図るとともに、必要に応じて訪問等を行うものであります。
障がい者につきましては、各種団体及び福祉園を通じて、節電下において必要な冷房の適温使用や水分補給等の注意喚起に努めてまいりたいと考えております。
教育委員会に関する答弁につきましては、教育長から行います。
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●教育長(北川容子君) おはようございます。山田貴之議員の教育委員会関係のご質問について、お答えをいたします。
初めに、校庭の芝生化についてのご質問でございます。
現在、5校において校庭芝生化を実施しておりまして、本年度は赤塚新町小学校を予定しています。校庭の芝生化は、環境面や教育面における効果が大きいとともに、地域を挙げた芝生の維持管理体制を組んでおりまして、地域ぐるみで子育てに取り組む契機となっていると考えています。一方で、養生期間が必要など維持管理上の課題もあることから、現在実施している学校のノウハウを蓄積しながら取り組みを進めてまいりたいと思います。
次に、あいキッズに関しての質問でございます。
初めに、今後の未実施校での導入見通しについてです。あいキッズは平成23年4月1日現在で17校で実施しており、平成24年度8校、平成25年度8校の新規実施校が既に決定をしております。「いたばしNo.1実現プラン2015」及び「いたばし学び支援プラン第2期」において発表しているところでございます。
また、平成26年度及び27年度は、新規に10校ずつ実施する計画でございまして、平成27年度までに、すべての53校で実施する予定でございます。
次に、あいキッズの広報活動についてのご質問でございます。
あいキッズは、放課後子ども教室と学童クラブを一体的に運営をいたします新しい放課後対策事業であり、保護者や地域から大変好評を得ているところです。あいキッズ事業の内容を区の内外の子育て世代に積極的にPRしていくことは極めて重要なことであると考えています。そのためにホームページの充実や、さらなる魅力あるプログラムづくりに取り組んでいきたいと思います。
最後に、あいキッズの今後の展望についてのご質問でございます。
あいキッズは、地域の方々の協力をいただき、遊びや文化、スポーツなどの豊かな体験を通して、元気でたくましく、そして情操豊かに育ってくれることを目標に実施をしている事業です。地域の方々にサポーターとして協力をしていただき、昔遊びや学習指導、サッカーなど、さまざまなプログラムを提供するとともに、児童館・学童クラブ職員による出前児童館や、地域図書館等との連携による読書活動にも取り組んでおります。
今後とも地域の方々や専門職員である児童館・学童クラブ職員、図書館職員などとの連携を深めまして、魅力あるプログラムを提供することにより、あいキッズがより充実した活動となるように推進してまいりたいと思います。
答弁は以上でございます。